ルシュエット|マレーシア留学・教育移住
教育費・インター校の費用

マレーシアの教育費は月いくら?インター・習い事・送迎の月額【2026年版】

「年間400万円」と言われても、家計に落とせない——。マレーシアの教育費を、公表されている金額だけを使って月額に割り戻しました。学費だけでなく、税・送迎・習い事まで積み上げます。

結論から言うと、マレーシアの教育費はお子さん1人あたり月RM2,385〜11,242(約9.2万〜43.5万円)が目安で、月額の全体像を大きく左右するのは「どの学校を選ぶか」です。この記事では、インター校の年間授業料を月額に割り戻したうえで、学費にかかるサービス税6%・スクールバス・習い事・英語サポート費を積み上げ、毎月いくらになるのかを整理します。金額はすべて学校・政府機関が公表しているものだけを使い、確認できなかったものは「確認できていない」と書きます。

結論:マレーシアの教育費は月いくらか

お子さん1人・小学校低学年(Year 1/Grade 1相当)で、授業料の月額換算+サービス税+スクールバス+習い事を足した金額は、学校のグレードによって次の3段に分かれます。家賃や食費といった生活費は含みません。

学校のタイプ教育費の月額(お子さん1人)
費用を抑えたインター校
(授業料 年RM2万台)
月RM2,385〜2,835(約9.2万〜11.0万円)
中位のインター校
(授業料 年RM4〜5万台)
月RM4,318〜5,375(約16.7万〜20.8万円)
名門インター校
(授業料 年RM8〜11万台)
月RM8,672〜11,242(約33.6万〜43.5万円)

※RM1≒38.7円(2026年8月時点・マレーシア中央銀行BNMの公表レートをもとにした本記事の基準)で換算した参考値です。為替が動けば円での支払額は変わります。学費は年に2〜3回まとめて送金することが多く、送金時のレートで金額が上下するため、円で予算を組むときは少し余裕を持たせてください。内訳は「3タイプの月額シミュレーション」で分解しています。学年が上がると授業料は上がるため、中学・高校ではこの目安より高くなります。

ただし、この目安からズレる要因が3つあります。①お子さんの英語力によって加算される英語サポート費(月RM333〜991)、②自宅が学校のバス路線のどのゾーンに入るか(月RM220〜450の差)、③入学金など1年目だけの費用(学校によっては1年目の月額が2,000〜5,000リンギット上振れします)。この3つで同じ学校でも月額が変わるため、以下で1つずつ分解します。兄弟割引を用意している学校もあります。

ポイントは、同じ「マレーシアのインター校」でも月額が4倍以上ひらくことです。「マレーシアは教育費が安い」も「インターは月40万円かかる」も、どちらも一部だけを見た話になります。まずは学費以外に何が毎月出ていくのかを分解します。

月額の内訳は5つ(学費だけではない)

毎月出ていくお金は、次の5つに分かれます。学費が主役であることは間違いありませんが、残りの4つで月2万〜7万円ぶん上振れするのが、事前の試算とズレる主な原因です。なお、ここでの「月額」は家計を考えるための割り戻しです。実際の学費は学期ごとの前払いが主流で、毎月引き落とされるわけではありません。まとまった額が年2〜3回出ていく前提で資金を準備してください。

① 授業料月RM1,750〜9,633
② サービス税月RM0〜578
③ 送迎月RM458〜975
④ 習い事月RM175〜
⑤ 英語サポート月RM333〜991
▲ 教育費の月額の内訳。バーの長さは名門校ケース(授業料 月RM9,633)を100%としたときの比率です。②は1学年度の対象料金の合計がRM60,000を超える場合のみ、⑤は英語サポートが必要な期間のみ(金額は定額方式の例)発生します(各校・政府機関の公表額をもとにルシュエット作成)
現地からのリアル

ご相談でいちばん多いのが、「学校の公式サイトで授業料を調べて予算を組んだのに、実際の請求書が思っていたより大きかった」というお話です。原因はほぼ決まっていて、スクールバスの距離ゾーン英語サポートの追加費、そして1年分の料金の合計がRM60,000を超えたときのサービス税の3つです。

