ルシュエット|マレーシア留学・教育移住
調査レポート

教育移住先の学力データ|国際比較テストのスコアと教育環境【2026年版】

世界銀行が各国の国際学力調査を同じ尺度に揃えた「学習到達度スコア」をもとに、13か国の学力・教育支出・教員1人あたりの生徒数を一覧にしました。インター校に通う場合この数字がどう当てはまるのかも整理しています。

留学や教育移住の候補国は、教育のレベルがどのくらいなのでしょうか。世界銀行が各国の国際学力調査を同じ尺度に揃えた「学習到達度スコア」では、シンガポールが575.3点で最も高く、日本は537.7点、マレーシアは445.7点でした(2020年・TIMSS換算スコア)。ただしこれはその国の対象年齢・学年の児童生徒を代表するよう設計された国レベルの推計値で、インターナショナルスクールに通う場合はそのまま当てはまりません。読み方もあわせて整理します。

この調査のまとめ指標ごとの最新年

575.3点
比較した13か国で最も高いシンガポールの学習到達度(TIMSS換算スコア・2020年)。日本は537.7点
11.7人
マレーシアの教員1人あたりの生徒数(初等・2017年)。11か国で最も少ない
3.5%
マレーシアの教育への公的支出(GDP比・2023年)。日本は3.3%

学習到達度スコア|比較した13か国ではシンガポールが575.3点で最も高い

各国の学力を比べるとき、よく使われるのがPISAなどの国際学力調査です。ただし国によって参加している調査が違うため、そのままでは比べられません。世界銀行は、PISA・TIMSS・PIRLSといった調査の結果をTIMSS(国際数学・理科教育動向調査)の尺度に換算して揃えた「学習到達度スコア」を公表しています。この尺度は「300=最低限の到達」「625=上級の到達」を目安とする換算値で、625点が満点という意味ではありません。

2020年の値では、シンガポールが575.3点で最も高く、日本が537.7点、韓国が537.2点と続きます。マレーシアは445.7点で13か国中10位、日本との差は92.0点でした。

表1 学習到達度スコア(TIMSS換算・300=最低到達/625=上級到達の目安・高い順/2020年)

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学習到達度スコアデータの年順位
シンガポール575.32020年1位
日本537.72020年2位
韓国537.22020年3位
カナダ534.02020年4位
イギリス520.42020年5位
ニュージーランド519.72020年6位
ベトナム519.12020年7位
オーストラリア515.72020年8位
アメリカ合衆国511.82020年9位
マレーシア445.72020年10位
タイ426.62020年11位
インドネシア394.92020年12位
フィリピン361.62020年13位

出典:掲載=世界銀行 Human Capital Project(Harmonized Test Scores)/原データ=PISA・TIMSS・PIRLS等

図1 学習到達度スコア(TIMSS換算・2020年)
  • シンガポール575.3
  • 日本537.7
  • 韓国537.2
  • カナダ534.0
  • イギリス520.4
  • ニュージーランド519.7
  • ベトナム519.1
  • オーストラリア515.7
  • アメリカ合衆国511.8
  • マレーシア445.7
  • タイ426.6
  • インドネシア394.9
  • フィリピン361.6

出典:世界銀行(World Development Indicators/Human Capital Project)/作図:ルシュエット

GDP比で見た教育支出の順位と、学習到達度の順位は一致していません

「教育にお金をかけている国ほど学力が高い」と考えたくなりますが、GDP比で見るかぎり、そうなっていません。

ただし先に断っておくと、GDP比は「経済規模に対してどれだけ振り向けているか」であって、子ども1人にいくらかけているかではありません。同じ割合でも、経済規模が違えば金額は変わります。この表は割合の比較であり、金額の比較ではない点にご注意ください。

学習到達度1位のシンガポールは、教育への公的支出がGDP比2.2%で、13か国中12位です。逆に支出が最も多いイギリス(5.9%)の学習到達度は520.4点で5位でした。

マレーシアは3.5%で、日本の3.3%を上回ります。日本は13か国の中で9位と、公的支出の割合では上位ではありません。

表2 教育への公的支出(GDP比%・多い順/2021〜2025年)

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教育への公的支出(GDP比)データの年順位
イギリス5.92021年1位
アメリカ合衆国5.42021年2位
韓国5.42022年3位
ニュージーランド5.22023年4位
オーストラリア5.12022年5位
カナダ4.82022年6位
フィリピン4.02025年7位
マレーシア3.52023年8位
日本3.32021年9位
ベトナム2.92022年10位
タイ2.52023年11位
シンガポール2.22024年12位
インドネシア1.32023年13位

出典:掲載=世界銀行 World Development Indicators/原データ=UNESCO統計研究所(UIS)/各国政府。年が国によって異なります。

※GDP比なので、経済規模が大きい国ほど同じ割合でも金額は大きくなります。GDP比の順位が、そのまま生徒1人あたりの金額の順位になるわけではありません。この表から「教育にかける金額が少ない」とは読めません。(1人あたりの金額は、この指標には含まれていません。)
※順位は小数第2位以下も含めた値で付けています。表示(小数第1位)が同じでも順位が分かれる場合があります。

