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マレーシア留学・インター校ガイド

マレーシアのボーディングスクール(寮あり)留学|年齢の下限・学費と寮費・ビザを現地から整理【2026年版】

「子どもだけを寮に入れて、英語環境で学ばせたい」——そう考えたとき、最初にぶつかるのは学校の良し悪しではなく「うちの子の年齢で入れる寮があるのか」です。現地から、公式に確認できる事実だけで整理します。

結論から言うと、マレーシアには寮(ボーディング)を備えたインターナショナルスクールが十数校あり、お子さんだけを送り出す単身留学は選択肢として十分に検討できます。ただし越えるべき条件は少なくありません。とりわけ学校選びは「どこが良いか」ではなく「うちの子の年齢で入れる寮があるか」から始まります。受け入れ下限は9歳の学校も12歳以上の学校もあり、ここで候補が絞られるからです。年間費用の目安はおよそ371万〜479万円(SST別)で、学校によっては現地在住の後見人の選任が出願の条件になります。この記事では年齢の下限、学費と寮費の公式実額、2025年7月に始まった6%の税、親のビザと現地の後見人までを順に整理します。

マレーシアの「ボーディングスクール」とは何か

ボーディングスクールとは寮を備えた学校のことです。ただしマレーシアの場合、寮だけを持つ独立した学校はほとんどありません。通学生(デイ)と寮生が同じ校舎で学び、寮生だけが放課後もキャンパス内の寮棟で暮らす形が主流です。

つまり探すべきは「ボーディングスクール」という別カテゴリではなく、インター校のうち寮を持っている学校です。

寮の契約は大きく3つ。フルボーディングは週末も寮で過ごす形で単身留学の基本、ウィークリー(週日)ボーディングは月〜金だけ泊まり週末は自宅へ帰る形、フレキシ/オケージョナルは1泊単位です。Nexus International School は1泊RM325、POWIIS は1泊RM220を公式に掲載しています。

用語も押さえます。Year(イヤー)は英国式の学年表記で、Year 7 は日本の小6〜中1あたりに相当(対応は学校と生まれ月で変わります)。IGCSEは英国発の中等教育修了資格の試験で、多くの学校が Year 10・11 で履修。A-Levelはその上の大学進学準備課程、IB DPは国際バカロレアのディプロマ課程です。寮あり校は英国式(IGCSE→A-Level)が中心で、IB DP 併設校やオーストラリア・カナダの州カリキュラムを採る学校もあります。

現地からのリアル

ご相談で最初にお伝えするのは、「寮のある学校」と「評判の良い学校」は別のリストだということです。人気インター校の多くは通学生前提で寮を持たず、寮のある学校はキャンパスを広く取れる郊外や地方都市に多い印象です。評判だけで探すと、あとから「寮がなかった」と分かって振り出しに戻ります。

まず年齢で絞られる|寮に入れる学年の下限

最初のフィルターは学校の質ではなく寮が何歳から受け入れているかです。9歳(Year 5)から入れる学校と12歳以上でないと入れない学校があり、小学生のうちに送り出したいご家庭ほど候補は狭まります。

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学校(公式サイトで寮を確認)寮に入れる年齢・学年寮のタイプ主なカリキュラム
Nexus International School(プトラジャヤ)10〜18歳(Year 5〜)フル/週日/1泊単位IGCSE・IB DP・IBCP
Marlborough College MalaysiaYear 5・6 の区分から寮費掲載フル/デイボーディング英国式+IB DP
POWIIS(ペナン/Balik Pulau校)Year 7〜13(校舎は11〜19歳)フル/週日/1泊単位英国式(IGCSE→A-Level)
Kolej Tuanku Ja'afar(KTJ)Year 7〜Sixth Formフル(食事・洗濯込み)英国式→IGCSE→A-Level
King Henry VIII College(サイバージャヤ)Year 7以上(Junior は Y7〜9)フル/週日(月〜金)ケンブリッジ(IGCSE・A-Level)
Epsom College in MalaysiaYear 7〜13(Year 5・6は個別審査)フル/週日(週日は現地・MM2H保持者限定)IGCSE→A-Level
Peninsula International School Australia12歳以上キャンパス内寮VCE(豪ビクトリア州)
Tenby Schools(Ipoh校のみ)12〜19歳キャンパス内寮英国式+国家カリキュラム
小学生から可中学生から12歳以上
▲ 寮あり校の受け入れ年齢の下限(各校公式の記載をもとにルシュエット作成/2026年9月時点)。学年の区切りや運用は年度で変わるため、出願前に各校の公式情報でご確認ください。