逆に言えば、この3つは学校選びの段階で読める費用です。授業料の数字だけで学校を並べるのではなく、「バス代を含めた月額」で並べ替えると、候補の順番が変わることがよくあります。

① インター校の授業料を月額に割り戻すと

まず主役の授業料です。マレーシアのインター校は年額表示が基本なので、公表されている年間授業料を12で割って月額に直しました。いずれも各校が公式サイトで公表している金額です。

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学校(エリア)対象年度年間授業料月額換算円換算(月)
elc International
(スンガイ・ブロー/サイバージャヤ)
2025年9月〜RM21,000RM1,750約6.8万円
Taylor's International School
(KL・プチョン)
2026RM26,400RM2,200約8.5万円
Sri KDU IS
(コタ・ダマンサラ)
2026/27RM41,310RM3,443約13.3万円
Oasis IS
(バンダー・リンバユ)
2026/27RM54,000RM4,500約17.4万円
Nexus IS
(プトラジャヤ)
2026/27RM59,460RM4,955約19.2万円
IGB International School
(スンガイ・ブロー)
2026/27RM86,500RM7,208約27.9万円
Mont'Kiara International School
(モントキアラ)
2025/26RM102,120RM8,510約32.9万円
ISKL
(アンパン・ヒリル)
2026/27RM115,600RM9,633約37.3万円
▲ 小学1年(Year 1/Grade 1)相当の年間授業料を月額に割り戻した比較。同じクアラルンプール圏でも月額で約5.5倍の差があります。各校が公式サイトで公表しているFee Schedule(2026年8月時点で確認できたもの)をもとにルシュエット作成。学年・入学時期・年度改定で変わるため、最新は各校の公式でご確認ください

※表を読むときの注意を3つ。①elc International・Taylor's International Schoolは複数キャンパスをまとめた1つの料金表を公表しているため、キャンパス別の金額は分かりません(Sri KDUの上記金額は留学生向けの表で、マレーシア人とは登録金などが異なります)。②ISKLのRM115,600は「Prep Senior〜Grade 5」が同額のバンド表示で、Grade 1単独の金額として掲出されているわけではありません。③IGB International Schoolは掲載額がサービス税を含まない(税別)表示だと明記しています。学校によって税込・税別の表示が違うため、見積書では税込の総額を確認してください。

※支払い方について、3点だけ押さえてください。

エリアで見ると、日本人ファミリーに人気のモントキアラやアンパン・ヒリルといったKL市内には月RM8,000超の学校があり、プトラジャヤ・サイバージャヤ方面や郊外の学校は月RM2,000台からあります。学校名で有名かどうかよりも、どのエリアにあるかで月額の桁が変わるのがマレーシアの特徴です。学校ごとのカリキュラムや英語サポートの違いは「モントキアラのインターナショナルスクール|学費・特徴を現地から比較」で詳しく比較しています。

学年が上がると月額はどう変わるか

もう一つ見落とされやすいのが、同じ学校でも学年が上がると授業料が上がることです。「小1で入って高校卒業まで」を前提にするなら、入学時の月額のままではなく上がっていく前提で家計を組む必要があります。学年帯ごとの金額を公表している3校で並べます。

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学年帯Sri KDU IS
(中位)
Mont'Kiara IS
(名門)
ISKL
(名門)
幼児(3〜5歳)月RM2,100月RM2,926月RM5,850
小学校(低学年)月RM3,443月RM8,510月RM9,633
中学校(Year 7/Grade 6-8)月RM5,039月RM9,509月RM10,883
高校(Year 11/Grade 9-12)月RM6,785月RM10,460月RM11,950
▲ 各校が公表している学年帯ごとの年間授業料を12で割った月額換算(Sri KDU=2026/27年度・留学生向け/Mont'Kiara=2025/26年度・学期額×2/ISKL=2026/27年度)。幼児の欄はSri KDU=EYFS1、Mont'Kiara=Pre-K3、ISKL=Prep Receptionの金額です。各校公式のFee Scheduleをもとにルシュエット作成