教員1人あたりの生徒数は、マレーシアが最も少ない

学級の手厚さを測る指標が、教員1人あたりの生徒数です。少ないほど、1人の先生が見る子どもの数が少ないことになります。

初等教育ではマレーシアが11.7人で、収録11か国の中で最も少ない結果でした。日本は15.7人です。最も多いのはフィリピンの29.1人でした。

表3 生徒教師比・初等教育(少ない順/2017〜2018年)

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教員1人あたりの生徒数データの年順位(少ない順)
マレーシア11.72017年1位
アメリカ合衆国14.22017年2位
シンガポール14.72017年3位
ニュージーランド14.92017年4位
イギリス15.12017年5位
日本15.72017年6位
韓国16.32017年7位
タイ16.62018年8位
インドネシア17.02018年9位
ベトナム20.32018年10位
フィリピン29.12017年11位

出典:掲載=世界銀行 World Development Indicators/原データ=UNESCO統計研究所(UIS)。この指標だけデータが古く、2017〜2018年の値です。オーストラリア・カナダは同データベースに近年の推計値がないため、この表には含まれません(11か国)。

※データが2017〜2018年と古いため、現在の状況とは異なる可能性があります。また公立・私立を合わせた全国平均で、学校ごとの差は含まれていません。

高等教育への進学率

大学や専門学校などの高等教育に、どれくらいの人が進んでいるかを示す指標です。「総就学率」といい、該当年齢の人口を分母に、年齢を問わず在籍している人を分子に取ります。そのため100%を超えることがあります。

100%を超えうる理由としては、該当年齢より上または下の在籍者(早期入学・留年・社会人の学び直しなど)や、分母の人口に含まれない外国からの留学生が分子に入ることが挙げられます。ただしどれがどれだけ効いているかは、この指標からは分かりません。

最も高いのは韓国の111.9%、日本は64.5%、マレーシアは38.5%でした。100%を超えている国がどの要因で高く出ているかは、この表からは判別できません。

表4 高等教育就学率(総就学率%・高い順/2022〜2025年)

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高等教育就学率データの年順位
韓国111.92024年1位
オーストラリア108.42024年2位
シンガポール97.32023年3位
イギリス80.42023年4位
アメリカ合衆国79.42022年5位
ニュージーランド77.22024年6位
カナダ76.32023年7位
日本64.52023年8位
タイ49.12025年9位
フィリピン47.42024年10位
インドネシア44.92023年11位
マレーシア38.52024年12位
ベトナム37.62024年13位

出典:掲載=世界銀行 World Development Indicators/原データ=UNESCO統計研究所(UIS)

この数字は、インターナショナルスクールには当てはまりません

ここまでの数字は、その国の教育制度全体をならした集計値です。学習到達度はPISA・TIMSS・PIRLSといった標本調査(対象年齢・学年は調査ごとに異なる)を統合して国レベルに推計したもので、在籍者を全員数えたものではありません。個々のインターナショナルスクールを評価する指標ではありません。

教育移住でインターナショナルスクールに通う場合、子どもが受けるのはその国の教育課程ではなく、その学校が採用しているカリキュラム(イギリス式、IB、アメリカ式など)です。教える言語も、教員の出身も、使う教科書も、国の平均とは別のものになります。

つまり「学習到達度スコアが低い国=子どもの教育環境が悪い」とは読めません。この表は、その国の教育制度全体がどういう状態かを知るための材料であって、個々の学校の質を測るものではありません。

現地から

ご相談でも「マレーシアは学力が低い国なのでは」と聞かれることがあります。国全体の数字だけを見るとそう見えますが、私たちがご案内しているのはインターナショナルスクールで、カリキュラムも教員体制も国の平均とは別のものです。学校を選ぶときに見ていただきたいのは、国の平均ではなく、その学校のカリキュラム・進学実績・在籍する子どもの国籍構成です。

調査方法と、このデータの限界

データの出どころ

  • 世界銀行(World Bank)『World Development Indicators/Human Capital Project』のAPIから4指標を取得しました(確認日:2026年9月19日)。
  • 学習到達度スコアは、PISA・TIMSS・PIRLSなど国ごとに異なる国際学力調査の結果を、世界銀行がTIMSSの尺度に換算して揃えたものです(Harmonized Test Scores)。300が最低限の到達、625が上級の到達の目安で、625点満点という意味ではありません。
  • 順位と日本との差は、当社が公表値をもとに計算しました。