読み取れることは2つ。ひとつはYear 7(小6〜中1相当)が寮留学の実質的な入口だという点です。Year 7 まで待てば候補は8校前後に広がりますが、小学4〜5年生で入れたい場合は数校に絞られます。

もうひとつは同じ学校名でもキャンパスで寮の有無が違う点です。POWIIS はペナンに2キャンパスありますが寮があるのは Balik Pulau 校のみ、Tenby Schools も寮は Ipoh 校だけで、ペナン校・Setia Eco Park 校は通学のみです。検索では寮のないキャンパスのページが先に出ることがあるため、必ずキャンパス単位で確認してください。

なお学年の下限は同じ学校の中でも記載が揺れます。King Henry VIII College は料金ページでは3〜18歳の全志願者を対象と書きつつ、寮のページでは Year 7 以上(Junior Boarding が Year 7・8・9)と説明しています。寮の年齢は「寮のページ」と入学担当への直接確認の2段で押さえるのが安全です。学年別の考え方はマレーシアのインター校は何歳から入れるかもご覧ください。

学費と寮費はいくらか(公式に公開されている実額)

結論として、学費と寮費を合わせた年額は、年額を公式公開している学校のYear 7〜9で RM95,970〜RM123,800(およそ371万〜479万円)です。寮あり校は英国系の名門校が多く、通学のみのインター校より価格帯が上がるため、「マレーシアは安い」というイメージのままだと差が大きく出ます。

注意したいのは学校によって料金表の単位が違う点です。年額(per annum)の学校と学期あたり(per term)の学校があり、学期数も学校ごとに違います。他サイトの「年間◯万円」が学期額に推定の学期数を掛けた数字であることは珍しくないため、ここでは公式の掲載単位のまま並べます。

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学校学費(公式の掲載単位のまま)寮費(同)合算の目安
POWIIS(Balik Pulau校)Year 7・8:RM56,370/年フル RM39,600/年
週日 RM31,500/年
年 RM95,970
(約371万円)
King Henry VIII CollegeYear 7〜9:RM81,800/年
Year 10・11:RM89,000/年
Year 12・13:RM96,000/年
フル RM42,000/年
週日 RM38,000/年
年 RM123,800〜
(約479万円〜)
Nexus International SchoolYear 10・11:RM100,020/年
Year 12・13:RM108,420/年
(授業料+テクノロジー費)
フル RM17,540/学期
週日 RM15,830/学期
学期数は公式で確認
Kolej Tuanku Ja'afar(KTJ)Year 7・8:RM23,920/学期
Year 12・13:RM26,215/学期
Year 7・8:RM18,020/学期
Year 12・13:RM19,040/学期
学期数は公式で確認
Marlborough College Malaysiaフルボーディングは授業料と寮費を一体で掲載(Year 5・6:RM67,900/学期〜Year 12・13:RM86,600/学期)。より安いデイボーディングの区分もあり(Year 5・6:RM59,100/学期)一体パッケージ
Epsom College in Malaysia ほか料金表はPDFまたは問い合わせ(Peninsula・Tenby Ipoh・Sunway ほかも同様)非公開
年額で合算できる単位が学期料金非公開
▲ 各校公式の料金ページの記載(2026年9月時点)をルシュエットが整理。円換算は RM1=38.7円(マレーシア中央銀行BNM・2026年8月時点の目安)で計算。年度・学年・寮のタイプで変わるため、最新額は各校の料金表でご確認ください。

