結論から言うと、中学生と高校生では、決めなければいけないことがまったく違います。中学生は義務教育なので「日本の学籍をどうするか」が最初の分岐になり、高校生は「日本の卒業単位と進路にどうつなげるか」が中心になります。この記事では、その2つの分岐を軸に、現地の学年(Year)の目安・学費・ビザ・帰国後の単位認定までを公式情報で確認しながら整理します。
中学生と高校生で、決めることはこう違う
同じ「マレーシア留学」でも、中学生は日本の義務教育の枠組みの中にいて、高校生はそこから外れているという違いがあります。この一点で、渡航前に確認すべき相手も、帰国後に使える制度も変わります。
中学生の場合、まず住民票と学齢簿の扱いが動きます。学校に籍が残るのか除籍になるのかは、ご家庭の判断ではなく滞在予定の長さで決まります。高校生の場合は義務教育ではないため、在籍校が「留学」として扱ってくれるかどうか、そして外国の高校で学んだ分を単位として認めてもらえるかどうかが焦点になります。
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| 確認する論点 | 中学生(義務教育) | 高校生 |
|---|---|---|
| 日本の在籍 | 滞在1年以上なら学齢簿が消除され除籍。1年未満なら在籍のまま長期欠席の扱い | 義務教育ではないため、在籍校の規程しだい(留学・休学・退学のいずれか) |
| 先に相談する相手 | 在籍校+居住自治体の教育委員会 | 在籍校の校長(留学の許可と単位認定の可否) |
| 帰国後の受け皿 | 公立中への就学手続き、または高校受験・帰国生入試 | 元の高校への復学、編入、または海外・日本の大学進学 |
| 時間の余裕 | ◎ 英語の助走を取りやすい | △ 試験課程が始まっており逆算が必要 |
| 直面する試験 | Year 10からIGCSEが始まる | IGCSE/A Level・IBDPが在学中に重なる |
日本の学籍はどうなる?(1年未満か1年以上かで反転)
中学生でいちばん多いご質問がここです。答えは「渡航前にわかっている滞在予定が1年以上か、1年未満か」で扱いが反転します。文部科学省が公表している就学事務の資料に、はっきり書かれています。
国外への転出が1年以上とわかっている場合は、転出届によって住民票が消除され、あわせて学齢簿も消除されます。文部科学省はこのとき「学校からは除籍されることとなります」と説明しています。つまり、籍を残したまま長期で出ることは想定されていません。
一方、1年未満とあらかじめわかっている場合は「引き続き当該児童生徒の在学関係を変更する必要はありません」とされ、指導要録上は長期欠席として扱うのが適当と示されています。1年の短期留学であれば、日本の中学に籍を置いたまま行き来する形が取りやすい、ということです。
ここで気になるのが「義務教育を果たさないことにならないか」という点だと思います。文部科学省は、学校教育法第17条の就学義務について「国内に居住する日本国民に対して課されているものであり、外国に居住する日本国民には適用されません」と説明しています。海外へ転出して現地の学校に通うこと自体が、就学義務違反になるわけではありません。
混同しやすいのが、日本に住民票を残したまま国内のインターナショナルスクールに通わせるケースです。こちらは就学義務の対象で、一条校として認められていない学校に通わせても「法律で規定された就学義務を履行したことにはなりません」と明示されています。渡航するのか国内に残るのかで、前提がまったく違います。
もう一点。転出届を出さずに出国した場合は住民票が残るため、学齢簿もそのまま残ります。籍が残るかどうかは届出とセットで動く、ということです。運用は自治体ごとに分かれるので、渡航前に在籍校と居住自治体の教育委員会の両方へご確認ください。
ご相談でいちばん多い行き違いが、日本を出る前に「何年いるか」を決めきれないまま渡航してしまうケースです。学籍の扱いは滞在予定の長さで分かれるので、在籍校には「1年未満の見込み」「1年以上の見込み」のどちらで伝えるのかを、出発前に決めておくと後の手続きがぶれません。
また、現地校の学年暦は8月または9月に始まります。日本の4月始まりと半年ずれるため、「日本の年度の区切り」と「1年未満かどうかの判定」がきれいに一致しないことがあります。ここも在籍校に相談しておくと安心です。
現地では何年生に入るのか(Year 7〜13の目安)
