結論から言うと、2026年8月時点、英検協会が公表している海外の受験会場にマレーシアは含まれていません。海外の本会場は4都市、パソコンで受ける英検S-CBTの海外会場は7都市で、そのどちらにもクアラルンプールはありません。現地で英検を受ける道は、在籍している学校などの団体が自校を会場にする「準会場」に限られます。この記事では、準会場のしくみからインター校の子が受けにくい理由を説明し、そのうえで一時帰国・帰国後のS-CBT・現地で受けられる別の検定という選択肢を並べます。
英検の海外会場にマレーシアは入っていない(公式)
まず事実の確認からです。英検(実用英語技能検定)を日本国外で受ける方法は、公式に2つ案内されています。紙で受ける「海外本会場」と、パソコンで受ける「英検S-CBT」の海外会場です。そして、そのどちらの実施都市リストにもマレーシアはありません。
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| 受け方 | 公表されている海外の実施都市 | 受けられる級 | マレーシア |
|---|---|---|---|
| 海外本会場(紙) | ロンドン/ニューヨーク/ロサンゼルス/ホノルル(4都市) | 1〜3級 (4・5級の実施なし) | × なし |
| 英検S-CBT(PC) | ロサンゼルス/ニューヨーク/ロンドン/デュッセルドルフ/デトロイト/サンノゼ/ヒューストン(7都市) | 準1級・2級・準2級・3級 (1級・準2級プラスの実施なし) | × なし |
| 準会場(団体が自校で実施) | 所属団体からの団体申込による | 2〜5級 (1級・準1級は対象外) | △ 在籍校次第 |
海外本会場については、英検協会が「海外本会場検定料は日本国内と異なります」と明記しています。金額は申込ページで確認する形になっているため、日本の検定料をそのまま前提にしないほうが安全です。なお海外本会場は4・5級を実施していないため、はじめて英検を受ける小学生が海外でそのまま5級から、というルートは公式には用意されていません。
現地で受ける唯一の道「準会場」と、インター生が入りにくい理由
「知り合いの子はマレーシアで英検を受けたと言っていた」——この話と、上のリストは矛盾しません。答えが準会場です。準会場とは、受験者が所属する団体(学校・塾・企業など)が団体申込を行い、その団体の会場で一次試験を受ける方式のこと。つまり英検の会場が街にあるのではなく、学校が会場になるという仕組みです。
ここに、インターナショナルスクールに通う子が入りにくい理由が3つあります。英検協会が公表している団体申込の条件から順に見ていきます。
原則、所属している団体を通して申し込む
準会場での受験は、所属している団体からの団体申込が前提です。英検協会は2020年度から「一般受験者を受け入れる準会場」の一覧も公開していますが、掲載されているのは日本国内の団体だけで、海外の団体は載っていません。海外では、在籍していない学校の準会場に保護者が個別に申し込む道は用意されていない、ということです。
団体側にも条件がある(人数・登録)
英検協会は準会場の条件として、2〜5級の志願者が合計10名以上であること、また学校教育法に定める学校や官公庁は準会場登録が不要で、私塾・企業などは準会場登録が必要であることを示しています。海外に所在する団体は別の窓口で扱われます。
上の級は準会場では受けられない
準会場の対象は2〜5級で、1級・準1級は本会場のみです。2026年度の準会場の検定料表にも1級・準1級の欄はありません。上の級を目指す段階に入ると、準会場という選択肢自体が使えなくなります。
さらに見落とされがちなのが二次試験(面接)の扱いです。英検協会は「二次試験の準会場実施はございません」と明記しており、二次試験は本会場で受ける建てになっています。一方で二次試験の日程案内には「海外や離島など、一部特別会場の受験者」という区分があり、海外は協会が設ける特別会場の扱いになります。一次に受かったあと二次をどこで受けるのかは、公開されている情報だけでは分かりません。受験を決める前に、実施団体と英検協会の双方に確認しておくべき点です。なお英検S-CBTは1日で4技能を測る方式のため、そもそも二次試験という区分がありません。
ご相談でよく聞かれるのが「マレーシアでも英検は受けられますよね?」という質問です。日本にいる感覚では街の会場を予約するイメージですが、海外では「どの団体に所属しているか」が入口になるため、前提がまるごと変わります。ここを知らずに渡航してから探し始めると、選択肢が一時帰国だけになってしまうことがあります。
