ルシュエット|マレーシア留学・教育移住
調査レポート

子連れ移住の治安・医療データ|国別の殺人率・医師数・乳児死亡率【2026年版】

世界銀行の公表データをもとに、日本を含む13か国の殺人率・医師数・病床数・乳児死亡率・1人あたり医療支出を一覧にしました。指標ごとの最新年と、数字の読み方の注意まで出典つきで整理しています。

子どもを連れて海外に住むとき、その国の治安と医療は気になるところです。世界銀行が公表しているデータで日本を含む13か国を比べたところ、マレーシアの殺人率は10万人あたり0.73件(2023年)でした。殺人率のデータがある11か国の中では5番目に低い数字です。一方で乳児死亡率は出生1,000あたり7.00で、日本の1.80とは差があります。指標ごとに数字と年を並べ、読み方の注意もあわせて整理しました。

この調査のまとめ指標ごとの最新年

0.73件
マレーシアの殺人率(10万人あたり・2023年)。日本は0.23件(2023年)、アメリカは5.76件(2023年)
2.34人
マレーシアの医師数(1,000人あたり・2023年)。日本は2.65人(2022年)
7.00
マレーシアの乳児死亡率(出生1,000あたり・2024年)。日本は1.80(2024年)

殺人率では、マレーシアはオーストラリアやカナダより低い数字です

治安を数字で比べるのは簡単ではありません。窃盗や詐欺は、届け出のされ方が国によって違うためです。その点、殺人の件数は各国で把握されやすく、国際比較に使われています。

10万人あたりの殺人件数を見ると、シンガポールが0.07件で最も低く、日本は0.23件です。マレーシアは0.73件で、オーストラリア(0.85件)、カナダ(1.98件)、アメリカ(5.76件)より低い位置にあります。

表1 殺人率(10万人あたりの件数・低い順/2021〜2023年)

← 横にスクロールできます →

殺人率データの年順位
シンガポール0.072023年1位
日本0.232023年2位
インドネシア0.302022年3位
韓国0.482023年4位
マレーシア0.732023年5位
オーストラリア0.852023年6位
イギリス1.122021年7位
ニュージーランド1.462022年8位
カナダ1.982023年9位
フィリピン4.352023年10位
アメリカ合衆国5.762023年11位

出典:世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』(原データ=UNODC(国連薬物犯罪事務所))。タイ・ベトナムは同データベースに直近の数値がありません。

図1 殺人率(10万人あたりの件数・単位:件/2021〜2023年)
  • シンガポール0.07
  • 日本0.23
  • インドネシア0.30
  • 韓国0.48
  • マレーシア0.73
  • オーストラリア0.85
  • イギリス1.12
  • ニュージーランド1.46
  • カナダ1.98
  • フィリピン4.35
  • アメリカ合衆国5.76

出典:世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』/作図:ルシュエット。棒が長いほど件数が多い国です。

※殺人率は治安の一側面にすぎません。ひったくりや車上荒らしのような、生活の中で実際に遭いやすい犯罪はこの数字に含まれていません。

医師の数は、比較した13か国で約7.8倍の差があります

医療提供体制の一面を示す指標として、人口1,000人あたりの医師数と病床数があります。

医師数はオーストラリアの4.09人が最多で、インドネシアの0.52人が最少です。マレーシアは2.34人で、日本の2.65人に近い水準にあります。同じ東南アジアでも、タイ(0.54人)やフィリピン(0.79人)とは開きがあります。

表2 人口1,000人あたりの医師数(多い順/2021〜2023年)

← 横にスクロールできます →

医師数データの年順位
オーストラリア4.092022年1位
アメリカ合衆国3.682022年2位
ニュージーランド3.612022年3位
イギリス3.302023年4位
シンガポール2.832022年5位
カナダ2.822023年6位
日本2.652022年7位
韓国2.612022年8位
マレーシア2.342023年9位
ベトナム1.112021年10位
フィリピン0.792021年11位
タイ0.542021年12位
インドネシア0.522023年13位

出典:世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』(原データ=WHO Global Health Workforce Statistics/OECD/各国統計)

病床数は事情が異なります。日本(12.59床)と韓国(12.81床)が突出して多く、残りの11か国は1.0〜3.8床の範囲に収まります。これは医療体制の違いによるもので、多いほど良いとは限りません。

表3 人口1,000人あたりの病床数(多い順/2016〜2023年)

← 横にスクロールできます →

病床数データの年順位
韓国12.812022年1位
日本12.592022年2位
オーストラリア3.822016年3位
シンガポール2.812023年4位
アメリカ合衆国2.682022年5位
カナダ2.542022年6位
ベトナム2.522017年7位
ニュージーランド2.512023年8位
イギリス2.422022年9位
タイ2.392023年10位
マレーシア1.962023年11位
インドネシア1.372023年12位
フィリピン0.972021年13位