マレーシアのインターナショナルスクールで多いのはイギリス式で、中高生はおおむね Year 7〜13 に相当します。ただし公式に「Year 8=日本の中1」と定めた対応表は存在しません。誕生日と学校の学年暦で1学年ずれるため、あくまで目安としてご覧ください。
目安の根拠になるのが試験課程の年齢です。ケンブリッジ国際は IGCSE を「14〜16歳向けの国際資格」と説明しています。国際バカロレアはディプロマプログラム(DP)が16〜19歳、その前段のMYPが11〜16歳を対象としています。マレーシアのインター校では、この IGCSE を Year 10〜11 に、A Level や IB DP を Year 12〜13 に置く編成が一般的です(たとえば Garden International School は Key Stage 4 を Years 10–11、Key Stage 5 を Years 12–13 としています)。ここから逆算すると、下の対応になります。
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| 現地の学年 | 年齢の目安 | 日本の学年の目安と、その学年の意味 |
|---|---|---|
| Year 7 | 11〜12歳 | 小6〜中1。セカンダリー(中等部)の入口 |
| Year 8 | 12〜13歳 | 中1〜中2。教科は増えるが試験課程はまだ始まらない |
| Year 9 | 13〜14歳 | 中2〜中3。IGCSEの科目選択を決める学年 |
| Year 10〜11 | 14〜16歳 | 中3〜高1相当。多くの学校でIGCSEの2年間(Year 11末に受験) |
| Year 12〜13 | 16〜18歳 | 高1〜高3相当。多くの学校でA LevelまたはIB DPの2年間 |
※年齢は各試験機関の公式説明(ケンブリッジ国際・国際バカロレア機構)に基づく目安です。日本の学年との対応に公式な換算表はなく、学校ごとの入学基準日や学年暦、お子さんの誕生月によって1学年ずれることがあります。また「Year 10〜11で2年」という区切りはケンブリッジ国際が定めたものではなく、各校のカリキュラム編成によるものです。実際の配属学年は志望校の判断になります。学年ごとの学びの中身はインターの学年(Year)と日本の学年の対応で詳しく整理しています。
学年で迷いやすいのが、IGCSEとA Levelがどちらも「2年でひとまとまり」だという点です。Year 10とYear 12は課程の1年目にあたるので、この学年の頭に合流できると科目選択の自由度が高くなります。逆にYear 11やYear 13の途中から入ると、すでに始まっている課程に割り込む形になり、受け入れ自体を見送る学校もあります。
英語がまだこれから、というお子さんの場合、学校が1学年下げた配属を提案することもあります。とくにYear 10以降は試験課程が始まっているため、英語力が届かないと入学そのものが見送られることもあります。EALがあれば必ず入れる、というものではありません。年齢どおりの学年に置くか、助走を優先するかは、学校の判断とお子さんの様子で変わります。学年が1つ下がると帰国後の学年や受験の時期にも影響するので、下げる提案を受けたら、出口までさかのぼって考えたいところです。英語力の基準はインター校は英語力ゼロで入れる?、選考の中身はマレーシアのインター入学試験、編入時期は途中編入の学年別の難易度もあわせてご覧ください。
学費の目安と、見落としやすい2つの追加費用
中高生の学費は学校によって3倍近い開きがあります。「マレーシアは欧米より安い」と言われますが、それはレンジの下側の話です。2026年8月時点で各校が公式サイトで公表している、通学(デイ)の年間授業料を並べます。
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| 学校(クアラルンプール圏) | Year 7〜8 | Year 9 | Year 10〜11 | Year 12〜13 |
|---|---|---|---|---|
| Sri KDU International(コタ・ダマンサラ) | 60,470〜62,830 | 69,040 | 76,190〜81,420 | 59,500 |
| Nexus International School | 86,040〜87,270 | 87,270 | 100,020 | 108,420 |
| Garden International School | 118,170 | 122,310 | 126,870 | 126,870 |