中位校では小学校低学年から中学に上がるだけで月額が約1.5倍になり、高校ではさらに上がります。名門校は幼児から小学校に上がるときの伸びが大きく、そこから先はゆるやかです。つまり「今いくらか」だけでなく、いちばん高くなる学年で払い続けられるかで学校を選ぶのが安全です。なお、Sri KDUのようにYear 12〜13(大学進学課程)で金額の体系が変わり、かえって下がる学校もあります。

② 学費にかかるサービス税6%で月いくら増えるか

ここが日本の家庭にとって見落としやすい費用です。マレーシアには日本の消費税に相当する一律の税がなく、代わりにSST(Sales and Service Tax/売上税・サービス税)という、対象になる物品・サービスにだけかかる税があります。2025年7月1日から私立教育サービスもこのサービス税の対象になりました(制度の施行は2025年7月1日ですが、請求への反映を新しい学年度の開始に合わせた学校もあるため、実際に請求書へ載り始めた時期は学校によって異なります)。

教育費に関する要点は3つです。

免除されるのはマレーシア国民かつKad OKU(障害者手帳)を持つ生徒に限られます。官報の条文が「citizen and a holder of a valid Kad OKU」という書き方になっているためで、つまり日本人のお子さんは課税される側です。なお、この6%がかかるのは授業料・入学金・課外活動費・施設費といった教育関連の料金で、教科書・制服・スクールバス(送迎)・寮費・食費・PTA費、および学生パスやビザの費用にはかかりません

1学年度の対象料金の合計サービス税6%(年)月あたりの上乗せ
RM60,000以下対象外0円
RM86,500約RM5,190約RM433(約1.7万円)
RM102,120約RM6,127約RM511(約2.0万円)
RM115,600約RM6,936約RM578(約2.2万円)

※各校が公表している年間授業料を課税ベースに置いた概算です。実際には入学金・施設費なども対象に含まれるため、請求額はこれより増えます。とくに授業料が年RM5万台の学校でも、入学金や施設費を合わせると初年度だけRM60,000を超えることがあり、その年は全額に6%がかかります。制度・税率・非課税の範囲は変更される可能性があるため、実際の金額は学校の見積書で、制度の最新はマレーシア関税局(MySST)の公式情報でご確認ください。マレーシアの税全体の考え方は「マレーシア移住と税金」で解説しています。

③ 送迎費の3択(スクールバス・配車アプリ・運転手)

日本の公立校に通っていた家庭がいちばん想定していないのが、この送迎費です。マレーシアでは子どもが1人で登下校する習慣がほとんどなく、送迎や通学の手段を手配するのが一般的です。選択肢は主に3つです。

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比較項目スクールバス配車アプリ(Grab)専属運転手
月額の目安RM458〜975
(約1.8万〜3.8万円)
公表料金表なし月RM3,000〜3,500
(求人サイト集計)
金額の読みやすさ◎ 学校が年額で提示△ 距離・時間・需要で変動○ 固定給で読める
親の手間◎ 少ない○ 毎回配車が必要◎ 少ない
注意点路線・ゾーン外は利用できない雨天・帰宅ラッシュ時は割高雇用の手続きと責任が発生
向いている家庭学校の路線内に住む家庭習い事など不定期の移動兄弟が別の学校・送迎が多い家庭
◎ 強み○ ふつう△ 弱み・注意
▲ 送迎3手段の比較。金額は学校が公表しているバス料金と、公的な最低賃金・求人サイトの集計値をもとにルシュエット作成(2026年8月時点)

スクールバス:月RM458〜975(約1.8万〜3.8万円)

