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調査レポート

移住先の医療費は、どれくらい自己負担か|15か国の比較【2026年版】

海外で暮らすと、医療費はどれくらい自己負担になるのでしょうか。世界銀行が公表している「医療費に占める自己負担の割合」で15か国を比べました。日本は12.2%ですが、マレーシアは37.1%で約3.0倍、最も高いフィリピンは44.4%です。ただし、必要な備えの大きさは割合ではなく金額で決まります。割合と金額は別に動くので、両方を並べました。

海外で暮らすと、医療費はどれくらい自己負担になるのでしょうか。世界銀行が公表している「医療費に占める自己負担の割合」で15か国を比べました。日本は12.2%ですが、マレーシアは37.1%で約3.0倍、最も高いフィリピンは44.4%です。ただし、必要な備えの大きさは割合ではなく金額で決まります。割合と金額は別に動くので、両方を並べました。

この調査のまとめデータは国により2023年または2024年(表に記載)

37.1%
マレーシアの自己負担割合(15か国中3位)
12.2%
日本の自己負担割合(11位)
4.8倍
最も高い国と最も低い国の差

目次

15か国の自己負担割合

医療費(経常医療支出)のうち、家計が窓口で直接払った分の割合です。高い順に並べました。

表1 医療費の自己負担割合と金額(国により2023年または2024年・単位:%/米ドル)

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自己負担の割合公的支出の割合1人あたり自己負担額(米ドル)1人あたり医療支出(米ドル)データの年
フィリピン44.4%42.4%861942023年
ベトナム39.2%44.3%771972023年
マレーシア37.1%50.0%1674502023年
韓国33.7%56.6%1,0583,1372024年
インドネシア31.1%53.6%411322023年
シンガポール25.4%58.5%9973,9222023年
オーストラリア15.8%73.7%1,1066,9802023年
カナダ15.3%70.2%9746,3782024年
イギリス14.6%81.8%8535,8602024年
ニュージーランド12.7%77.7%6375,0222024年
日本12.2%84.8%4453,6382023年
アメリカ合衆国10.9%54.0%1,47213,4732023年
ドイツ10.7%79.1%7336,8492024年
タイ9.9%77.9%323272023年
フランス9.2%68.4%4925,3272024年

出典:掲載=世界銀行 World Development Indicators/原データ=世界保健機関(WHO)Global Health Expenditure Database。すべて公表値です(自己負担額を割合から計算したものではありません)。自己負担と公的支出を足しても100%になりません。民間保険などの支出が残るためです。

図1 医療費に占める自己負担の割合(2023〜2024年・単位:%)
  • フィリピン44.4%
  • ベトナム39.2%
  • マレーシア37.1%
  • 韓国33.7%
  • インドネシア31.1%
  • シンガポール25.4%
  • オーストラリア15.8%
  • カナダ15.3%
  • イギリス14.6%
  • ニュージーランド12.7%
  • 日本12.2%
  • アメリカ合衆国10.9%
  • ドイツ10.7%
  • タイ9.9%
  • フランス9.2%

出典:掲載=世界銀行 World Development Indicators/原データ=世界保健機関(WHO)Global Health Expenditure Database/作図:ルシュエット

割合が高い国が、金額も高いとは限りません

自己負担の「割合」と「金額」は別の動きをします。マレーシアは割合が37.1%と日本の約3.0倍ですが、1人あたりの自己負担額は167ドルで、日本の445ドルより少額です。医療費そのものの水準(1人あたり450ドル/日本3,638ドル)が違うためです。

逆にアメリカ合衆国は割合が10.9%と低いほうですが、1人あたりの自己負担額は1,472ドルで15か国のなかで最も高くなっています。医療費全体が13,473ドルと突出しているためです。

これは国全体を人口で割った平均で、個人が払う額ではありません。保険に入っているか、年齢、病気の内容によって、実際の負担はまったく違います。

もうひとつ見ておきたいのが、自己負担と公的支出を足しても100%にならないことです。残りは民間の医療保険などが担っている部分で、この割合も国によって大きく違います。アメリカ合衆国は自己負担10.9%・公的54.0%で、残りの35.1%が第3の財源にあたります。一方、日本は自己負担12.2%・公的84.8%で、残りは2.9%です。同じ「自己負担が低い国」でも、残りを誰が負担しているかは違います。

移住するときに、この数字をどう読むか

この指標が示すのは、その国の医療費が誰の財布から出ているかです。公的支出の割合が高い国では、税や社会保険で賄われる部分が大きくなります。

ただし、移住する日本人にそのまま当てはまるわけではありません。公的な医療保険を使えるかどうかは在留資格や制度によって違い、この指標には含まれていません。その国の国民が自己負担12.2%で受けられる医療を、外国人が同じ条件で受けられるとは限りません。