| Marlborough College Malaysia | 141,300 | 141,300 | 153,600 | 166,800 |
※上の表は通学(デイ)の基本授業料のみで、別途サービス税(SST)と英語補習(EAL)の費用がかかります。表の数字=総額ではありません。金額はRM建てが正です。目安として RM1=38.7円(2026年8月時点)で換算すると、年RM60,000は約232万円、年RM166,800は約646万円にあたります。為替は日々動くため、円の数字はあくまで感覚をつかむためのものとお考えください。学費は毎年改定されるので、必ず志望校の最新のFee Scheduleでご確認ください。
ここで見落としやすいのが、表に載っていない2つの追加費用です。
① サービス税(SST)が6%かかる
2025年7月1日から、マレーシアで教育サービスがサービス税の課税対象に追加されました。ここで誤解しやすいのが、RM60,000という金額の意味です。これは「超えた分だけ課税される」控除枠ではなく、その学校の教育サービスが課税対象になるかどうかを分ける線引きです。1生徒・1学年度あたりの料金がこの線を超えると、超過分ではなく対象料金の全額に6%がかかります。上の表に挙げた4校はいずれも年額がRM60,000を超えているため、日本人のご家庭は全校で課税対象になります。
課税されるのは、授業料・登録料や入学金・課外活動費・教材や設備の費用など、学校が教育に関して請求する費用です。一方で、教科書代・制服代・食事代・スクールバス代・寮費に加えて、授業料に含まれない返還可能なデポジット、PTA会費、授業料に含まれない校外学習費、学生パスやビザに関する費用は課税対象から外されています(2025年7月1日にさかのぼって適用)。
免除されるのは、マレーシア国籍を持ち、かつ有効な Kad OKU(障害者手帳)を保有する方です。両方を満たす必要があります。このほか外国外交官の子女や扶養家族、学校や企業などが全額を負担する学費も免除の対象とされています(日本人のご家庭は Kad OKU(障害者手帳)の累積要件にも該当しないため、いずれの免除にもあたりません)。日本人のお子さんはこのいずれにも当てはまらないため、課税される側になります。実際に Nexus と Garden International School は「表示の料金はすべてSSTを含まない」と明記し、Marlborough College Malaysia も料金表の下に「Fees are subject to 6% SST」と注記しています。上の表はいずれも税別なので、実際の支払いは6%上乗せで見ておいてください。
② 英語補習(EAL/ESL)で料金レートそのものが変わる
英語がこれからのお子さんには、EAL(English as an Additional Language)と呼ばれる補習が付きます。ここで誤解しやすいのが、これは通常の授業料への「上乗せ」ではなく、別レートの授業料に置き換わるという点です。Garden International School は、EALプログラムの年額を Year 7〜8 で RM135,900、Year 9 で RM140,670 と公表しています。通常レートとの差は Year 7〜8 で約RM17,700、Year 9 で約RM18,400と、学年によっても違います。
もうひとつ見ておきたいのが、同校の料金ページにEALのレートが Year 9 までしか載っていないことです。Year 10からはIGCSEの課程が始まるため、補習を受けながら追いつく、という前提が置きにくくなるのだと考えられます。中学生のうちに入るほど、英語の助走が制度として用意されているということです。Year 10以降の受け入れ方は学校ごとに異なるため、志望校へ直接ご確認ください。
寮に入る場合はさらに加算されます。Nexus のフルボーディングは1学期RM17,540(年RM52,620)で、対象は Year 5 以上。同校は寮費についてはSSTの対象外と明記しています。Marlborough College Malaysia は寮費を含んだフルボーディングの料金を別に公表しており、Year 10〜11 で年RM246,600です(同じ学年の通学はRM153,600)。学費表の一番上の数字だけで比べると、実際の総額と大きくずれます。ESLの期間や学年の壁はマレーシアのインターESL費用で詳しく扱っています。
お子さんの学年で、いくらかかるのか整理しませんか?