出典:世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』(原データ=WHO/各国統計)。データの年が国によって大きく異なります。とくにオーストラリア(2016年)・ベトナム(2017年)は他国より古い時点の数値です。並べて比べる際はご注意ください。

乳児死亡率では、日本との差がはっきり出ます

乳児死亡率は、出生児が1歳未満で死亡する確率を、出生1,000に対して示した推計値です。小児医療や周産期医療だけでなく、栄養・衛生・所得・母親の健康状態など、生活環境全体が反映されます。医療の水準だけを測る指標ではありません。

日本が1.80で最も低く、シンガポール(2.20)、韓国(2.30)と続きます。マレーシアは7.00で、日本の約3.9倍です。マレーシアは殺人率では13か国中5位、医師数では9位ですが、この指標では日本との差が出ています。

表4 乳児死亡率(出生1,000あたり・低い順/2024年)

← 横にスクロールできます →

乳児死亡率データの年順位
日本1.802024年1位
シンガポール2.202024年2位
韓国2.302024年3位
オーストラリア3.102024年4位
ニュージーランド4.002024年5位
イギリス4.102024年6位
カナダ4.702024年7位
アメリカ合衆国5.502024年8位
マレーシア7.002024年9位
タイ7.702024年10位
ベトナム12.002024年11位
インドネシア15.202024年12位
フィリピン21.702024年13位

出典:世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』(原データ=国連機関間グループ(UN IGME))

図2 乳児死亡率(出生1,000あたり・単位:人/2024年)
  • 日本1.8
  • シンガポール2.2
  • 韓国2.3
  • オーストラリア3.1
  • ニュージーランド4.0
  • イギリス4.1
  • カナダ4.7
  • アメリカ合衆国5.5
  • マレーシア7.0
  • タイ7.7
  • ベトナム12.0
  • インドネシア15.2
  • フィリピン21.7

出典:世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』/作図:ルシュエット。棒が長いほど高い国です。

1人あたり医療支出は、その年に消費された医療の金額を人口で割ったものです

1人あたり医療支出は、公的な支出と個人の負担を合わせて、その年に消費された医療の財・サービスの金額を人口で割ったものです(経常支出)。患者が窓口で払う金額ではありません。また病院の建設など設備投資は含まれません。

アメリカ合衆国が13,473ドルと突出しており、日本は3,638ドルです。マレーシアは450ドルで、日本の約12%にあたります。

この差をどう読むかは注意が必要です。医療にかけているお金が少ないことは、医療の質が低いことを直接示すものではありません。物価や人件費の水準が違えば、同じ医療でも金額は変わります。一方で、日本のような公的医療保険が使えない国では、渡航する側にとっては民間の医療保険の備えが必要になります。

表5 1人あたり医療支出(米ドル・多い順/2023〜2024年)

← 横にスクロールできます →

1人あたり医療支出(米ドル)データの年順位
アメリカ合衆国13,4732023年1位
オーストラリア6,9802023年2位
カナダ6,3782024年3位
イギリス5,8602024年4位
ニュージーランド5,0222024年5位
シンガポール3,9222023年6位
日本3,6382023年7位
韓国3,1372024年8位
マレーシア4502023年9位
タイ3272023年10位
ベトナム1972023年11位
フィリピン1942023年12位
インドネシア1322023年13位

出典:世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』(原データ=WHO 世界保健支出データベース)

現地から

マレーシアで私立病院を受診すると、日本の感覚より費用がかかる場面があります。国全体の医療支出が日本より小さいことと、渡航された方が実際に払う金額は別の話です。医療保険の加入は、学校の入学手続きでも求められることが多いため、渡航前にご確認ください。

5つの指標を国別に並べた一覧

ここまでの5指標を1つの表にまとめました。指標ごとに最新年が違うため、各指標の年は表1〜表5でご確認ください。

表6 13か国の治安・医療指標(2016〜2024年/単位は各指標の項を参照)

← 横にスクロールできます →

殺人率医師数病床数乳児死亡率医療支出(USD)
日本0.232.6512.591.803,638
マレーシア0.732.341.967.00450
シンガポール0.072.832.812.203,922
タイ0.542.397.70327
フィリピン4.350.790.9721.70194
ベトナム1.112.5212.00197
インドネシア0.300.521.3715.20132
韓国0.482.6112.812.303,137
オーストラリア0.854.093.823.106,980
ニュージーランド1.463.612.514.005,022
カナダ1.982.822.544.706,378
アメリカ合衆国5.763.682.685.5013,473
イギリス1.123.302.424.105,860

出典:世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』。殺人率=10万人あたりの件数、医師数・病床数=1,000人あたり、乳児死亡率=出生1,000あたり、医療支出=米ドル。各指標の年は表1〜表5に記載。

