留学や教育移住の費用を考えるとき、前提になるのが所得の水準です。物価の差を調整して比べる「購買力平価」で見ると、日本の1人あたり国民総所得(GNI)は58,920国際ドルで、15か国中9位でした(2025年)。2000年は4位です。2018年に韓国が日本を上回り、それ以降は一度も逆転していません。
この調査のまとめデータは2025年時点(2026年9月21日確認)
- 日本は15か国中9位です。1人あたりGNI(購買力平価)は58,920国際ドルでした(2025年)。
- 2000年の4位から9位へ下がっています。物価の影響を除いた値では日本も2000→2024年で約1.18倍に伸びていますが、韓国は約2.04倍で、伸び方に差がありました。
- 2018年に韓国が日本を上回りました。その年は韓国45,680に対し日本44,700で、以降は一度も逆転していません。
- 最も高いのはシンガポールの135,750国際ドルです。日本の約2.3倍にあたります。マレーシアは40,070で、日本の約68%です。
目次
1人あたりGNI(購買力平価)の順位
金額が高い順に並べました。「日本=100」の列は、日本の水準を100としたときの比率です。
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| 国 | 1人あたりGNI(2025年・現行価格の国際ドル) | 日本を100とした比率 | 2000→2024年の伸び(物価の影響を除いた値) | 2025年の順位 |
|---|---|---|---|---|
| シンガポール | 135,750 | 230% | 1.79倍 | 1位 |
| アメリカ合衆国 | 89,490 | 152% | 1.37倍 | 2位 |
| ドイツ | 78,140 | 133% | 1.32倍 | 3位 |
| オーストラリア | 69,930 | 119% | 1.51倍 | 4位 |
| カナダ | 66,820 | 113% | 1.26倍 | 5位 |
| フランス | 65,110 | 111% | 1.19倍 | 6位 |
| イギリス | 64,210 | 109% | 1.25倍 | 7位(同率) |
| 韓国 | 64,210 | 109% | 2.04倍 | 7位(同率) |
| 日本 | 58,920 | 100% | 1.18倍 | 9位 |
| ニュージーランド | 53,600 | 91% | 1.55倍 | 10位 |
| マレーシア | 40,070 | 68% | 1.28倍 | 11位 |
| タイ | 25,570 | 43% | — | 12位 |
| ベトナム | 17,580 | 30% | 3.85倍 | 13位 |
| インドネシア | 17,190 | 29% | 1.67倍 | 14位 |
| フィリピン | 14,460 | 25% | 2.36倍 | 15位 |
出典:掲載=世界銀行 World Development Indicators/原データ=世界銀行・OECD 国民経済計算/換算は国際比較プログラム(ICP)。金額は現行価格(NY.GNP.PCAP.PP.CD)、伸びは物価上昇の影響を除いた定常価格(NY.GNP.PCAP.PP.KD)から当社が計算しました。金額と伸びは別の指標なので、金額どうしを割っても伸びの数字にはなりません。同じ金額の国は同順位にしています。
出典:掲載=世界銀行 World Development Indicators/原データ=世界銀行・OECD 国民経済計算/換算は国際比較プログラム(ICP)/作図:ルシュエット
※「国際ドル」は購買力平価で換算した単位で、物価の差を調整したうえでの比較です。為替レートで換算した金額とは違います。
日本の順位は2000年の4位から9位へ
この15か国のなかでの日本の順位を、5年ごとに並べました。
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| 年 | 日本の順位 | 日本の1人あたりGNI | 韓国の1人あたりGNI |
|---|---|---|---|
| 2000年 | 4位 | 28,090 | 19,110 |
| 2005年 | 4位 | 33,180 | 26,000 |
| 2010年 | 8位 | 36,600 | 33,170 |
| 2015年 | 6位 | 43,330 | 39,910 |
| 2020年 | 9位 | 45,120 | 48,280 |
| 2025年 | 9位 | 58,920 | 64,210 |
出典:掲載=世界銀行 World Development Indicators/原データ=世界銀行・OECD 国民経済計算/換算は国際比較プログラム(ICP)。順位はこの15か国のなかでのものです。
日本の所得自体は伸びています。物価上昇の影響を除いた値(定常価格)で見ると、2000年から2024年で約1.18倍でした。ただし韓国は同じ期間で約2.04倍です。順位が下がったのは、日本が縮んだからではなく、伸び方の差によるものです。
※伸びは定常価格(NY.GNP.PCAP.PP.KD)で計算しています。表1の金額は現行価格(NY.GNP.PCAP.PP.CD)で世界的な物価上昇を含むため、年をまたいだ金額の比較には使えません。金額は最新年の水準の比較に、伸びは定常価格に、と使い分けています。
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| 年 | 日本を上回った国 | その年の金額 | その年の日本 |
|---|---|---|---|
| 2002年 | イギリス | 29,500 | 29,470 |
| 2004年 | ドイツ | 31,940 | 31,730 |
| 2006年 | ドイツ | 35,320 | 34,870 |
| 2009年 | オーストラリア | 39,020 | 34,690 |
| 2009年 | フランス | 35,520 | 34,690 |
| 2009年 | イギリス | 34,990 | 34,690 |
| 2016年 | フランス | 43,750 | 42,880 |
| 2016年 | イギリス | 43,340 | 42,880 |
| 2018年 | 韓国 | 45,680 | 44,700 |
| 2022年 | ニュージーランド | 52,290 | 52,160 |