学年・英語力・寮の有無で総額は大きく変わります。
ご家庭の条件に合う学校の候補と費用感を、現地スタッフが個別に整理します。
学生パスと、保護者のガーディアン
結論として、中高生はマレーシアの学生パス(Student Pass)で通学し、付き添う保護者はガーディアンとして別のパスを取るのが基本の形です。ただし申請の窓口と、誰が付き添えるかに条件があります。
マレーシア入国管理局は、学生パスの対象を「3歳以上の外国籍の学生」とし、プリスクールから高等教育までを含むと説明しています。申請ルートは学校の種別で分かれ、インターナショナルスクールなど学校段階(School Level)はEMGSを経由せず、学校の担当者・親・法定後見人が入国管理局へ直接申請します。EMGSを通すのは大学など高等教育機関のルートで、ここを取り違えると必要書類も費用も変わってしまいます。
入国管理局が「認められるガーディアン」として挙げているのは、実の親・法定後見人・養親・祖父母です。重要なのは、ガーディアンは就労も事業も認められていない点です。政治活動や講演も不可と明記されています。マレーシアで働きながら付き添う想定であれば、この枠組みでは成り立ちません。必要書類として、有効期間18か月以上のパスポート、補償期間12か月以上の医療保険、直近3か月分の銀行明細などによる資力の証明が挙げられています。
ここで正直にお伝えしておきたいことがあります。公式に書かれているのは、この「範囲」と「禁止事項」までです。ご夫婦のどちらが取得できるのか、何人まで認められるのか、祖父母の場合に追加の証明が要るのかといった運用は、公表資料には書かれていません。資力の証明に求められる残高の水準も同じです。原文の一覧には7歳未満のきょうだいに関する項目もありますが、英語の表現があいまいで、そのままでは意味を確定できません。父親が付き添う前提の場合や、ご両親そろっての帯同をお考えの場合は、計画を固める前に志望校へご確認ください。実務では学校が申請を代行することが多いため、志望校の案内に従うのが確実です。
※保護者がMM2Hや就労パスなどの長期ビザを持っている場合は、お子さんが学生パスではなく扶養家族としてのパスに就学の裏書きを受ける形になることがあります。また、公式に「学生パスは単独では申請できない」と明記する学校や、学生・保護者のビザをスポンサーしないと表明している学校もあります。ガーディアンのパスの有効期間は入国管理局の公表資料に明記がありません。ビザの要件は変更が多い分野です。必ず志望校と最新の公式情報でご確認ください。
帰国後の単位認定は「校長の裁量で36単位まで」
高校生にとって最大の論点がここです。結論は、制度としては36単位まで認定できるが、認定するかどうかは在籍校の校長の判断です。「認定される」ではなく「認定できる制度がある」と理解してください。
根拠は学校教育法施行規則第93条です。「校長は教育上有益と認めるときは生徒が外国の高等学校に留学することを許可することができる」とあり、続けて「留学することを許可された生徒について、外国の高等学校における履修を高等学校における履修とみなし、36単位を超えない範囲で単位の修得を認定することができる」と定められています。この上限は、平成22年4月1日施行の省令改正で30単位から36単位に拡大されました。中等教育学校の後期課程や特別支援学校の高等部にも準用されます。
ここで押さえておきたいのが、条文がすべて「できる」規定だという点です。36単位は上限であって、保証された数ではありません。高校の卒業には74単位以上の修得が必要とされているため、留学中の単位が何単位認められるかで、帰国後に必要な履修量が変わります。渡航前に在籍校の校長へ、留学の許可と単位認定の見込みをセットで相談しておくのが確実です。
同じ第93条には、もうひとつ知っておきたい第3項があります。単位の修得を認定された生徒については、学年の途中であっても、各学年の課程の修了や卒業を認めることができるという規定です。留学の期間と日本の年度の区切りがずれても、そこで卒業が遅れない道が用意されている、ということになります。なお、留学の期間そのものを在学期間に算入する、という規定は同条にはありません。