※上の表は学費と寮費だけです。別途、出願料・登録料、制服や教材、課外活動費、一時帰国の渡航費、ビザ手数料と保証金、次章のSSTが加わります。学費が非公開の学校は、料金表をPDFや問い合わせ限定にしている運用の違いです。

現地からのリアル

見積もりで一番ぶれるのは学費ではなく「学費以外」、特に一時帰国の回数です。学期ごとに帰国させるご家庭と年1回のご家庭で、渡航費は大きく変わります。

寮費に含まれる範囲も学校差が大きく、KTJ のように食事・洗濯・課外活動まで明示する学校もあります。「寮費に何が含まれるか」を先に確認すると、学校間の比較が正確になります。

2025年7月から学費に6%の税がかかっている(SST)

結論から言うと、2025年7月1日から、1生徒・1学年度あたりの費用がRM60,000を超える私立校・インターナショナルスクールに6%のSSTが課されています。SST(Sales and Service Tax)はマレーシアの売上・サービス税です。閾値は暦年ではなく学年度で判定し、課税対象は授業料だけでなく登録料・入学金・課外活動費なども含みます。課税範囲の拡大を定めた改正規則(官報 P.U.(A) 172/2025・2025年6月9日公布)で私立教育サービスが対象に加わり、税率は同時公布の税率改正令で6%と定められました。対象校のSST登録は2025年8月1日から始まっています。

日本語の既存記事はほぼ触れておらず、2025年6月以前の情報にもとづく費用試算はこの6%分だけ過小になります。寮あり校の学費は年RM60,000を上回る水準なので多くが対象に入り、しかも閾値の超過分だけでなく学費の全額が課税対象です。逆に、POWIISのYear 7・8(年RM56,370)のように閾値に届かない学年は対象外です。学年が上がって閾値を超えた時点で6%が乗る点は総額の見積もりで効きます。

実務で効くのは寮費や食費が課税対象から外されている点です。関税局のサービス税政策(Service Tax Policy No.4/2025 改正第2号・2025年10月17日)は、宿泊費・食費・制服代・書籍代・送迎費・学生ビザ関連費用・PTA会費に加え、授業料の一部でない返金可能デポジットを免除として列挙しています。見積もりは「課税対象の費目だけに6%」で考えるのが正確です。

ただし学校の料金の建て方で請求書の見え方は変わります。Nexus は料金ページで寮費をSST非課税と案内する一方、Marlborough College Malaysia はフルボーディングを授業料と一体のパッケージとして見積もり、料金全体に6%のSSTがかかる旨を付記。KTJ は2026年1月からセカンダリーの登録料・入学金・学費に6%を適用すると告知しています。実際の請求額は志望校に確認してください。

国籍による扱いも法令にあります。マレーシア国民でOKUカード(障害のある人向けの登録証)を持つ生徒は免除で、日本人のお子さんは課税対象です。インター校は年RM60,000の閾値が基準になると押さえたうえで、実際の課税区分は各校の請求明細でご確認ください。

親が付いていかない場合のビザと現地ガーディアン

結論として、寮での単身留学ではお子さんが Student Pass(就学目的の滞在許可)で滞在し、保護者は長期の帯同ビザを取らずに短期の訪問で会いに行く形が基本です。最初に用語を分けておくと、Guardian Pass は親が帯同するための滞在許可現地ガーディアンは親が来ない代わりに現地で身元を引き受ける後見人で、別のものです。そして寮が選ばれる最大の理由は、保護者が帯同する Guardian Pass の要件が重いことにあります。順を追って整理します。

手続きの窓口は入国管理局(学校段階はEMGSではない)

マレーシアには EMGS(Education Malaysia Global Services)という留学生向けの申請窓口がありますが、入国管理局の案内では、EMGS が扱うのは大学・語学センター・訓練センターで、インター校のような学校段階は別の経路です。18歳未満の就学ビザは入国管理局(Immigration Department/JIM)が処理し、その前提として教育省の私立教育局が出す Letter of Support(Surat Sokongan)と、内務省(KDN)の国際生徒受け入れ許可が必要です。「留学ならEMGS」という解説を見かけますが、インター校では窓口が違います。

