ルシュエット|マレーシア留学・教育移住
マレーシア移住・教育移住ガイド

インター校に入れると日本語は育つ?
母語への影響を現地スタッフが解説

「インター校に入れると日本語(母語)はどうなる?」は低年齢の子を持つ家庭の大きな不安。英語に触れる時間が増える一方、日本語は意識して続ける工夫が要ります。在学中に母語を守る方法を整理します。

「インター校に入れると日本語(母語)はどうなる?」は、特に低年齢のお子さんを持つ家庭の大きな不安です。結論からいうと、インター校に通いながら日本語を育てることは可能です。ただし学校生活だけで日本の同学年相当の読み書きや漢字力が自然に身につくとは限らず、必要な日本語力を決め、家庭や補習授業校などで継続的に学ぶ仕組みが必要です。在学中に母語をどう守るか、現実的に整理します(帰国後の受験・維持はこちら)。

※本記事では、家庭で主に日本語を使い、日本語の維持を希望するご家庭を想定して、日本語を「家庭言語」の意味で「母語」と呼びます。家庭内で複数言語を使う場合は、それぞれの使用者・場面・将来必要となる水準を整理してください。

インター在学が日本語に与える影響

授業や友人関係で英語に触れる時間は増えますが、インター校に通うだけで英語力が一律に伸びるわけではありません。伸び方は入学時の習熟度・年齢・学校のEAL/ESL支援・家庭外で英語を使う機会などで異なります。一方、日本語は使用場面が家庭中心になりやすく、特に読解・作文・漢字は意識して学習機会を確保しないと、日本の同学年の学習進度との差が生じる場合があります

幼い時期から英語環境に入ると、音や発音に慣れやすい場合があります。ただし年齢が低ければ読み書きや授業理解まで自動的に身につくわけではありません。また、複数の言語を学ぶこと自体が発達の遅れを起こすわけではありません。日本語も、複数言語を学ぶこと自体を問題視するのではなく、それぞれの言語を使う時間と場面を確保することが大切です。

なお、英語の学び方は学年が上がると変わっていきます。多くのインター校では、セカンダリー(中等教育・Year 7 前後〜)に進むと英語の授業が「第二言語としての英語」と「第一言語としての英語」に分かれる形が見られ、求められる語彙力や記述力の水準が変わってきます(呼び方や区分は学校により異なります・2026年時点)。英語がどの段階でどう変化していくかを把握しておくと、日本語をどこまで維持するかの見通しも立てやすくなります。学年ごとの学習内容は学年別ガイド、入学時期の考え方はインター校は何歳から入れる?で詳しく整理しています。

在学中に母語を守るには

※お住まいの都市によって使える手段が変わります。外務大臣が指定した補習授業校は、マレーシアではペナンとペラ州の2校のみで、クアラルンプール・ジョホールバル・コタキナバルにはありません。この3都市の選択肢は日本人学校と民間の日本語塾、オンライン教材になります(詳しくはマレーシアの日本人コミュニティ)。

現地からのリアル

低年齢で入れるほど「英語ペラペラ」に安心しがちですが、母語の読み書きは、インター校の授業だけでは学習時間を確保しにくい領域です。家庭での読書や学習に加え、補習授業校・通信教育・オンライン教材などを組み合わせて継続する必要があります。当社が相談を受けたご家庭では、日本語の読書や読み書きを継続していたお子さんのほうが、帰国時の国語学習に移行しやすいケースが見られます(※当社相談事例に基づく見解)。ただし両言語の伸び方には、年齢・滞在期間・学校環境・本人の特性による個人差があります。逆に「学校に任せておけば大丈夫」と家庭学習を止めてしまうと、会話はできても漢字や文章の読み書きだけが学年から離れていく、というご相談も少なくありません。

年齢別・家庭学習の進め方の目安

母語の家庭学習は、年齢によって「何を優先するか」が変わります。以下は一般的な目安で、お子さんの発達や日本語環境によって個人差があります。無理に詰め込むより、日本語を「楽しい・自分の言葉」と感じられる状態を保つことを土台に置くのがおすすめです。

年齢や帰国予定によって力を入れる順番は変わります。ご家庭の状況に合わせて、進め方を一緒に整理できます。

「日本語が育っているか」の見方

日本語力は「家庭で会話できるか」だけでは判断できません。年齢や進路に応じて、次の5項目に分けて確認しましょう。

帰国予定がある場合は、編入予定学年の国語教科書や学習内容も一つの目安になります。

読み書きの遅れを防ぐ考え方

読み書きや漢字は、日常会話だけでは十分な練習量を確保しにくい領域です。家庭学習に加え、補習授業校・通信教育・オンライン授業など、継続できる学習手段を確保しておきましょう。

補習授業校を過大評価しないことも大切です。補習授業校はインター校に通いながら国語などを学べる有力な選択肢ですが、日本の学校と同じ授業時間や全教科を提供するとは限りません。授業だけで学年進度を維持できるか、宿題量や家庭学習の必要性も事前に確認しておきましょう。

また、日本国籍を持つ義務教育学齢期の子どもは、在留届などの条件を満たせば、日本の教科書の無償配布を受けられる場合があります。申込時期・受取方法・対象条件は、管轄の在外公館または補習授業校で確認してください。

