ルシュエット|マレーシア留学・教育移住
調査レポート

教育移住先の物価データ|13か国の価格水準を日本と比べる【2026年版】

世界銀行の公表データから価格水準を計算し、日本を100として13か国を比べました。英語圏はすべて日本より高く、マレーシアは48.8。この数字で分かること・分からないこともあわせて整理しています。

留学や教育移住の候補国は、日本と比べて物価が高いのでしょうか、安いのでしょうか。世界銀行が公表しているデータから価格水準を計算し、日本を100として並べたところ、比較対象とした英語圏5か国はいずれも日本を上回りました(アメリカ合衆国154.2、オーストラリア139.0)。一方でマレーシアは48.8と、日本の半分ほどです(2025年)。ただしこの数字は国全体のマクロ指標で、家賃や学費をそのまま比べたものではありません。読み方もあわせて整理します。

この調査のまとめ2025年

48.8
マレーシアの価格水準(日本を100とした場合・2025年)
5か国
13か国のうち、日本より物価水準が高い国(比較対象の英語圏5か国はすべてここに入ります)
+3.17%
日本の物価上昇率(2025年)。マレーシアは+1.38%

この「価格水準」は何を測った数字か

ここで使っているのは、世界銀行が公表するPPP換算係数(購買力平価)を、その年の為替レートで割った値です。同じ商品・サービスの組み合わせを買うのに、その国では市場の為替レート換算でいくらかかるかを示します。

本記事では読みやすさのため、日本を100に置き換えています。120なら「GDPを構成する財・サービス全体の価格水準が日本の1.2倍」、50なら「同じく日本の半分程度」という読み方になります。この指標が測っているのは経済全体の価格水準で、家計の生活費そのものではありません。

大事な前提が2つあります。ひとつは、国の経済全体(GDP)を対象にした指標だということ。家賃・食費・学費といった、家計が実際に払う費目だけを取り出した数字ではありません。もうひとつは、為替レートを使って計算しているため、円安・円高でこの値が動くことです。

日本を100としたときの、13か国の価格水準

高い順に並べると、上位は英語圏で占められます。アメリカ合衆国が154.2で最も高く、オーストラリアが139.0、イギリスが137.4と続きます。

日本より低いのは7か国です。シンガポール(93.3)、韓国(88.5)、フィリピン(51.1)、マレーシア(48.8)などが並びます。

表1 価格水準と1人あたり所得(原則2025年・日本を100とした指数/年は国ごとに表内に記載)

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価格水準(日本=100)(米国=1.00)算出年1人あたりGNI
アメリカ合衆国154.21.0002025年88,810ドル
オーストラリア139.00.9012025年64,120ドル
イギリス137.40.8922025年54,550ドル
ニュージーランド132.00.8562025年46,630ドル
カナダ128.60.8342025年56,420ドル
日本100.00.6492025年38,340ドル
シンガポール93.30.6052025年81,760ドル
韓国88.50.5742025年37,880ドル
フィリピン51.10.3322025年4,850ドル
マレーシア48.80.3162025年12,380ドル
タイ47.30.3072025年7,690ドル
ベトナム44.40.2882024年4,970ドル
インドネシア44.20.2872025年5,120ドル

出典:世界銀行(World Bank)『World Development Indicators(世界開発指標)』。価格水準は「PPP換算係数 ÷ 公式為替レート」で当社が計算し、日本を100に換算したもの。1人あたりGNIはアトラス法・米ドル。

図1 価格水準(日本を100とした指数・原則2025年/ベトナムのみ2024年)
  • アメリカ合衆国154.2
  • オーストラリア139.0
  • イギリス137.4
  • ニュージーランド132.0
  • カナダ128.6
  • 日本100.0
  • シンガポール93.3
  • 韓国88.5
  • フィリピン51.1
  • マレーシア48.8
  • タイ47.3
  • ベトナム44.4
  • インドネシア44.2

出典:世界銀行(World Bank)『World Development Indicators(世界開発指標)』/作図:ルシュエット。棒が長いほど物価水準が高い国です。

比較した英語圏5か国と東南アジア5か国では、約2.9倍の開きがあります

留学先としてよく挙がる英語圏5か国(アメリカ合衆国・オーストラリア・イギリス・ニュージーランド・カナダ)の平均は138.2、シンガポールを除く東南アジア5か国(マレーシア・タイ・ベトナム・インドネシア・フィリピン)の平均は47.1でした。その差は約2.9倍です。