読むときの注意

  • 国全体をならした集計値です。特定の学校群(インターナショナルスクールなど)を取り出した数字ではないため、通う学校の環境には当てはまりません(前章を参照)。
  • 学習到達度は2020年の値です。元になった国際学力調査の実施年は国によって異なります。
  • 生徒教師比は2017〜2018年と古い数値です。現在とは異なる可能性があります。また2か国はデータがありません。
  • 教育への公的支出はGDP比です。1人あたりの金額ではありません。経済規模が違えば同じ割合でも金額は変わります。
  • 高等教育就学率は総就学率です。該当年齢の人口を分母に、年齢を問わない在籍者を分子に取るため100%を超えることがあります。外国人留学生は分子にのみ入るので、留学生の受け入れが多い国ほど高く出ます。
  • 教育支出はGDP比です。子ども1人あたりの金額ではありません。GDP比の順位は、そのまま1人あたり金額の順位にはなりません。
  • 最新年は国によって異なります。世界銀行のデータベースは国ごとに更新の時期が違い、同じ指標でも2021年の国と2025年の国が混在します。本記事は各国の最新値を採用し、表に取得年を明記しました。出典一覧に指標コードとAPIのURLを載せているので、同じ値をどなたでも確認できます。
  • 台湾は含まれていません。本記事で使った世界銀行の各指標では、台湾の該当データを取得できなかったためです。

出典一覧

この記事で使ったデータと、その提供元

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調査・資料名(リンク先で原典を確認できます)実施機関(原データの提供元)年次(基準日)確認日
World Development Indicators/Human Capital Project世界銀行(World Bank)学習到達度=2020年、教育支出・高等教育就学率=各国の最新年、生徒教師比=2017〜2018年2026年9月19日
指標コード HD.HCI.HLOS(学習到達度スコア)世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのAPIから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月19日
指標コード SE.XPD.TOTL.GD.ZS(教育への公的支出)世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのAPIから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月19日
指標コード SE.TER.ENRR(高等教育就学率)世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのAPIから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月19日
指標コード SE.PRM.ENRL.TC.ZS(生徒教師比(初等))世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのAPIから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月19日

データの引用・転載について

本記事の集計表・グラフは、出典表示のうえ引用・転載いただけます

当社が作成した表・図と、順位・日本との差の計算は、ご連絡なしで引用・転載いただけます。引用の際は、下記のように出典とリンクを添えてください。

出典:ルシュエット「教育移住先の学力データ|国際比較テストのスコアと教育環境【2026年版】」
https://luchouette.com/column/data-gakuryoku-kokusai-hikaku/

※政府統計そのものの数値は、各機関の利用規約に従ってください。本記事が再配布を許諾するのは、当社が計算・作図した部分に限ります。出典元の資料にも同じ数値が載っている場合は、原資料をあわせてご確認ください。
※このデータは毎年更新します。引用の際は、記事の更新日をあわせてご確認ください。

よくある質問

マレーシアの学力は日本と比べてどのくらいですか。

世界銀行の学習到達度スコア(TIMSS換算)では、マレーシアが445.7点、日本が537.7点で、差は92.0点です(2020年)。ただしこれは国全体をならした数字で、インターナショナルスクールに通う場合はそのまま当てはまりません。

学習到達度スコアとは何ですか。

PISA・TIMSS・PIRLSなど、国によって参加している国際学力調査が違うため、そのままでは比較できません。世界銀行はこれらの結果をTIMSSの尺度に換算して揃えて公表しています(300が最低限の到達、625が上級の到達の目安で、満点という意味ではありません)。それがこのスコアです。

教育にお金をかけている国ほど、学力が高いのですか。

この13か国の順位を並べるかぎり、一致していません。学習到達度1位のシンガポールは教育への公的支出がGDP比2.2%で12位、逆に支出1位のイギリス(5.9%)は学習到達度5位でした。ただし本記事は両者の相関を統計的に検証していません。年次も指標ごとに違うため、「関係がない」と結論づけられるものではありません。

学力スコアが低い国に子どもを連れて行くのは不安です。

インターナショナルスクールに通う場合、子どもが受けるのはその国の教育課程ではなく、学校が採用しているカリキュラム(イギリス式・IB・アメリカ式など)です。国の平均値と、通う学校の環境は別に考えてください。学校を選ぶ際は、カリキュラム・進学実績・在籍する子どもの国籍構成をご確認ください。

高等教育就学率が100%を超えているのはなぜですか。

この指標は該当年齢の人口を分母に、年齢を問わず在籍している人を分子に取る「総就学率」だからです。外国からの留学生は分子に入りますが分母には入りません。留年や社会人の学び直しも分子に入ります。留学生を多く受け入れている国ほど高く出ます。

教員1人あたりの生徒数は何を示しますか。

全国の在籍児童数を教員数で割った値です。学級の人数や指導の手厚さを直接測るものではありません。初等教育ではマレーシアが11.7人で最も少なく、日本は15.7人でした。ただしデータが2017〜2018年と古く、公立・私立を合わせた全国平均である点にご注意ください。

このデータを自分の記事で使ってもいいですか。

当社が作成した表・図と、順位や差の計算は、出典表示(本記事へのリンク)を添えていただければ引用・転載いただけます。世界銀行の公表値そのものは、同行の利用規約をご確認ください。

本記事に記載した費用・制度・学校情報は、2026年8月時点に公開されている情報にもとづく目安です。制度や料金は改定されることがあるため、お申し込みの前に各公式サイト、または当社までご確認ください。