現地から

マレーシアの自己負担割合37.1%は、私たちの拠点にとって有利な数字ではありませんが、そのまま載せます。実務としては、日本から来られる方は現地の公的医療ではなく私立病院と民間の医療保険を使われるのが一般的です。
ご相談でよくお伝えしているのは、お子さまの通院は思ったより頻度が高いということです。学校を通じて感染症をもらうこともあり、渡航前に保険の内容(外来がカバーされるか、日本語対応があるか)をご確認いただくようお願いしています。

調査方法と、このデータの限界

使ったデータ

このデータで分かること・分からないこと

出典一覧

この記事で使ったデータと、その提供元

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調査・資料名(リンク先で原典を確認できます)実施機関(原データの提供元)年次(基準日)確認日
World Development Indicators(世界開発指標)世界銀行(World Bank)=掲載元各指標の最新年(表に年を記載)2026年9月21日
指標コード SH.XPD.OOPC.CH.ZS(医療費に占める自己負担の割合)原データ=世界保健機関(WHO)Global Health Expenditure Database/掲載=世界銀行 World Development Indicators世界銀行の指標ページ2026年9月21日
指標コード SH.XPD.OOPC.CH.ZS の取得に使ったAPIのURL世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月21日
指標コード SH.XPD.GHED.CH.ZS(医療費に占める公的支出の割合)原データ=世界保健機関(WHO)Global Health Expenditure Database/掲載=世界銀行 World Development Indicators世界銀行の指標ページ2026年9月21日
指標コード SH.XPD.GHED.CH.ZS の取得に使ったAPIのURL世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月21日
指標コード SH.XPD.OOPC.PC.CD(1人あたりの自己負担額)原データ=世界保健機関(WHO)Global Health Expenditure Database/掲載=世界銀行 World Development Indicators世界銀行の指標ページ2026年9月21日
指標コード SH.XPD.OOPC.PC.CD の取得に使ったAPIのURL世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月21日
指標コード SH.XPD.CHEX.PC.CD(1人あたりの経常医療支出)原データ=世界保健機関(WHO)Global Health Expenditure Database/掲載=世界銀行 World Development Indicators世界銀行の指標ページ2026年9月21日
指標コード SH.XPD.CHEX.PC.CD の取得に使ったAPIのURL世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月21日

本記事の集計表・グラフは、出典表示のうえ引用・転載いただけます

当社が作成した対照表・図のレイアウトと解説文(数値は公表値そのままです)は、ご連絡なしで引用・転載いただけます。引用の際は、下記のように出典とリンクを添えてください。

出典:ルシュエット「移住先の医療費は、どれくらい自己負担か|15か国の比較【2026年版】」
https://luchouette.com/column/data-iryohi-jiko-futan/

※政府統計そのものの数値は、各機関の利用規約に従ってください。本記事が再配布を許諾するのは、当社が計算・作図した部分に限ります。出典元の資料にも同じ数値が載っている場合は、原資料をあわせてご確認ください。
※このデータは毎年更新します。引用の際は、記事の更新日をあわせてご確認ください。

よくある質問

医療費の自己負担割合が最も高い国はどこですか。

この15か国ではフィリピンの44.4%です(2023年)。次いでベトナム(39.2%)、マレーシア(37.1%)でした。

マレーシアの自己負担割合は日本と比べてどうですか。

マレーシアは37.1%、日本は12.2%で、約3.0倍です。ただし1人あたりの自己負担額はマレーシアが167ドル、日本が445ドルで、金額では日本のほうが多くなっています。医療費そのものの水準が違うためです。

自己負担の割合が高いと、支払う額も多くなりますか。

そうとは限りません。割合はその国の医療費のうち家計が直接払った分の比率で、医療費の水準が低ければ金額も小さくなります。たとえばアメリカ合衆国は割合が10.9%と低いほうですが、1人あたりの自己負担額は1,472ドルで15か国のなかで最も高くなっています。

移住した日本人にもこの割合が当てはまりますか。

当てはまるとは限りません。公的な医療保険を使えるかどうかは在留資格や制度によって違い、この指標には含まれていません。渡航前に、その国の制度とご自身の在留資格をご確認ください。

自己負担と公的支出を足すと100%になりませんが、残りは何ですか。

民間の医療保険や、その他の支出です。この記事では自己負担と公的支出の2つだけを載せているため、合計は100%になりません。

医療の質はこの数字で分かりますか。

分かりません。これは医療費が誰の財布から出ているかを示す指標です。医師数や病床数、乳児死亡率などは別の記事で扱っています。

本記事に記載した費用・制度・学校情報は、2026年8月時点に公開されている情報にもとづく目安です。制度や料金は改定されることがあるため、お申し込みの前に各公式サイト、または当社までご確認ください。