補習授業校やオンライン学習は、対象年齢・授業形式・入学金/授業料・教材費・送迎の必要性が異なります。最新の選択肢と費用は別記事で整理します。

日本語での思考力を育てる関わり

母語で心配なのは、単語や漢字を覚えているかだけではありません。日本語で日常会話ができても、理由を説明する・出来事を順序立てて話す・文章を要約する力は、意識して使う機会がなければ伸ばしにくい場合があります。家庭では、感想や理由を日本語で話し合う機会を作り、語彙や表現の幅を広げましょう。

日本語維持のしやすさで見る学校選び

マレーシアのインター校を選ぶ際は、英語サポートだけでなく日本語維持のしやすさも確認しておくと安心です。学校案内に「Japanese」とあっても、日本人児童向けの国語授業とは限りません。日本語科目があっても、日本の学習指導要領に沿った国語・漢字学習とは目的や授業時間が異なる場合があります。学校見学時には、次の6点を尋ねてみてください。

※学校の登録状況はマレーシア教育省の私立教育機関検索で確認できますが、個別の日本語科目の内容は各校公式へ確認が必要です。

現地からのリアル

日本語学習の選択肢は、居住地域によって大きく異なります。補習授業校があるのはペナンとイポー(ペラ)で、クアラルンプールでは日本人学校か民間の日本語塾・オンライン教材が選択肢になります。いずれも対象学年・空き状況・授業日・費用は年度ごとに変わる可能性があります。住居を決める前に、通える範囲にどの選択肢があるかを確認しておくと安心です。

たとえば当社が相談を受けた小学校低学年のご家庭では、日常会話には困らないものの、漢字を使った作文で日本の同学年との差を感じ、週末の日本語学習を始めた例がありました。毎日長時間ではなく、週末の授業+平日の短い音読を組み合わせて継続しています(※個人が特定されないよう内容を一部編集した相談事例です)。

帰国予定によって学習方針は変わる

同じ「日本語を守りたい」でも、将来の予定によって力の入れどころは変わります。以下は編集上の目安で、全員に共通する正解ではありません。予定が変われば学習量も見直してください。

帰国予定・進学先・家庭内で使う言語を踏まえて、現時点でどの程度の日本語力を目指すかを決めましょう。移住期間や進路が変わった場合は、半年〜1年ごとに学習方針を見直すことが大切です。

よくある誤解

つまずきやすい思い込み

  • 低年齢で入れれば英語も日本語も自然に両立する
  • 会話ができていれば日本語は問題ない
  • 日本語は帰国してからまとめて取り戻せる

現実に近い見方

  • 両立は「両方を意識的に続けた家庭」で実現しやすい
  • 会話と、読み書き・考える力は別の力として育つ
  • 帰国後に伸びる子もいるが、差を短期間で埋めると負担が大きくなる場合がある

帰国後に日本語力が伸びる子どももいますが、漢字や教科学習の差を短期間で埋める必要があると、本人の負担が大きくなる場合があります。帰国予定がある家庭は、帰国時期と編入学年を基準に、必要な漢字・読解・作文の水準を早めに確認してください。育て方の全体像はバイリンガルの育て方、帰国後の維持・受験は帰国後の日本語もあわせてご覧ください。

発達の心配と第二言語習得を分けて考える

複数の言語を学ぶこと自体が、言語発達の遅れの原因になるとは限りません。一方で、日本語と英語の両方で、理解や表現に強い困難が続く場合は、「バイリンガル環境だから」と決めつけず、学校の担当者や、複数言語環境に理解のある専門家へ相談してください。

あなたの家庭に合う進め方を一緒に整理します

日本語の続け方は、年齢・現在の日本語力・宿題量・帰国予定で変わります。学校選びとあわせて整理します。

マレーシア移住 完全ガイドを読む費用・ビザ・学校・エリアまで一気に把握

よくある質問

低年齢でインター校に入れると日本語は育ちますか?

英語に触れる時間は増えますが、通うだけで英語力が一律に伸びるわけではなく、伸び方は入学時の習熟度・年齢・学校のEAL/ESL支援・家庭外で英語を使う機会などで異なります。日本語は使用場面が家庭中心になりやすく、特に読解・作文・漢字は意識して学習機会を確保しないと、日本の同学年との進度差が生じる場合があります。

インター在学中、日本語が遅れないか心配です。

日本の学年相当の読み書きや漢字力を維持したい場合は、家庭学習・補習授業校・通信/オンライン教材などによる補完が必要になります。必要な学習量は帰国予定や将来の進路によって異なります。

英語と日本語、両方伸ばせますか?

両方を伸ばすことは可能ですが、会話・読解・作文・教科学習のすべてを同じ水準にするのは簡単ではありません。帰国予定や進路に応じて、それぞれの言語で必要な力と優先順位を具体的に決めましょう。

本記事に記載した費用・制度・学校情報は、2026年8月時点に公開されている情報にもとづく目安です。制度や料金は改定されることがあるため、お申し込みの前に各公式サイト、または当社までご確認ください。