もっとも一般的な手段です。料金は自宅がどの距離ゾーンに入るかで決まり、遠いゾーンほど高くなります。金額を公式サイトで公表している学校の例を挙げます。

※バス料金を公式サイトに金額まで掲載している学校は少数派です。今回確認した7校のうち金額を公表していたのは3校で、残りは「バス代は学費に含まない」と書かれているだけで金額は問い合わせ制でした。しかも上のSri KDUのように年度が変わると料金表ごと消えることがあるため、ネット上の数字は古い可能性があります。学校選びの段階で必ず自宅の想定エリアからのバス代を直接聞いてください。

配車アプリ(Grab):事前の月額試算は難しい

マレーシアで生活の足になっている配車アプリですが、Grabは公式の料金表を公開していません。公表されているのは運賃の決まり方(走行距離・所要時間・需要による変動・チップ・通行料の合計)と、予約前に運賃の目安が表示される仕組みだけです。しかもその表示額には通行料と各種サーチャージが含まれないと公式に明記されています。つまり通学に毎日使う場合の月額は、実際の距離と時間帯で試してみないと読めません。しかも通学時間帯は需要が集中し、雨の日は配車がつかまりにくくなります。毎日の通学の主軸にするより、習い事や不定期の移動、スクールバスが使えない日の代替手段として予算を見ておくのが現実的です。

専属運転手:求人サイトの集計では月RM3,000〜3,500

兄弟が別の学校に通う場合など、送迎の回数が多い家庭が検討する選択肢です。マレーシアの法定最低賃金は月RM1,700(時給RM8.72)です。2025年2月1日に施行され、従業員5人未満の雇用主だけは同年7月31日まで月RM1,500に据え置かれたのち、2025年8月1日からすべての雇用主に適用されています。ただし家事使用人(domestic employee)は最低賃金令の適用対象外とされており、雇用法(Employment Act 1955)の定義には「私用登録車両の運転手または清掃員」も挙げられています。そのため月RM1,700が必ず法的な下限になるとは限りません。雇用条件の判断は専門家に確認することをおすすめします。

個人が雇う運転手の給与相場については政府統計などの一次情報が見つかりませんでした。大手求人サイトの集計では月RM3,000〜3,500(約11.6万〜13.5万円)と表示されています(2026年8月時点)。ただしこれは求人広告の提示額をまとめた二次情報で、しかも数か月で表示が変わる性質のものです。目安として捉え、実際の条件は現地で確認してください。

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学校の授業料だけでなく、住むエリアからのバス代・英語サポート費・初年度の一時費用まで含めた月額を、現地スタッフが個別に整理します。
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④ 習い事・塾の月謝

マレーシアは習い事の選択肢が多く、学校の課外活動(ECA)で足りるか、外部の教室に通うかで月額が変わります。ただし正直に書くと、この分野は公式サイトに月謝を載せていない教室が多数派です。サッカー・ピアノ・ロボティクスなどは問い合わせベースで、公表レートを確認できませんでした。ここでは金額を公表している例だけを挙げます。

金額を公表している例として、公文(Kumon Malaysia)は1教科あたり月RM175(4〜12歳)/月RM185(13〜17歳)+登録料RM50です(2026年8月11日に公式サイトで確認。入会時のデポジットは不要と明記されています)。約6,800〜7,200円で、日本の月謝と比べると抑えめの水準になります。ただし各教室はフランチャイズのため、実際の運用は教室ごとに確認してください。

水泳も金額を公表している教室があります。KL近郊で複数のプールを運営するスクールの公表料金では、グループレッスンが月RM150〜240(月4回・エリアと平日/週末で変動)+登録料RM50、個人レッスンが月RM510(45分・月4回)です。グループなら公文と同じくらい、個人レッスンにすると3倍前後になります。

もう一つ確認しておきたいのが、学校の課外活動(CCA/ECA)がどこまで学費に含まれるかです。ここは学校で扱いが割れます。「課外活動の多くは追加費用がかからない」と明記する学校がある一方で、「制服・バス・CCA・校外学習・端末は学費に含まない」と書き、区分によっては別途請求すると明記している学校もあります。活動費を「Varies(活動による)」とだけ書いて実額を出していない学校もあります。つまり学校内の活動でも無料とは限らないため、入学前に「追加費用が出る活動はどれか」を確認しておくことをおすすめします。