そしてもう一点。英検が受けられるかどうかは、学校選びの決め手にはなりにくいのが実情です。渡航直後のご家庭が実際に向き合うのは、次の章以降で扱う入学時の英語テストと、有料の英語サポートのほうです。英検は「帰国を見据えた資格」として、日程を含めて別枠で計画するのが現実的です。
在住中に英検を受ける3つの道(比較表)
以上をふまえると、マレーシア在住中に英検を受ける現実的な道は次の3つに整理できます。「近隣国まで受けに行く」という話も聞かれますが、公表されている海外本会場は前述の4都市のみで、シンガポールやタイなど近隣国も同じく学校の準会場が中心と考えられます。近隣国での受験を検討する場合は、その国で実施している団体に直接確認が必要です。
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| 比較項目 | ① 在籍校の準会場 | ② 一時帰国して受ける | ③ 帰国後にS-CBT |
|---|---|---|---|
| 申込の窓口 | 在籍する学校(団体申込) | 日本国内の本会場に個人申込 | S-CBTに個人申込 |
| 受けられる級 | 2〜5級 | 1〜5級 | 準1〜3級 |
| 二次試験 | 本会場で受験(事前確認が必要) | 同じ帰国中に組める | 1日で完結 |
| ハードル | 学校が実施しているかに依存 | 日程と渡航費 | 低い |
| 向いている家庭 | 日本人学校・補習授業校に在籍 | 1級・準1級を狙う/帰国予定が読める | 帰国後に受け直す前提 |
①について、決定的な手がかりが学校側の公式サイトにあります。クアラルンプール日本人学校は年間行事に英語検定を掲げ、一次・二次をそれぞれ年2回(小学部・中学部)実施していると示しています。そして同校は問い合わせページで「英検の受験について、本校に在籍する児童生徒以外は受験することができません」と明記しています。つまり、この会場を外部のご家庭が借りて受験することはできません。「知り合いのお子さんは現地で受けられたのに、うちは申し込めない」という食い違いの正体はここにあります。
①の前提になる日本語での教育機関について補足します。マレーシアには全日制の日本人学校がありますが、外務大臣の指定を受けた補習授業校は「ペナン日本人補習授業校」「ペラ日本人補習授業校」の2校で、クアラルンプールは指定の一覧に含まれていません。KLで日本語の学習を続ける場合は、日本人学校か民間の日本語塾・オンラインが選択肢になります。なおペナン側については、日本人学校・補習授業校の公開情報で英検の実施を確認できませんでした(補習授業校のサイトは現在閲覧できない状態です)。海外の準会場は英検協会も一覧を公開していないため、実施の有無は在籍先・入学予定先に直接確認するのが唯一確実な方法です。
検定料について、まず押さえておきたいのは海外会場の検定料は本会場・準会場とも別途案内される扱いで、日本国内の金額をそのまま当てはめられないことです。海外本会場については英検協会が「日本国内と異なります」と明記しています。現地の準会場で受ける場合も、実際にいくらかかるかは実施団体に確認してください。
※参考として日本国内の2026年度検定料は、準会場で一次・本会場で二次を受ける場合が2級6,800円・準2級プラス6,300円・準2級6,000円・3級4,900円・4級2,800円・5級2,400円、一時帰国して一次・二次とも本会場で受ける場合が1級12,400円・準1級10,400円・2級9,000円・3級6,800円などです(前年度から一律100円の引き下げ)。これは日本国内の金額で、海外での受験費用ではありません。
マレーシアで実際に受けられる英語検定
結論として、マレーシアで現実的に受けられるのは、小学生ならケンブリッジ英検の子ども向け(Pre A1 Starters/A1 Movers/A2 Flyers)、高校・大学進学を見据えるならIELTSやTOEFL iBTです。ポイントは、子どもの年齢によって受けられる試験がはっきり分かれることです。
ケンブリッジ英検の子ども向け(Pre A1 Starters/A1 Movers/A2 Flyers)
小学生に最も現実的な選択肢です。ケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge English)が6〜12歳の学習者向けに設計している3段階の試験で、Pre A1 Startersは約45分、A1 Moversは約1時間、A2 Flyersは約1時間15分。最大の特徴は合否がなく、受験した全員が証明書(シールド)を受け取ることです。各パート最大5つのシールドで結果が示され、各技能で4〜5シールドが取れていれば次の級に進む目安とされます。落ちるという概念がないため、はじめての受験で自信を折らずに実力を測れます。