公的な費用は少額、実費は学校経由で発生する

入国管理局が公示する手数料はStudent Pass が RM60、扶養者やガーディアンの Social Visit Pass が RM90(別途、国籍別のビザ料)で、公的費用そのものは大きな額ではありません。

家計に効くのは学校が代行する処理費用と保証金で、金額は学校差が大きい部分です。ある学校の案内では新規の Student Pass 処理が RM970+入国管理局のビザ料 RM130、Personal Bond(保証金)は国籍別で日本国籍は RM1,000(規定に沿えば還付され得るもの)とされています。就労ビザで使う Security Bond とは別の制度なので、調べるときは名称にご注意ください。King Henry VIII College は Guardian Visa Fee を年RM1,800、Student Pass 関連を初年度RM1,800・以降RM800(国際生のみ・SST別)、KTJ は学生ビザを新規RM550・更新RM440、ガーディアンビザを新規RM1,210・更新RM968と掲載しています。

Guardian Pass の要件は、学校が示す数字の「種類」が違う

Guardian Pass のハードルは、要件を金額つきで公表している学校の案内から読み取れます。ただし学校が示す数字の種類が違う点に注意してください。The Alice Smith School は、Guardian Pass を申請する側ではないスポンサーの親に月収でおよそRM25,000の証明を求めると案内し、収入源は国外であること、お子さんが2人以上なら増額されることも明記しています。一方 Nexus International School と Australian International School Malaysia は親の口座の最低残高を挙げ、それぞれ自校の所在地であるプトラジャヤ連邦直轄領・スランゴール州でRM10,000を示しています。なお両校は寮を持たない通学校で、金額を公表している数少ない例です。月収と預金残高は比較できる数字ではありません。入国管理局が金額を公示しているかは今回確認できず、各校とも承認は入国管理局の裁量だと併記しています。

手続きの重さも学校差があります。Guardian Pass にマレーシア人が署名する Personal Bond が必要で、この件は支援しないと明記する学校もあります。所要期間の律速は入国管理局ではなく教育省の推薦状で、2〜3か月(繁忙期はさらに長い)かかるとする学校があります。その後のビザ処理は7営業日程度という案内です。

この重さが寮という選択肢の存在理由の一つです。仕事や下のお子さんの都合で最初から帯同しないご家庭もありますが、帯同を望んでも Guardian Pass の要件で断念し、寮が現実解になるご家庭も実際にあります。

寮でも「現地ガーディアン(後見人)」を求める学校がある

ここが競合記事で最も抜けやすい実務です。親が帯同しない寮生に、マレーシア国内に住む成人を後見人(ガーディアン)として指名させる学校があります。ただし入国管理局が一律に課す義務ではなく学校ごとの入学要件で、強さは学校で分かれます。

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学校指定の強さ公式に書かれている条件・役割
King Henry VIII College必須海外からの寮生全員に指名が必要(キャンパスから2時間圏内に住む生徒は不要)。役割は空港送迎・保護者会への出席・通院時の対応・定期連絡
Epsom College in Malaysia原則必須親が半島マレーシア外なら車で2時間圏内。25歳以上・英語話者または英語話者に頼れること・半島マレーシア在住。ガーディアン契約書への署名が必要
Nexus International School必須legal guardian の正式な指名と、裁判所発行の後見人書類が必要
Marlborough College Malaysia必須親が海外なら半島マレーシアかシンガポール在住。すべての面で親に代わって動く法的権限を持つこと/休暇と移動(往復の渡航を含む)の手配
Kolej Tuanku Ja'afar(KTJ)推奨親が非居住なら指名を推奨。役割は緊急連絡先と家族・学校の橋渡しに限定(それ以上の代理は親の別途授権が必要)
POWIIS(Balik Pulau校)公開情報では確認できず寮は学期休みとハーフタームは閉鎖。帰国できない場合は追加料金で対応と案内
Tenby Schools(Ipoh校)規定を確認できず外出(Exeat)は保護者本人が登録メールから署名済み申請書を送る方式
必須推奨確認できず
▲ 各校公式のポリシー文書・保護者向け契約書・寮のFAQをルシュエットが整理(2026年9月時点)。※いずれも入国管理局の一律義務ではなく、学校側の要件です。