ここから逆算すると、習い事1つで月RM175〜、2つで月RM350前後を教育費に足しておくのが現実的です。日本語の維持を考えて日本語塾やオンライン学習を併用する家庭もあり、その場合はさらに上乗せになります。帰国を見据えた日本語のフォローは「帰国後の学校選び」で扱っています。

⑤ 英語サポート費で「最初の1〜2年だけ」上がる

英語力がまだ足りないお子さんが入学する場合、多くの学校でEAL/ESL(英語を母語としない生徒向けの英語サポート)の費用が別途かかります。専門用語なので簡単に言い換えると、授業についていけるようになるまでの英語の追加指導料です。

金額の出方は学校によって2通りあり、どちらの方式かで月額のインパクトが変わります。公式に金額を公表している例を並べます。

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学校方式公表されている金額
Mont'Kiara International School定額1セメスターあたり Support RM2,000(G1〜G5)/English B RM3,000(G6〜G10)/Intensive RM5,000。G11・G12は提供なし。別途、英語力判定 RM1,200(1回)
IGB International School定額ESOL 1セメスターあたり RM5,000(英語力のレベルに応じて)
Sri KDU IS(コタ・ダマンサラ)定額1タームあたり RM3,700(Wave 3)/RM4,500(Wave 4)。英語力が基準に達している段階(Wave 1・2)は無料。※スバンジャヤ校は Wave 3・4とも一律RM4,000
Oasis IS定額ELL 年RM10,000(G1〜G8)。別途 ELLPlus 四半期RM1,250
Nexus IS(プトラジャヤ)割合1タームあたり 授業料の10%(Support)/20%(Intensive)
Taylor's International School割合授業料の+10%(EAL・2026年1月から)/+20%(EEP=Essential English Program)。年額基準かターム基準かの明記はなし
▲ 英語サポート(EAL・ESOL)費の公表額。各校公式のFee Schedule(2026年8月時点で確認できたもの)をもとにルシュエット作成。学年・英語力の段階で区分が変わり、別途サービス税がかかる場合があります。タームやセメスターの回数は学校によって異なるため、年額は必ず学校に確認してください

月額に直すと、定額タイプでセメスター制の学校なら月RM333〜833(約1.3万〜3.2万円)の上乗せです。割合タイプは授業料が高い学校ほど効いてきます。たとえば授業料が年RM59,460の学校で20%が加算されると、年約RM11,892=月約RM991(約3.8万円)。授業料そのものが月RM4,955の学校なので、初年度は実質2割増しになる計算です。

重要なのは、この費用は永続ではなく、英語力が基準に達すれば外れる点です。つまり最初の1〜2年だけ月額が上がる構造で、入学初年度の予算を組むときに見落とすと、想定より支出が増えて家計を圧迫するおそれがあります。逆に、英語力を上げてから入学すれば避けられる費用でもあります。入学時に求められる英語力の水準は「インター入学に必要な英語力」で整理しています。

※加算の方式・金額・外れる基準は学校ごとに大きく異なります。出願前に必ず各校の公式のFee Scheduleと入学要件でご確認ください。

月額に混ぜない「初年度だけ」の費用

ここまでが毎月の話です。これとは別に、入学時に1回だけ発生する費用があります。この2つを混ぜて計算してしまうと「マレーシアの教育費は異常に高い」という印象になるので、分けて把握してください。

初年度だけかかる費用金額の目安
出願料(Application Fee)RM1,000〜1,800
入学金(Registration/Admission Fee)RM5,000〜59,000(学校差が非常に大きい)
デポジット(条件を満たせば返金される預り金)1ターム分の授業料相当〜RM20,000
IT・施設関連費年RM300〜500の学校から、1回RM4,000〜10,000の学校まで
学生パス(Student Pass)の発行手数料RM60(入国管理局の公表額)
保護者向けのSocial Visit PassRM90(同)