ここが「休学」との分かれ目です。在籍校での扱いが第93条の「留学」になるか「休学」になるかで、帰国後の学年が変わることがあります。留学として単位が認定されれば、上の第3項によって同級生と同じ時期の卒業を認められる道が残ります。一方、休学の扱いは各校の学則によるため、卒業が1年遅れる可能性があります。どちらになるかは学校ごとに違うので、「留学」と「休学」のどちらの扱いになるかを、必ず言葉にして確認してください。
この相談を渡航後に始めるご家庭が少なくありません。ですが第93条は「留学することを許可された生徒について」認定できる、という書き方になっています。つまり先に在籍校の許可があることが前提です。出発前に話を通しておくかどうかで、帰国後の負担がまったく変わります。
復学を考えていないご家庭でも、この確認には意味があります。マレーシアで最後まで通うつもりが、ご家族の事情で途中帰国になることは実際にあります。戻る道を1本残しておく、という位置づけで相談されるのがおすすめです。
3つの出口と、帰国生入試の在籍年数
中高生のマレーシア留学の出口は、大きく3つに分かれます。①日本の高校へ戻る、②マレーシアで卒業して海外の大学へ進む、③日本の大学を帰国生入試などで受ける——このどれを想定するかで、渡航する学年も選ぶカリキュラムも変わります。
③を視野に入れるなら、在籍年数の要件を先に見ておいてください。ここが渡航時期を決める材料になります。上智大学の海外就学経験者(帰国生)入学試験(2027年度)は、在籍期間について「中・高等学校の6年間の中で2年以上継続して在籍した者」または「高等学校の最終学年を含め、中・高等学校6年間の中で通算2年以上在籍した者」のいずれかを求めています。日本大学の2026年度帰国生選抜は「最終学年を含めて2年以上継続して在籍」で、日本国内のインターナショナルスクールや外国人学校の卒業者は対象にならないと明記しています。
つまり、年数だけでなく「最終学年を含むか」という条件が付く場合があります。高2の途中から1年だけ、という計画では届かない大学が出てきます。ここで注意したいのが、在籍年数は要件のひとつにすぎないという点です。上智大学の場合は在籍期間のほかに、日本国籍を有すること、12年以上の課程を修了していること、学科の指定する外国語検定試験の基準を満たすことなど、複数の条件をすべて満たす必要があります。
資格で出願する道もあります。日本大学は、国際的な評価団体(WASC・CIS・ACSI・NEASC・Cognia・COBIS)の認定を受けた学校の12年の課程を修了した人や、IB・GCE Aレベル・国際Aレベル等の保有者にも出願資格を認めています。ただしGCE Aレベルの場合は、2科目以上でE評価以上であること、資格取得後の経過年数が出願時までに1年未満であること、そしてその証明書を取得できる日本国外の学校に最終学年を含めて2年以上継続して在籍していることが求められます。資格を取れば年数が免除される、という仕組みではありません。
日本の大学入学資格そのものについては、文部科学省が外国の12年の課程の修了者、国際的な評価団体の認定を受けた学校の12年の課程の修了者、IB・アビトゥア・バカロレア・GCE Aレベル等の資格保有者を挙げています。志望校の学校認定の有無で使えるルートが変わるため、学校選びの段階で確認しておくと安全です。カリキュラム別の出口はインター卒業後の進路、日本の学校へ戻る場合の手続きはマレーシア留学の帰国後の学校で扱っています。
学年別・いつ動くと何が起きるか
ここまでの制度を、日本の学年に当てはめて並べます。渡航のタイミングによって、日本側で発生する手続きと、現地で直面する試験課程が変わります。
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| 渡航時の日本の学年 | 現地の学年の目安 | 日本側で起きること | 現地で重なること |
|---|---|---|---|
| 中1〜中2 | Year 7〜8 | 1年以上なら学齢簿の消除と除籍。1年未満なら在籍のまま長期欠席 | 試験課程の前。英語の助走に最も時間を取りやすい |
| 中3 | Year 9〜10 | 日本の高校受験と時期が重なる | Year 9で科目選択、Year 10からIGCSEが始まる |