最も具体的なのは Epsom College in Malaysia です。ガーディアンの役割として、Exeat 週末・長期休暇・重い病気・懲戒処分の期間に安全で適切な宿泊と監督を提供することを挙げ、ホテルやアパート、大学の寮での無監督の滞在は適切な世話とみなさないと明記。指名しない場合は、学校の要請から半島マレーシアで4時間、サバ・サラワクで8時間、国外で48時間以内に親自身が迎えに来ることを求め、停学・退学で退去が必要な場合も同じ扱いとしています。

つまり「寮に入れれば親は何もしなくてよい」わけではありません。学期中の生活は学校が責任を持ちますが、長期休暇は寮が閉まる学校もあり、病気や懲戒といった例外を誰が引き受けるかは学校ごとに決まっています。現地に親族や知人がいない場合、この役割を誰が担うのかは出願前に解決すべき最重要の実務です。

※ビザは条件を一つ読み違えると渡航計画が崩れます。本記事は公式に確認できた範囲の概要であり、個別の可否は必ず入国管理局・学校・専門家でご確認ください。ルシュエットではご家族の状況からどの形が現実的かを一緒に整理しています。

寮生活の実際|週末・食事・寮監・外出

送り出す前に一番知りたいのは、費用より「寮で毎日どう過ごすのか」でしょう。各校の公式サイトで確認できる範囲をそのまま挙げます。

週末は「自由時間」ではなく監督付きのプログラム

フルボーディングの週末は放っておかれません。Marlborough College Malaysia は土曜を朝7時15分から夜10時まで、日曜を朝8時から夜9時半までの監督下のプログラムとして組み、POWIIS はスタッフ同行でビーチやマーケット、ハイキングに出かけると案内。Nexus はBBQや買い物、KL・プトラジャヤへの遠足を挙げ、King Henry VIII College も週末のアクティビティと遠出を寮生活の一部としています。週末の中身は学校の性格が最も出るので、見学時に必ず聞いてください。

食事は寮費に含まれることが多いが、ハラル対応は公式に書かれていない

食事は寮費に含める学校が多く、KTJ は朝食・昼食・アフタヌーンティー・夕食に加え洗濯、課外活動、Year 7〜10 向けの年1回の宿泊研修まで含むと明記。Peninsula International School Australia は週末や祝日はパントリーで提供し、ベジタリアン・アレルギー対応は要請ベースと案内しています。

一方で、ハラル対応を公式に書いている学校は多くありません。Epsom College in Malaysia がサンプルメニューに「Halal」と記載しているのは確認できましたが、ハラル認証を取得しているとは書かれていません。マレーシアはイスラム教が連邦の宗教で給食もハラルが基本と考えられますが、公式に書かれていない以上断定はできません。日本人のお子さんには、辛さや白米の有無といった確認のほうが重要になることもあります。食事は「含まれるか」より「実際に何が出るか」を見学時に食堂で確かめてください。

寮を見る大人の体制(ハウスマスター・マトロン)

ハウスマスター/ハウスミストレスは寮を統括する教員、マトロンは生活面を見る寮母にあたる役職です。Epsom College in Malaysia はこれに Resident Tutor(住み込みの教員)を加え、POWIIS は教員に Boarding Matron とスクールナースを組み合わせ責任者3名を実名公開。Sunway International School と King Henry VIII College も住み込みの担当者を実名で公開しています。

参考になるのは Nexus の案内です。ハウスペアレントが日本語・韓国語・中国語を話せると記載し、学期末は制服を着たスタッフが空港で航空会社のスタッフに引き継ぐところまで説明しています。ここまで書いている学校は多くありません。

外出(Exeat)のルールは学校ごとに大きく違う

Exeat(エグジート)とは、寮を離れて外泊・帰宅できる指定の週末です。Epsom College in Malaysia は、クアラルンプール圏または車で2時間圏内に住む週日寮生は Exeat 週末に保護者宅へ帰る規定を示しています。「毎週末帰れるのか」「保護者以外が迎えに行けるのか」で家族の負担が変わるので、必ず条件を確認してください。