※入学金は学校のグレードでもっとも差が出る項目です。デポジットは退学時に返金される預り金で、返金条件は学校ごとに異なります(ISKLのように「返金はしないが第2学期の授業料に充当する」形の学校もあります)。同伴する保護者(実親・法定保護者・祖父母など)にはSocial Visit Passが発給されますが、このパスでは就労・事業ができません。費用・要件は変更されることがあるため、最新は入国管理局の公式でご確認ください。ビザ全体の選択肢は「マレーシア移住のビザの種類」で解説しています。

「1年目だけ月額がいくら上がるか」に直すと

この一時費用は、月額に混ぜないほうが実態に合います。ただ1年目の家計だけを見るなら、12で割って月額に足したほうが現実的です。返金されない初年度費用(出願料・入学金・一時的なIT費)を各校の公表額から拾い、12で割って授業料の月額に足しました。

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学校返金されない
初年度費用
1年目の月額
(授業料+月割り)
2年目以降の月額
(授業料のみ)
Taylor's ISRM7,000月RM2,783月RM2,200
elc InternationalRM9,000月RM2,500月RM1,750
Sri KDU ISRM11,500月RM4,401月RM3,443
Oasis ISRM15,500月RM5,792月RM4,500
Nexus ISRM21,300月RM6,730月RM4,955
IGB ISRM26,000月RM9,375月RM7,208
Mont'Kiara ISRM29,700月RM10,985月RM8,510
ISKLRM60,800月RM14,700月RM9,633
▲ 各校が公表している出願料・入学金(登録料)・一時的なIT費の合計を12で割り、小学1年相当の授業料の月額換算に足したもの。返金される・授業料に充当されるデポジットは含めていません。各校公式のFee Scheduleをもとにルシュエット作成(サービス税・送迎・習い事は含まず)

差が出るのは入学金です。1年目だけで見ると、名門校は月額が2,000〜5,000リンギット上振れします。とくに入学金が突出して高い学校では、1年目と2年目でまったく違う家計になります。逆に言えば、初年度を乗り切れるかと、2年目以降を続けられるかは別々に確認するべきだということです。数年で帰国する前提なら、入学金の重さは在学年数で割って考えると判断しやすくなります。

※学校によっては年間分を一括で前払いすると5%引き、兄弟が在籍すると5〜10%引きといった割引を公式に公表しています(逆に、月払いにすると3%増しになる学校もあります)。きょうだいで通わせる場合や、資金に余裕がある場合は、見積もりの段階で割引の有無を確認してください。

学生パスについて、費用の前に知っておきたい前提があります。入国管理局の公式では対象は3歳以上(プリスクールから高等教育まで)とされていますが、実務では保護者がMM2Hや就労パスなどの長期ビザを持っている場合、お子さんは学生パスではなく扶養家族(Dependant Pass)として滞在し、パスポートに就学許可の裏書を受ける形が一般的です。さらに、お子さん単独では学生パスを申請できない学校や、学生パスの手続きを学校側で扱わない学校もあります。どのルートになるかで手続き費用が変わるため、志望校に必ず確認してください。

現地からのリアル

ここで一つ、ネット上の情報でよく混ざっているものがあります。留学の手続き費用としてEMGS(Education Malaysia Global Services)の料金表が紹介されることがありますが、これは大学・語学学校など高等教育機関向けの窓口です。インターナショナルスクール(初等・中等)の学生パスは、教育省・州教育局の支持書をもとに学校または保護者が入国管理局の学生パス課へ直接申請する流れで、EMGSの料金表はそのまま当てはまりません。

「留学の手続きに数千リンギット必要」と書かれた記事を読んで身構える方が多いのですが、お子さんがインター校に通うケースと、大人が語学学校や大学に通うケースでは、そもそも手続きのルートが違います。学校からもらう見積書に何が含まれているかを確認してください。

