ルシュエット|マレーシア留学・教育移住
調査レポート

教育移住先の生活インフラ|空気・水・ネットの国際比較【2026年版】

世界銀行の公表データをもとに、13か国のPM2.5濃度・安全な飲料水を使える人口の割合・インターネット利用率を一覧にしました。東南アジアのなかでも国によって差が大きいことが数字で見えてきます。

子どもを連れて海外に住むとき、空気や水、インターネットはどうなのでしょうか。世界銀行の公表データで13か国を比べたところ、マレーシアのインターネット利用率は98.0%で、この13か国のなかで1位でした(日本は85.5%)。一方でPM2.5の年平均濃度は15.9μg/m3と、日本の11.5より高くなっています。「東南アジアだからインフラが弱い」とは一括りにできないことが、数字から見えてきます。

この調査のまとめ指標ごとの最新年

98.0%
マレーシアのインターネット利用率(2024年)。13か国中1位。日本は85.5%
15.9
マレーシアのPM2.5年平均濃度(μg/m3・2023年)。日本は11.5
94.7%
安全に管理された飲料水を使える人口(2024年)。日本は98.7%

空気(PM2.5)|日本より高く、東南アジアではシンガポールに次ぐ低さ

PM2.5は、髪の毛の30分の1ほどの細かい粒子です。肺の奥まで入りやすく、子どもへの影響が心配されます。東南アジアでは、乾季に起きる森林火災の煙(ヘイズ)で数値が上がる年があります。

年平均濃度を見ると、最も低いのはオーストラリアの6.4μg/m3、日本は11.5μg/m3です。マレーシアは15.9μg/m3で、日本のおよそ1.4倍でした。

ただし国の並びを見ると、マレーシアはこの記事で比べた東南アジア6か国のなかで2番目に低い数字です。最も低いのはシンガポール(15.1)で、マレーシアはこれに次ぎます。タイ(23.5)、ベトナム(24.8)、インドネシア(20.8)より低く、韓国(21.9)も下回っています。

表1 PM2.5の年平均濃度(低い順/2023年)

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PM2.5(μg/m3)データの年順位(低い順)
オーストラリア6.42023年1位
カナダ6.62023年2位
ニュージーランド6.92023年3位
アメリカ合衆国7.02023年4位
イギリス9.52023年5位
日本11.52023年6位
シンガポール15.12023年7位
マレーシア15.92023年8位
インドネシア20.82023年9位
韓国21.92023年10位
フィリピン22.22023年11位
タイ23.52023年12位
ベトナム24.82023年13位

出典:世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』(IHME(保健指標評価研究所)Global Burden of Disease による推計)

図1 PM2.5の年平均濃度(2023年・単位:μg/m3)
  • オーストラリア6.4
  • カナダ6.6
  • ニュージーランド6.9
  • アメリカ合衆国7.0
  • イギリス9.5
  • 日本11.5
  • シンガポール15.1
  • マレーシア15.9
  • インドネシア20.8
  • 韓国21.9
  • フィリピン22.2
  • タイ23.5
  • ベトナム24.8

出典:世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』/作図:ルシュエット。棒が短いほど濃度が低い国です。

国民の平均的な年間曝露濃度です(各地域の推計濃度を人口分布で重み付けした値)。地理的な単純平均ではなく、季節や地域の差はならされています。ヘイズが強い年・時期の実際の濃度は、この値より高くなります。

水|東南アジアのなかで差が大きい

「安全に管理された飲料水」は国際的な定義があり、改善された水源を使っていて、その水源が敷地内にあり、必要なときに使えて、糞便や優先度の高い化学物質による汚染がないという4つの条件をすべて満たす状態を指します。蛇口から出る水をそのまま飲めるかどうか、という意味ではありません。

日本は98.7%、マレーシアは94.7%です。同じ東南アジアでもシンガポール100.0%、ベトナム58.6%、インドネシア30.5%、フィリピン48.5%と差が大きく開きます。マレーシアは、データがある5か国のなかで2番目です(最も高いのはシンガポールの100.0%)。