調査方法と、このデータの限界

データの出どころ

  • 世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』のAPIから、13か国分を取得しました(確認日:2026年9月17日)。
  • 原データは指標ごとに異なります。殺人率=UNODC(国連薬物犯罪事務所)、保健指標=WHO Global Health Workforce Statistics/OECD/各国統計、乳児死亡率=国連機関間グループ(UN IGME)、医療支出=WHO 世界保健支出データベース。世界銀行はこれらを国際比較できる形に集約しています。
  • 順位・倍率・グラフは、当社が公表値をもとに計算・作図したものです。

読むときの注意

  • 指標ごとに最新年が違います。国によっても違います。表の「データの年」を必ずご確認ください。年の違う数字を並べているため、厳密な同時点の比較ではありません。
  • 台湾はこのデータベースに含まれていません。本記事で使った世界銀行の各指標では、台湾の該当データを取得できなかったためです。
  • 殺人率が無い国があります。タイ・ベトナムは直近の数値が収録されていません。ゼロという意味ではありません。
  • 殺人率は治安の一側面です。窃盗・詐欺・交通事故など、生活で実際に遭いやすい事象は含まれません。届け出や集計の方法も国ごとに違います。
  • 医療支出は患者の自己負担額ではありません。公的支出と個人負担を合わせた国全体の支出を人口で割ったものです。
  • 病床数は多いほど良いとは限りません。入院中心か外来中心かなど、医療体制の違いが表れます。
  • 全国平均です。同じ国でも都市と地方で医療へのかかりやすさは大きく異なります。

出典一覧

この記事で使ったデータと、その提供元

← 横にスクロールできます →

調査・資料名(リンク先で原典を確認できます)実施機関(原データの提供元)年次(基準日)確認日
World Development Indicators(世界開発指標)世界銀行(World Bank)=掲載元各指標の最新年(2015〜2025年の範囲で取得)/データの最終更新日は 2026-07-132026年9月17日
指標コード VC.IHR.PSRC.P5(殺人率)原データ=False/掲載=世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月17日
指標コード SH.MED.PHYS.ZS(医師数)原データ=True/掲載=世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月17日
指標コード SH.MED.BEDS.ZS(病床数)原データ=True/掲載=世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月17日
指標コード SP.DYN.IMRT.IN(乳児死亡率)原データ=False/掲載=世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月17日
指標コード SH.XPD.CHEX.PC.CD(1人あたり医療支出)原データ=True/掲載=世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月17日

データの引用・転載について

本記事の集計表・グラフは、出典表示のうえ引用・転載いただけます

当社が作成した表・図と、順位・倍率の計算は、ご連絡なしで引用・転載いただけます。引用の際は、下記のように出典とリンクを添えてください。

出典:ルシュエット「子連れ移住の治安・医療データ|国別の殺人率・医師数・乳児死亡率【2026年版】」
https://luchouette.com/column/data-kosodate-anzen-iryo/

※政府統計そのものの数値は、各機関の利用規約に従ってください。本記事が再配布を許諾するのは、当社が計算・作図した部分に限ります。出典元の資料にも同じ数値が載っている場合は、原資料をあわせてご確認ください。
※このデータは毎年更新します。引用の際は、記事の更新日をあわせてご確認ください。

よくある質問

マレーシアの治安は数字で見るとどうですか。

世界銀行のデータでは、殺人率は10万人あたり0.73件(2023年)で、収録11か国中5位でした。オーストラリア(0.85件)やカナダ(1.98件)より低い数字です。ただし殺人率は治安の一側面で、ひったくりなど生活で遭いやすい犯罪は含まれていません。

マレーシアの医療水準はどのくらいですか。

人口1,000人あたりの医師数は2.34人(2023年)で、日本の2.65人に近い水準です。一方で乳児死亡率は出生1,000あたり7.00と、日本の1.80より高くなっています。指標によって評価が分かれます。

乳児死亡率は何を表す数字ですか。

出生1,000人あたり、1歳になる前に亡くなった子どもの数です。小児医療や周産期医療の水準を映す指標として国際比較に使われます。

1人あたり医療支出が少ない国は、医療費が安いということですか。

そうとは限りません。これは国全体の医療支出を人口で割ったもので、患者が窓口で払う金額ではありません。物価や人件費が違えば同じ医療でも金額は変わります。また日本の公的医療保険が使えない国では、民間の医療保険の備えが必要です。

台湾のデータはありますか。

この記事には含まれていません。本記事で使った世界銀行の各指標では、台湾の該当データを取得できなかったためです。

このデータを自分の記事で使ってもいいですか。

当社が作成した表・図と、順位や倍率の計算は、出典表示(本記事へのリンク)を添えていただければ引用・転載いただけます。世界銀行の公表値そのものは、同行の利用規約をご確認ください。

本記事に記載した費用・制度・学校情報は、2026年8月時点に公開されている情報にもとづく目安です。制度や料金は改定されることがあるため、お申し込みの前に各公式サイト、または当社までご確認ください。