3タイプの月額シミュレーション

ここまでの数字を積み上げて、お子さん1人・小学校低学年の月額を3タイプで組み立てます。いずれも生活費(家賃・食費・光熱費)は含みません

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内訳A:費用を抑えるB:中位C:名門校
授業料(月額換算)RM1,750〜2,200RM3,443〜4,500RM7,208〜9,633
サービス税6%0
(合計RM60,000以下)
0
(初年度は超える場合あり)
RM433〜578
スクールバスRM460RM525RM681
習い事RM175(1つ)RM350(2つ)RM350(2つ)
月額の合計RM2,385〜2,835
約9.2万〜11.0万円
RM4,318〜5,375
約16.7万〜20.8万円
RM8,672〜11,242
約33.6万〜43.5万円
▲ お子さん1人・小学校低学年の教育費 月額シミュレーション(生活費は含まず)。英語サポートが必要な期間は、これに月RM333〜991が上乗せされます。Bは入学金を含めた1年分の合計がRM60,000を超える年はサービス税がかかります。スクールバスは金額を公表している学校の実額を当てはめました(A=ISKLの近距離ゾーン、B=Sri KDUの近距離ゾーン、C=ISKLのモントキアラ方面)。このうちSri KDUの金額は2024/25年度版の交通案内によるもので、その後の改定で変わっている可能性があります。入学金などの一時費用は含めていません(1年目の月額は「初年度だけの費用」の章をご覧ください)。各校・政府機関の公表額をもとにルシュエット作成(RM1≒38.7円換算・2026年8月時点)

ご覧のとおり、タイプ間の差を作っているのは授業料そのもので、送迎や習い事は今回の条件ではどのタイプでも月RM700〜1,000前後の範囲に収まっています(住むエリアや通う教室によって変わります)。つまり毎月の教育費をコントロールするうえで、もっとも大きな要素になるのが学校選びです。

教育費を下げる3つの考え方

「安い学校にする」以外にも、月額を現実的な水準に寄せる方法があります。

  1. 住むエリアを学校のバス路線に合わせる

    バス代は距離ゾーンで決まるため、学校を先に決めて近いゾーンに住むだけで、金額を公表している学校の例では月RM220〜450ほど変わります。エリア選びは学費と連動する費用だと考えてください。

  2. 1年分の料金の合計がRM60,000を超えるかを確認する

    このラインを超えるとサービス税6%が対象料金の全額にかかります。授業料が年RM5万台の学校でも入学金を合わせると超える場合があるため、見積書の合計額で判断してください。

  3. 英語力を上げてから入学時期を決める

    英語サポート費は初年度の月額を1割前後押し上げます。渡航前に英語の準備期間を取るか、短期留学で慣らしてから本入学するかで、初年度の負担が変わります。

現地からのリアル

教育費の相談で私たちがいちばんお伝えしているのは、「月額の上限を先に決めてから学校を見る」という順番です。学校見学から始めると、どうしても施設のきれいな学校に気持ちが動きます。それ自体は悪いことではないのですが、月額の上限を決めていないと、あとから送迎費と英語サポート費が乗ってきたときに調整の余地がなくなります。

もう一つ現地でよく起きるのが、年度ごとの授業料改定です。入学した年の金額がそのまま続くわけではないため、数年の在学を前提にするなら「毎年少し上がる」ことを織り込んで予算を組んでおくことをおすすめします。

マレーシアでの暮らし全体にかかるお金は「マレーシア移住の費用」、食費や日用品などの実際の物価は「マレーシアの物価」で扱っています。住むエリアごとの家賃と暮らしやすさの違いは「クアラルンプールのエリア比較」をご覧ください。

よくある質問

マレーシアの教育費は月いくらですか?

学校のグレードで大きく変わります。お子さん1人・小学校低学年で、授業料の月額換算にサービス税・スクールバス・習い事を足すと、費用を抑えた学校で月RM2,385〜2,835(約9.2万〜11.0万円)、中位の学校で月RM4,318〜5,375(約16.7万〜20.8万円)、名門校で月RM8,672〜11,242(約33.6万〜43.5万円)が一つの目安です(RM1≒38.7円で換算)。家賃や食費などの生活費は含みません。

インターの学費以外に、毎月かかるお金は何ですか?