| 高1 | Year 10〜11 | 在籍校の「留学」許可と単位認定の相談が必要 | IGCSEの2年課程。Year 11からの参加は科目が窮屈になりやすい |
| 高2 | Year 11〜12 | 単位認定は36単位が上限。卒業74単位からの逆算が要る | A Level・IB DPの開始学年。帰国生入試の在籍年数が焦点に |
| 高3 | Year 12〜13 | 日本の高校の卒業要件を満たせるかを最優先で確認 | 2年課程の途中参加になり、受け入れを見送る学校もある |
※上の対応はあくまで一般的な目安です。何年生に配属するかは志望校の判断であり、学校によって基準日も学年暦も異なります。
渡航までの進め方(5ステップ)
制度の確認と学校選びは、順番を間違えると後戻りになります。出口から逆算して、日本側の確認を先に済ませるのが基本です。
出口を仮決めする
日本の高校へ戻るのか、海外大へ進むのか、日本の大学を帰国生入試で受けるのか。仮でよいので決めます。ここで滞在予定年数もおおまかに置きます。
日本側に確認する
中学生なら在籍校と居住自治体の教育委員会へ、学籍と就学手続きを。高校生なら在籍校の校長へ、留学の許可と単位認定の見込みを確認します。
学年とカリキュラムを合わせる
お子さんの年齢がYear何年にあたるか、IGCSEやA Levelの課程の途中にならないかを学校と確認します。志望校の国際認定の有無もここで見ておきます。
総額で学校を比較する
授業料だけでなく、SST・EAL・寮費・入学金を足した年額で並べます。学校差が大きいので、この段階で候補が絞れます。
出願とビザ手続き
合格後に学生パスを申請し、付き添う保護者のガーディアンの手続きを進めます。必要書類は学校が案内する最新版に従います。
「うちの子の学年だと、どうなる?」を一緒に整理します
学籍・単位・帰国後の進路は、学年ひとつで答えが変わります。
ご家庭の状況をうかがって、現地スタッフが順番を整理してお伝えします。
よくある質問
中学生がマレーシアに留学すると、日本の中学は退学になりますか?
国外への転出が1年以上とわかっている場合は、転出届によって住民票とあわせて学齢簿が消除され、文部科学省は「その際、学校からは除籍されることとなります」と説明しています。一方、1年未満とあらかじめわかっている場合は在学関係を変更する必要はなく、指導要録上は長期欠席として扱うのが適当とされています。滞在予定の長さで扱いが分かれるため、渡航前に在籍校と居住自治体の教育委員会へご確認ください。
中学生・高校生が親と離れて単身でマレーシアに留学できますか?
マレーシア入国管理局の学生パスは3歳以上が対象で、プリスクールから高等教育までが含まれます。ただし学校によって扱いが異なり、公式に「学生パスを単独では申請できない」と明記している学校や、学生・保護者のビザをスポンサーしないと表明している学校もあります。寮のある学校であれば単身での就学が現実的な選択肢になりますが、可否は志望校ごとに必ず確認が必要です。
マレーシアの高校で取った単位は、日本の高校の卒業単位になりますか?
学校教育法施行規則第93条により、校長が留学を許可した生徒について、外国の高等学校における履修を日本の高等学校における履修とみなし、36単位を超えない範囲で単位の修得を認定できる、と定められています。上限は平成22年4月の省令改正で30単位から36単位へ拡大されました。ただし条文は「認定することができる」という規定で、認定するかどうかと何単位認めるかは在籍校の校長の判断です。36単位は上限であって保証された数ではありません。
中高生のマレーシアのインター校の学費は年間どのくらいですか?
2026年8月時点で各校公式が公表している2026/2027年度の通学(デイ)の年間授業料は、セカンダリー帯でおおむねRM60,000台からRM166,800まで幅がありました。寮に入る場合は別途で、フルボーディングでは年RM240,000を超える学校もあります。加えて、1生徒・1学年度あたりの料金がRM60,000を超えると対象料金の全額に6%のサービス税(SST)がかかり、英語補習(EAL)が必要な場合は授業料そのものが別レートになります。学校差が非常に大きいため、必ず志望校の最新のFee Scheduleでご確認ください。
高校2年から1年だけ留学して、日本の大学の帰国生入試は受けられますか?