シンガポールを含めた東南アジア6か国の平均は54.8です。シンガポールは93.3と他の5か国から大きく離れているため、上の比較では分けています。安い国だけを選んだ平均ではないことを確認できるよう、両方を載せています。平均は丸める前の値から計算しているため、表の表示値(小数第1位)で計算すると末尾が1つずれることがあります。この5か国・5か国は当社が選んだもので、英語圏・東南アジアの全体を代表するものではありません。

ただしこれは経済全体をならした価格水準の差であって、家賃や食費といった家計の支出がそのままこの比率になるという意味ではありません。家計の生活費だけを取り出した指標ではないため、渡航費用の見積もりに直接使うことはできません。

現地から

マレーシアの数字(48.8)は「日本の半分で暮らせる」と読まれやすいのですが、この指標は家計の生活費ではないので、そのようには読めません。実際のご相談でも費目によって印象が変わります。外食や交通費は日本よりかなり安く感じられる一方、日本の食材を買う、コンドミニアムの高層階に住む、インター校に通うといった選択をすると、日本と変わらないか、それ以上になることもあります。国全体の平均と、ご自身の暮らし方は分けてお考えください。

シンガポールが日本より低く出る理由

この表で意外に見えるのがシンガポール(93.3)と韓国(88.5)です。どちらも「物価が高い国」という印象がありますが、この指標では日本を下回っています。

理由は2つ考えられます。ひとつは、この指標が国の経済全体をならした値であること。個人の体感に残りやすい費目(住居費など)が高くても、GDP全体には企業の設備投資や政府支出も含まれるため、体感と一致するとは限りません。費目ごとの内訳は、この指標には含まれていません。なお為替の影響もあります。この値は市場為替レートで換算しているため、為替が動くと指数も動きます。各国通貨の対米ドルレートはそれぞれ別に動くので、影響の出方は国ごとに違います。シンガポールの値には、GDPの構成・PPPの推計方法・シンガポールドルと円の為替変動などが重なっており、単一の理由には帰せられません。

つまりこの表は、「その国で暮らすといくらかかるか」の順位表ではありません。国どうしの大まかな水準を比べる出発点として使い、家賃や学費は費目ごとに確認するのが確実です。

物価の上がり方も国によって違います

今の水準だけでなく、これからどう動くかも判断材料になります。直近の消費者物価上昇率を見ると、日本は+3.17%(2025年)でした。

マレーシアは+1.38%(2025年)で、この年は日本より緩やかでした。ただしこれは単年の値です。将来も同じ差が続くという意味ではありません。

表2 消費者物価上昇率(高い順・年%)

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消費者物価上昇率データの年
イギリス+3.88%2025年
ベトナム+3.31%2025年
日本+3.17%2025年
アメリカ合衆国+2.95%2024年
オーストラリア+2.87%2025年
ニュージーランド+2.84%2025年
韓国+2.12%2025年
カナダ+2.07%2025年
インドネシア+1.91%2025年
フィリピン+1.66%2025年
マレーシア+1.38%2025年
シンガポール+0.90%2025年
タイ-0.13%2025年

出典:世界銀行(World Bank)『World Development Indicators(世界開発指標)』

※1年分の数字です。単年の上昇率はその年の事情に左右されるため、傾向を見るには複数年で確認してください。

調査方法と、このデータの限界

データの出どころ

  • 世界銀行(World Bank)『World Development Indicators(世界開発指標)』のAPIから、PPP換算係数(GDP)・公式為替レート(期中平均)・1人あたりGNI・消費者物価上昇率を取得しました(確認日:2026年9月17日)。
  • 価格水準は「PPP換算係数 ÷ 公式為替レート」で当社が計算し、日本を100に置き換えたものです。世界銀行がこの指数をそのまま公表しているわけではありません。