表2 安全に管理された飲料水を使える人口の割合(高い順/2024年)

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安全な飲料水を使える人口(%)データの年順位
ニュージーランド100.02024年1位
シンガポール100.02024年1位
イギリス99.82024年3位
韓国99.32024年4位
日本98.72024年5位
アメリカ合衆国97.62024年6位
カナダ96.92024年7位
マレーシア94.72024年8位
ベトナム58.62024年9位
フィリピン48.52024年10位
インドネシア30.52024年11位

出典:世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』(WHO/UNICEF 共同監視プログラム(JMP))。タイ, オーストラリアは同データベースに推計値の公表がないため、この表には含まれません(11か国)。

※「安全に管理された」は上記4条件による国際的な定義で、水道水をそのまま飲めるかどうかとは別です。なお当社の現地での支援経験では、マレーシアでも飲用にはろ過器やボトル水を使うご家庭が一般的です(これは統計ではなく現地での所感です)。

インターネット|マレーシアが1位、日本を上回る

親のリモートワークや、子どものオンライン学習を考えると、通信環境は暮らしの土台になります。

インターネット利用率はマレーシアが98.0%で、この13か国のなかで1位でした。日本は85.5%で、10位です。

表3 インターネット利用率(高い順/2024年)

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インターネット利用率(%)データの年順位
マレーシア98.02024年1位
韓国97.92024年2位
オーストラリア96.12024年3位
イギリス95.52024年4位
アメリカ合衆国94.72024年5位
シンガポール94.42024年6位
カナダ94.42024年7位
ニュージーランド93.52024年8位
タイ90.92024年9位
日本85.52024年10位
ベトナム84.22024年11位
インドネシア72.82024年12位
フィリピン67.32024年13位

出典:世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』(国際電気通信連合(ITU))

※「過去3か月にインターネットを使った人の割合」で、回線の速さや安定性を示すものではありません。
※順位は小数第2位以下も含めた値で付けています。表示(小数第1位)が同じでも順位が分かれる場合があります。

現地から

以下は統計ではなく、当社が現地でご支援するなかでの所感です。クアラルンプール周辺では、コンドミニアムに光回線が入っていることが多く、日常の仕事や授業で困る場面は少ない印象です。ただし建物や契約によって差があり、内見のときに回線の種類を確認しておくと安心です。この数字は「使っている人の割合」であって、速度の保証ではありません。

「東南アジアだからインフラが弱い」とは限りません

3つの指標を並べると、同じ東南アジアでも国によって差が大きいことが分かります。マレーシアはインターネットで1位、飲料水はデータがある東南アジア5か国のなかでシンガポールに次ぐ2番目、一方で空気は日本より高い数字でした。

移住先を考えるときは、「東南アジア」とひとまとめにせず、指標ごとに国を見るほうが実態に近づきます。そのうえで、ここに出てくるのはすべて国全体の平均なので、実際に住む都市や住まいの条件で変わる点も踏まえてご覧ください。

調査方法と、このデータの限界

データの出どころ

  • 世界銀行(World Bank)=掲載元『World Development Indicators(世界開発指標)』のAPIから取得しました(確認日:2026年9月19日)。
  • PM2.5=IHME(保健指標評価研究所)Global Burden of Disease による推計/飲料水=WHO/UNICEF 共同監視プログラム(JMP)/インターネット=国際電気通信連合(ITU)。
  • 順位と倍率は、当社が公表値をもとに計算したものです。

読むときの注意

  • PM2.5は「国民の平均的な年間曝露濃度」です。各地域の推計濃度を人口分布で重み付けした値で、地理的な単純平均ではありません。年平均なので季節の差はならされており、東南アジアのヘイズの時期の実際の空気を表す値ではありません。
  • 「安全に管理された飲料水」は水道水が飲めるという意味ではありません。国際的な定義は「改善された水源が敷地内にあり必要なときに利用でき糞便および優先的な化学物質による汚染がない」の3条件を満たすことです。
  • インターネット利用率は「使った人の割合」です。回線の速さ・安定性・料金は含まれません。
  • 年が指標によって違います。表に記載しています。
  • 台湾は含まれていません。本記事で使った世界銀行の各指標では、台湾の該当データを取得できなかったためです。
  • いずれも国全体の平均です。実際に住む都市や住まいによって条件は変わります。