正直にお伝えすると、日本人の在籍数を国別に公表している寮あり校はほとんどありません。例外は Dalat International School(ペナン)で、年次報告書に全738名中 日本20名と国別の内訳を載せています。他校は「30か国以上」など国数の表示にとどまります。「日本人が少ない学校を選びたい」というご希望は多いのですが、多くは公開情報で判断できず、学校への直接確認が必要です。

現地からのリアル

寮の見学でいつも見るのは、施設の新しさではなく「夜と週末に誰がいるか」です。平日の昼にきれいなキャンパスを見ても、お子さんが不安になる時間帯の体制は分かりません。

不適応は入寮から数か月後が多く、きっかけは学業より生活面です。寮の責任者と一度顔を合わせておくと、その後の相談が段違いにしやすくなります。ルシュエットでは寮の見学も含めて学校訪問を組んでいます。

学校選びで見落とされやすい3つの落とし穴

ご相談で「先に知りたかった」と言われることを3つに絞ります。

1. 日本語で「寮あり」と紹介されていても、今は寮がないことがある

これが最も実害の大きい落とし穴です。公式サイトを一校ずつ確認したところ、日本語の記事で寮あり校として挙げられている学校のうち公式サイトでは寮を確認できない学校がありました。ペナンの Uplands School は現行の公式サイトに寮のページがなく、案内も給食・送迎・制服・医務室にとどまります(廃止したとは断定できないため直接確認が必要です)。Stonyhurst International School Penang は公式サイトが一貫して「男女共学の通学制(day school)」と記しています。

同じ学校名でもキャンパスで前提が逆になる例もあります。Sri KDU International School の Subang Jaya 校は寮を持たず、公式の案内で外国人生徒は家族(原則として母親)の同伴が必須で Guardian Pass の取得が必要としています。一方 Klang 校は2026年に11歳以上・114名の寮を開設しました。校名で調べると前提を取り違えます。寮の情報は年単位で変わります。日本語の紹介記事は入口にとどめ、最終判断は学校公式と直接確認で行ってください。エージェントの見極め方は留学エージェントの選び方で整理しています。

2. 入る学年によって、難しさがまったく違う

英国式では Year 10 から IGCSE の履修が始まるため、Year 9 までが英語に集中できる最後の猶予期間です。Year 10 に入ると授業は選択科目が中心になり、必須科目に苦手があると苦しくなります。Year 11 は IGCSE の最終学年なので、この学年からの途中編入は英語力があっても難しく、学校側が受け入れを認めないケースもあります。

A-Level の段階では学校側の英語サポートはほぼなくなり、寮で生活面は支えてもらえても学習面は自力が前提です。「何歳から入れるか」と「その学年から入って学習が成立するか」はセットで考えてください。学年ごとの中身はマレーシアのインター校のカリキュラムで解説しています。

3. うまくいかなかったときの「戻り道」を先に決めておく

寮生活が合わないことは起こり得ます。選択肢は通学生への切り替え、転校、帰国の3つですが、見落とされやすいのはStudent Pass が学校に紐づく点です。転校時は前の学校でキャンセルしてから再申請になり、時間も費用もかかります(学校段階の移管ルールは公式の明文を確認できないため、学校と入国管理局にご確認ください)。返金規定も学校ごとに違うので、入学を決める前にキャンセルポリシーと退寮の通知期間を確認しておくだけで、いざというときの選択肢が広がります。中高段階の留学設計はマレーシアの中学・高校留学もご覧ください。

出願から入寮までの流れ(5ステップ)

順番を間違えると学校選びを二度やることになります。実際のご相談の流れを5ステップにまとめました。

  1. 年齢から「寮に入れる学校」を絞る

    評判より先に、お子さんの学年で受け入れている寮を持つ学校だけを残します。キャンパス単位で確認するのがポイントです。

  2. 寮を見学し、夜と週末の体制を確認する

    キャンパスと寮棟を見て、夜間・週末のスタッフ配置と食事を確かめます。単発の寮泊(Nexus は1泊RM325、POWIIS は1泊RM220)は在校生向けが基本ですが、体験の可否もあわせて相談します。