大学によって要件が違うため、1年では届かないことがあります。たとえば上智大学の2027年度の帰国生入試は、在籍期間について「中・高等学校の6年間の中で2年以上継続して在籍」または「高等学校の最終学年を含め通算2年以上」を求めています。日本大学の2026年度帰国生選抜は「最終学年を含めて2年以上継続して在籍」です。在籍年数だけでなく、最終学年を含むかどうかの指定があること、さらに国籍や外国語検定など他の条件もすべて満たす必要があることから、志望校の募集要項を早い段階で確認してから渡航時期を決めることをおすすめします。
主な参照元(2026年8月時点)
- 海外へ転出する学齢児童生徒の学籍の取扱い(1年以上/1年未満の区分・除籍・指導要録上の長期欠席・転出届を出さない場合):文部科学省 就学事務Q&A「6. 学齢児童生徒が国外に転出した場合における学齢簿や学籍の取扱いについて」
- 就学義務は国内に居住する日本国民に課され、外国に居住する日本国民には適用されないこと:文部科学省 就学事務Q&A「7. 外国から帰国した学齢児童生徒の就学手続について」
- 一条校でないインターナショナルスクールと就学義務の関係:文部科学省 就学事務Q&A「11. 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」
- 外国の高等学校への留学の許可・36単位を超えない範囲での単位認定・学年途中での課程修了/卒業の認定:学校教育法施行規則第93条第1項〜第3項(e-Gov法令検索)。上限を30単位から36単位に引き上げた改正=平成22年文部科学省令第8号(平成22年3月24日公布・同年4月1日施行)/文部科学省 通知21文科初第700号。中等教育学校の後期課程(第113条第3項)・特別支援学校の高等部(第135条第5項)に準用
- 高等学校の卒業に必要な単位数(74単位以上):学校教育法施行規則第96条(e-Gov法令検索)
- 日本の大学入学資格(外国の12年の課程・国際的な評価団体WASC/CIS/ACSI/NEASC/Cognia/COBISの認定校・IB/アビトゥア/バカロレア/GCE Aレベル等):文部科学省「大学入学資格について」
- 帰国生入試の在籍年数と併存する要件:上智大学 海外就学経験者(帰国生)入学試験 出願資格(2027年度)/日本大学 2026年度 帰国生選抜 募集要項(GCE Aレベルの2科目以上E評価以上・資格取得後1年未満・日本国外の学校に最終学年を含め2年以上継続在籍)
- 学生パスの対象年齢(3歳以上・就学前〜高等教育)・学校段階は入国管理局へ直接申請/高等教育はSTARS・EMGS経由・ガーディアンの範囲と就労等の禁止・必要書類(パスポート18か月以上/医療保険12か月以上/直近3か月の銀行明細):マレーシア入国管理局(imi.gov.my)Student Pass
- IGCSEの対象年齢(14 to 16 year olds):Cambridge International 公式/IB DP(16〜19歳)・MYP(11〜16歳)の対象年齢:国際バカロレア機構 公式 ※ibo.org はアクセス制限により全文の機械取得ができず、公式の記載内容にもとづく記述です/Key Stage 4=Years 10–11、Key Stage 5=Years 12–13 の編成例:Garden International School 公式
- 各校の学費・寮費・EAL費用・SSTの適用(いずれも2026/2027年度の年額・各校公表値):Sri KDU International School(Kota Damansara)/Nexus International School Malaysia/Garden International School/Marlborough College Malaysia 各公式Fee Schedule
- 教育サービスへのサービス税の拡大(2025年7月1日施行)・RM60,000のしきい値・税率6%:マレーシア財務省 プレスリリース/官報 P.U.(A) 172/2025(課税範囲=Group M)・P.U.(A) 173/2025(税率6%)/関税局(RMCD)「Service Tax 2018 — Guide on Private Education Services」(2025年6月9日版)および同FAQ
- 課税対象から外される費用(教科書・制服・食事・交通・寮・返還可能デポジット・PTA会費・校外学習費・学生パス/ビザ費用):Service Tax Policy No.4/2025(Amendment No.2、2025年7月1日に遡及適用)
- サービス税の免除対象(マレーシア国籍かつ有効な Kad OKU(障害者手帳)保持者・外国外交官の子女/扶養家族・全額スポンサーされる学費):官報 P.U.(A) 174/2025 Item 10/Service Tax Policy No.4/2025(Amendment No.2)