使用したデータベースと、原データの提供機関

この記事で使ったデータと、その提供元

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調査・資料名(リンク先で原典を確認できます)実施機関(原データの提供元)年次(基準日)確認日
World Development Indicators(世界開発指標)世界銀行(World Bank)=掲載元各指標の最新年(表に年を記載)2026年9月19日
指標コード EN.ATM.PM25.MC.M3(PM2.5の年平均濃度)原データ=IHME(保健指標評価研究所)Global Burden of Disease による推計/掲載=世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月19日
指標コード SH.H2O.SMDW.ZS(安全に管理された飲料水を使える人口)原データ=WHO/UNICEF 共同監視プログラム(JMP)/掲載=世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月19日
指標コード IT.NET.USER.ZS(インターネット利用率)原データ=国際電気通信連合(ITU)/掲載=世界銀行 World Bank Open Data API本記事はこのURLから取得しました。同じURLで誰でも同じ値を確認できます2026年9月19日

データの引用・転載について

本記事の集計表・グラフは、出典表示のうえ引用・転載いただけます

当社が作成した表・図と、順位・倍率の計算は、ご連絡なしで引用・転載いただけます。引用の際は、下記のように出典とリンクを添えてください。

出典:ルシュエット「教育移住先の生活インフラ|空気・水・ネットの国際比較【2026年版】」
https://luchouette.com/column/data-seikatsu-infra/

※政府統計そのものの数値は、各機関の利用規約に従ってください。本記事が再配布を許諾するのは、当社が計算・作図した部分に限ります。出典元の資料にも同じ数値が載っている場合は、原資料をあわせてご確認ください。
※このデータは毎年更新します。引用の際は、記事の更新日をあわせてご確認ください。

よくある質問

マレーシアの空気は日本と比べてどうですか。

PM2.5の年平均濃度はマレーシアが15.9μg/m3、日本が11.5μg/m3で、マレーシアのほうが高い数字です(2023年)。ただし東南アジアのなかでは低いほうで、タイ(23.5)やベトナム(24.8)、韓国(21.9)よりも低くなっています。

ヘイズ(煙害)はこの数字に入っていますか。

年平均値なので、ヘイズが起きた時期の高い数値も含めた平均になります。ただし平均に均されるため、実際にヘイズが強い時期の状況はこの数字からは分かりません。

マレーシアの水道水は飲めますか。

国際的な定義は「改善された水源が敷地内にあり、必要なときに利用でき、糞便および優先的な化学物質による汚染がない」ことで、水道水をそのまま飲めるという意味ではありません。マレーシアの割合は94.7%ですが、飲用にはろ過器やボトル水を使う家庭が一般的です。

マレーシアのインターネット環境はどうですか。

利用率は98.0%で、この13か国のなかで1位でした(2024年)。日本の85.5%を上回ります。ただしこれは「使った人の割合」で、回線の速さや安定性を示すものではありません。

東南アジアはインフラが弱いのではないですか。

指標によります。マレーシアはインターネット利用率で1位、飲料水も東南アジアのなかでは高いほうですが、空気(PM2.5)は日本より高い数字でした。国ごと・指標ごとに見るほうが実態に近づきます。

このデータを自分の記事で使ってもいいですか。

当社が作成した表・図と、順位や倍率の計算は、出典表示(本記事へのリンク)を添えていただければ引用・転載いただけます。世界銀行の公表値そのものは、同行の利用規約をご確認ください。

本記事に記載した費用・制度・学校情報は、2026年8月時点に公開されている情報にもとづく目安です。制度や料金は改定されることがあるため、お申し込みの前に各公式サイト、または当社までご確認ください。