大きいのは4つです。学費にかかるサービス税6%(1学年度の対象料金の合計がRM60,000を超える場合)、スクールバスなどの送迎費、習い事・塾の月謝、そして英語サポート(EAL・ESL)の追加費です。英語サポート費は学校によって1セメスターあたりRM2,000〜5,000の定額か、授業料の10〜20%を加算する割合方式で発生し、月額では約RM333〜991(約1.3万〜3.8万円)の上乗せになります。英語力が足りない最初の1〜2年だけ月額が上がる構造で、基準に達すれば外れます。金額は学校ごとに異なるため、最新は各校の公式のFee Scheduleでご確認ください。

マレーシアのインターの学費に、日本の消費税のような税金はかかりますか?

かかります。2025年7月1日から私立教育サービスにサービス税6%が適用され、対象は1生徒・1学年度あたりの対象料金の合計がRM60,000を超える場合です。判定に使われるのは授業料だけの金額ではなく入学金なども含む合計額で、しかもRM60,000を超えた部分だけでなく対象料金の全額に6%がかかります。免除されるのはマレーシア国民かつKad OKU(障害者手帳)を持つ生徒に限られるため、日本人のお子さんは課税される側になります。教科書・制服・スクールバス・寮費・食費にはかかりません。制度は変わる可能性があるため、最新はマレーシア関税局の公式情報でご確認ください。

送迎はスクールバスと配車アプリ、どちらが安いですか?

距離次第です。スクールバスは学校が金額を公表している例では月RM458〜975(約1.8万〜3.8万円)程度で、遠距離のゾーンほど高くなります。配車アプリのGrabは公式の料金表が公開されておらず、距離・時間・需要による変動で運賃が決まるため事前の月額試算が難しいのが実情です。専属運転手を雇う選択肢もありますが、公的な相場統計はなく、求人サイトの集計では月RM3,000〜3,500と表示されています(2026年8月時点・二次情報)。

主な参照元(2026年8月時点)

  • 為替:マレーシア中央銀行(Bank Negara Malaysia)公表レート
  • サービス税:マレーシア関税局 MySST「Guide on Private Education Services」/官報 P.U.(A) 172/2025(Service Tax Regulations 2018 First Schedule, Group M)/官報 P.U.(A) 174/2025 Item 10(免除対象者)/Service Tax Policy No.4/2025(非課税料金の範囲)
  • 授業料・バス代・英語サポート費:各校公式サイトのFee Schedule(elc International/Taylor's International School/Sri KDU International School/Oasis International School/Nexus International School/IGB International School/Mont'Kiara International School/ISKL)※Sri KDUのスクールバス料金のみ2024/25年度版の交通案内による
  • 最低賃金:人的資源省 最低賃金ポータル 官報 P.U.(A) 376(Minimum Wages Order 2024・段階適用の条項を含む)/Employment Act 1955(domestic employee の定義)
  • 専属運転手の給与:大手求人サイトの職種別集計(Jobstreet/Indeed・2026年8月時点)※公的な賃金統計は確認できず
  • 学生パス・保護者のSocial Visit Pass:マレーシア入国管理局(Jabatan Imigresen Malaysia)
  • 高等教育の手続き費用:EMGS(Education Malaysia Global Services)Schedule of Fees ※インターナショナルスクールは対象区分に含まれない
  • 習い事の月謝:Kumon Malaysia 公式(2026年8月11日確認)/KL近郊の水泳スクールの公表料金表
  • 課外活動(CCA)の扱い:各校公式の School Fees ページ(学費に含む校・別途請求の校の双方)
  • 配車アプリの運賃:Grab Malaysia 公式(運賃の決まり方のみ公表)
本記事に記載した費用・制度・学校情報は、2026年8月時点に公開されている情報にもとづく目安です。為替はRM1≒38.7円で換算しています。制度や料金は改定されることがあるため、お申し込みの前に各公式サイト、または当社までご確認ください。