出典:掲載=世界銀行 World Development Indicators/原データ=世界銀行・OECD 国民経済計算/換算は国際比較プログラム(ICP)。この表に載るのは「前の年は日本より低かったのに、その年に日本を上回った」国だけです。2000年の時点ですでに日本より上だった国(シンガポール・アメリカ合衆国など)は載りません。いったん上回ったあとに再び下回った国もあるため、同じ国が複数回出てくることがあります。
この数字が示していること・示していないこと
示しているのは、物価差を調整したうえでの所得の水準です。為替レートで換算した金額と違い、「同じお金でどれだけ買えるか」をそろえた比較になります。
示していないのは、手取りや家計の余裕です。これは国全体の所得を人口で割った平均で、税や社会保険料を引いた金額ではありません。所得の分布(格差)も含まれていません。
順位が下がった理由も、この指標からは分かりません。生産性、為替、人口構成など複数の要因が考えられますが、いずれもこの数字だけでは確かめられません。
留学費用のご相談では「昔より高くなった」という声をよくいただきます。学費そのものの値上がりに加えて、日本の所得水準が他の国に対して相対的に下がってきたことも重なっていると考えられます。
ただしこれは大きな流れの話で、ご家庭ごとの事情とは別です。マレーシアを選ばれる方が多いのは、英語で学べる環境のわりに費用が抑えられるという実務的な理由が大きいと感じています。
調査方法と、このデータの限界
使ったデータ
- 世界銀行 World Development Indicators から、1人あたり国民総所得(購買力平価・国際ドル/指標コード NY.GNP.PCAP.PP.CD)を取得しました(確認日:2026年9月21日)。
- 対象の15か国は、日本人の留学先・教育移住先として話題になることが多い国を当社が選びました。統計上の区分ではありません。
- 順位・「日本=100」・2000年比は当社の計算です。金額はすべて公表値そのままです。
このデータで分かること・分からないこと
- 国全体の平均です。個人の手取りではありません。税や社会保険料を引いた金額でもありません。
- 所得の分布は含まれていません。平均が高くても、格差が大きい国では実感と違うことがあります。
- 購買力平価は推計値です。換算方法が改定されると、過去の値もさかのぼって変わることがあります。
- 直近の年は推計値を含みます。
- 順位はこの15か国のなかでのものです。世界順位ではありません。
- 順位が下がった理由は分かりません。この指標からは確かめられません。
- 台湾は含まれていません。本記事で使った世界銀行の指標では、台湾の該当データを取得できなかったためです。
出典一覧
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| 調査・資料名(リンク先で原典を確認できます) | 実施機関(原データの提供元) | 年次(基準日) | 確認日 |
|---|---|---|---|
| World Development Indicators(世界開発指標) | 世界銀行(World Bank)=掲載元 | 2000〜2025年 | 2026年9月21日 |
| 指標コード NY.GNP.PCAP.PP.CD(1人あたり国民総所得(購買力平価・国際ドル)) | 原データ=世界銀行・OECD 国民経済計算/換算は国際比較プログラム(ICP)/掲載=世界銀行 World Development Indicators | 世界銀行の指標ページ | 2026年9月21日 |
| 指標コード NY.GNP.PCAP.PP.KD(1人あたり国民総所得(購買力平価・2021年基準の定常価格)) | 原データ=世界銀行・OECD 国民経済計算/換算は国際比較プログラム(ICP)/掲載=世界銀行 World Development Indicators | 年をまたいだ伸びはこちらを使いました(物価上昇の影響を除いた値) | 2026年9月21日 |
| 指標コード NY.GNP.PCAP.PP.CD の取得に使ったAPIのURL | 世界銀行 World Bank Open Data API | 本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます | 2026年9月21日 |
本記事の集計表・グラフは、出典表示のうえ引用・転載いただけます
当社が計算した順位・「日本=100」の比率と、作成した図表のレイアウト・解説文は、ご連絡なしで引用・転載いただけます。引用の際は、下記のように出典とリンクを添えてください。
出典:ルシュエット「購買力で見た所得の国際比較|1人あたりGNI【2026年版】」
https://luchouette.com/column/data-shotoku-suijun-hikaku/
※政府統計そのものの数値は、各機関の利用規約に従ってください。本記事が再配布を許諾するのは、当社が計算・作図した部分に限ります。出典元の資料にも同じ数値が載っている場合は、原資料をあわせてご確認ください。
※このデータは毎年更新します。引用の際は、記事の更新日をあわせてご確認ください。
よくある質問
日本の1人あたりGNIは何位ですか。
この15か国では9位です(2025年・購買力平価で58,920国際ドル)。2000年は4位でした。なお世界順位ではなく、この15か国のなかでの順位です。
韓国が日本を上回ったのはいつですか。
2018年です。その年は韓国45,680国際ドルに対し日本44,700国際ドルで、それ以降は一度も逆転していません(2025年は韓国64,210/日本58,920)。
日本の所得は減っているのですか。
減っていません。物価上昇の影響を除いた値で見ると、2000年から2024年で約1.18倍に伸びています。ただし韓国は同じ期間で約2.04倍で、伸び方に差があります。順位は4位から9位へ下がりました。
「購買力平価」とは何ですか。
物価の差を調整して国どうしを比べる方法です。為替レートで換算すると物価の違いが反映されないため、同じ金額でどれだけ買えるかをそろえた「国際ドル」という単位で比較します。
マレーシアの所得水準はどれくらいですか。
1人あたり40,070国際ドルで、15か国中11位です(2025年)。日本の約68%にあたります。
この金額は手取りですか。
違います。国全体の所得を人口で割った平均で、税や社会保険料を引いた手取りではありません。所得の分布も含まれていないため、個人の実感とは異なります。