  3. 出願・入学審査(英語力と学年の確認)

    英語力の判定とESLの体制、その学年から編入して学習が成立するかをすり合わせます。IGCSEの学年は特に慎重に。

  4. 教育省の Letter of Support → Student Pass

    学校がMOEの支持書を取得し、入国管理局へ Student Pass を申請します。あわせて現地ガーディアンの要否と保証金も確定させます。

  5. 入寮とその後のフォロー

    入寮後は寮の責任者との連絡経路を確保し、成績と生活の両面を定期的に確認。合わなかったときの戻り道もこの時点で決めておきます。

お子さんの学年で入れる寮を、一緒に絞り込みませんか?

寮あり校は年齢の下限と学年の壁で候補が決まります。
現地スタッフがご家庭の希望から現実的な選択肢を整理します。

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よくある質問

マレーシアの寮は何歳から入れますか?

学校によって大きく違います。公式サイトで確認できる範囲では、Nexus International School(プトラジャヤ)が10〜18歳、POWIISのBalik Pulauキャンパス(ペナン)がYear 7〜13、KTJとKing Henry VIII CollegeがYear7以上、Peninsula International School Australiaが12歳以上、Tenby SchoolsのIpohキャンパスが12〜19歳です。小学生のうちに寮へ入れる学校は限られ、Year7(日本の小6〜中1相当)から選択肢が広がります。運用は変わるため、必ず各校の公式情報でご確認ください。

学費と寮費を合わせると年間いくらかかりますか?

年額を公式掲載している例では、POWIISのBalik PulauキャンパスがYear7・8の学費RM56,370+フルボーディング寮費RM39,600で年RM95,970、King Henry VIII CollegeがYear7〜9の学費RM81,800+フルボーディングRM42,000で年RM123,800です。RM1=38.7円換算でおよそ371万〜479万円にあたります。別途、出願料・登録料・制服・渡航費、ビザ手数料と保証金、学費にかかる6%のSSTが必要です(最新額は各校の料金表でご確認ください)。

子どもだけを寮に入れる場合、親のビザはどうなりますか?

お子さんはStudent Pass(就学目的の滞在許可)で滞在し、保護者は長期の帯同ビザを取らずに短期の訪問で会いに行く形が一般的です。保護者が帯同するGuardian Passは要件が重く、The Alice Smith Schoolは、申請者ではないスポンサー側の親に月収およそRM25,000の証明を求めると案内しています。寮が選ばれる理由の一つはここにあります。またマレーシア在住の成人を現地ガーディアンとして指名するよう求める学校があります(入国管理局の一律義務ではなく学校ごとの要件)。最新の扱いは入国管理局と学校の両方でご確認ください。

英語がまだできない状態で寮に入れても大丈夫ですか?

学年によって安全度が大きく違います。英国式ではYear10からIGCSE(中等教育修了資格の試験)の履修が始まるため、Year9までが英語に集中できる最後の猶予期間です。Year11からの途中編入は学校側が受け入れを認めないケースもあります。寮は授業外も英語で過ごすので伸びやすい一方、日本語で相談できる相手がいない状態にもなります。ESL(第二言語としての英語)の体制と寮内のサポートを、志願前に学校へ具体的に確認してください。

寮生活が合わなかったときはどうなりますか?

通学生(デイ)への切り替え、他校への転校、帰国の3つが現実的な選択肢です。見落としやすいのはStudent Passが学校に紐づく点で、転校時は前の学校でキャンセルしてから再申請になります(学校段階の移管ルールは公式の明文を確認できないため、学校と入国管理局への確認が必要です)。返金規定も学校ごとに違うため、入学前にキャンセルポリシーと通知期間を確認しておくと安心です。

本記事に記載した費用・制度・学校情報は、2026年8月時点に公開されている情報にもとづく目安です。為替はRM1≒38.7円で換算しています。制度や料金は改定されることがあるため、お申し込みの前に各公式サイト、または当社までご確認ください。