読むときの注意

  • 家計の生活費ではありません。国の経済全体(GDP)を対象にした購買力平価に基づく値で、家賃・食費・学費といった費目ごとの比較ではありません。
  • 為替レートで動きます。市場為替レートで換算しているため、円安・円高でこの値は変わります。円換算の根拠として使える数字ではありません。
  • 国全体の平均です。首都と地方では物価が大きく違います。教育移住で暮らすのは多くの場合、物価が高い都市部です。
  • 算出年が国によって違います。表に算出年を記載しています。
  • 台湾は含まれていません。本記事で使った世界銀行の各指標では、台湾の該当データを取得できなかったためです。
  • 物価上昇率は単年の値です。その年の事情(エネルギー価格など)に左右されます。

出典一覧

この記事で使ったデータと、その提供元

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調査・資料名(リンク先で原典を確認できます)実施機関(原データの提供元)年次(基準日)確認日
World Development Indicators(世界開発指標)世界銀行(World Bank)PPP換算係数・公式為替レート・1人あたりGNI・消費者物価上昇率(各指標の最新年)2026年9月17日
指標コード PA.NUS.PPP(PPP換算係数(GDP))原データ=国際比較プログラム(ICP)・Eurostat・OECD/掲載=世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月17日
指標コード PA.NUS.FCRF(公式為替レート(期中平均))原データ=国際通貨基金(IMF)International Financial Statistics/掲載=世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月17日
指標コード NY.GNP.PCAP.CD(1人あたりGNI(アトラス法))原データ=世界銀行・OECD 国民経済計算/掲載=世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月17日
指標コード FP.CPI.TOTL.ZG(消費者物価上昇率)原データ=国際通貨基金(IMF)International Financial Statistics/掲載=世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月17日

データの引用・転載について

本記事の集計表・グラフは、出典表示のうえ引用・転載いただけます

当社が計算した価格水準(日本=100の指数)と、それをもとにした表・図は、ご連絡なしで引用・転載いただけます。引用の際は、下記のように出典とリンクを添えてください。

出典:ルシュエット「教育移住先の物価データ|13か国の価格水準を日本と比べる【2026年版】」
https://luchouette.com/column/data-bukka-kokubetsu/

※政府統計そのものの数値は、各機関の利用規約に従ってください。本記事が再配布を許諾するのは、当社が計算・作図した部分に限ります。出典元の資料にも同じ数値が載っている場合は、原資料をあわせてご確認ください。
※このデータは毎年更新します。引用の際は、記事の更新日をあわせてご確認ください。

よくある質問

マレーシアの物価は日本と比べてどのくらいですか。

世界銀行のデータから計算した価格水準では、日本を100としたときマレーシアは48.8です(2025年)。おおよそ半分の水準ですが、これは国の経済全体をならした指標で、家賃や学費をそのまま比べた数字ではありません。

留学先として、英語圏と東南アジアではどのくらい費用が違いますか。

物価水準で見ると、英語圏5か国の平均が138.2、東南アジア5か国の平均が47.1で、約2.9倍の開きがあります(日本=100)。ただし学費は学校ごとに決まるため、この指標とは別に確認が必要です。

シンガポールが日本より低いのはなぜですか。

この指標が国の経済全体をならした値であることが大きいと考えられます。GDPを構成する財・サービス全体が含まれ、家計の支出だけを取り出したものではないためです。加えて市場為替レートで換算しているため、シンガポールドルと円の動きも影響します。ただし本記事のデータからは、どの要因がどれだけ効いているかまでは分かりません。

この数字を使って、円換算の生活費を計算できますか。

できません。この指標は国どうしの大まかな水準を比べるためのもので、為替レートで変動します。円換算の目安が必要な場合は、費目ごとの実額をご確認ください。

物価が安い国を選べば、教育移住の費用は抑えられますか。

この指標はGDP全体の価格水準で、家計の生活費を測ったものではないため、この数字から生活費がいくらになるかは分かりません。とくに学費は別で、インターナショナルスクールの学費は学校ごとに決まり、国の物価水準と必ずしも連動しません。生活費と学費は分けて見積もることをおすすめします。

このデータを自分の記事で使ってもいいですか。

当社が計算した価格水準(日本=100の指数)と、それをもとにした表・図は、出典表示(本記事へのリンク)を添えていただければ引用・転載いただけます。世界銀行の公表値そのものは、同行の利用規約をご確認ください。

本記事に記載した費用・制度・学校情報は、2026年8月時点に公開されている情報にもとづく目安です。制度や料金は改定されることがあるため、お申し込みの前に各公式サイト、または当社までご確認ください。