マレーシアにはクアラルンプール・ペタリンジャヤ・ペナン・ジョホールバルなど各地に認定試験センターがあり、公式の案内では子ども向けの試験は通年で実施され、正確な日程は地域の試験センターに確認する形とされています。受験料はケンブリッジ本体ではなく各認定センターが設定します(国によっては推奨価格が公表されていますが、マレーシア向けの価格表は現在公開されていません)。そのため金額と日程は、受けたいセンターへの問い合わせが必要です。なお「Cambridge English Education Partner」と表示している学校は対策コースの提供者で、試験を実施する認定センターとは役割が異なる点に注意してください。
ケンブリッジ英検の上の段階(A2 Key/B1 Preliminary/B2 First)
中学生以上は、CEFR(外国語能力を6段階で示す国際的な指標)に対応したこれらの試験に進みます。A2 KeyがCEFR A2、B1 PreliminaryがB1、B2 FirstがB2に対応し、学齢者向けには題材を調整した「for Schools」版があります(レベルと形式は大人版と同じです)。大人向けA2 Keyの紙の試験は2026年12月3日の回をもって廃止され、以降はデジタルのみになります(公式サイト内に「6月が最終」という旧案内も残っています)。A2 Key for Schoolsは紙・デジタルとも継続し、B1 Preliminary・B2 Firstはこの廃止の対象外です。
IELTS(16歳未満は推奨されていない)
大学進学やビザで最も広く使われる試験で、マレーシアではIDPがクアラルンプール・ペナン・ジョホールバルなど18都市・20会場で実施しています(このほかBritish Councilも別に実施しています)。受験料はIELTS on ComputerがRM960(約3.7万円)、UKVI向けがRM1,065、UKVI Life SkillsがRM880です。1技能だけ受け直せるOne Skill Retakeもあり、こちらはコンピューター受験が対象で、元の受験日から60日以内に受験を終える必要があります。
ただしIELTSは16歳未満の受験は推奨されていません(オンライン版は18歳未満が受験不可)。小学生の実力測定に使う試験ではない、と理解しておくのが安全です。
TOEFL(Primary・Juniorは学校経由のみ)
マレーシアはETSが公表するTOEFL iBTの実施国リストに含まれ、自宅で受けるHome Editionはリスト掲載地域のすべてで利用できるとされています(対面の会場については「掲載地域のほぼすべてにある」という表現なので、会場の有無は申込時にご確認ください)。子ども向けにはTOEFL Primary(8歳以上)とTOEFL Junior(11歳以上)がありますが、これらは学校・機関がまとめて実施するのが基本で、ETSのサイトに個人向けの登録窓口はありません。公式ハンドブックには保護者が現地のETS窓口に連絡して受験を手配する道も書かれていますが、マレーシアのETS公認窓口が対応していると公表しているのはTOEICのみです。逆に言えば、通学先の学校が校内で実施していればその学校を通じて受けられます。受けられるかどうかは、通学先の学校か現地窓口への確認が必要です。
TOEIC・Linguaskillは子ども向けではない
TOEICは、ETS公認のEPNオフィス(Sinergia Asia/ペタリンジャヤ)がマレーシアの窓口で、Listening & Readingの公開試験は毎月実施と案内されています(同社サイトの表示はRM365〜)。ただし具体的な試験日はカレンダーとして公開されておらず、問い合わせて確認する運用です。Cambridge EnglishのLinguaskillは報告レンジがB1〜C2で、社会人・大学生向けの位置づけです。いずれも小中学生の英語力測定には向きません。
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| 試験 | 対象年齢の目安 | マレーシアで受けられるか | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 英検 | 小学生〜 | × 公表会場なし(学校の準会場のみ) | 日本の進学・帰国生入試 |
| ケンブリッジ英検 YLE | 6〜12歳 | ○ 認定センターで受験可 | 実力の把握・学習の目標 |
| ケンブリッジ英検 A2〜B2 | 中学生〜 | ○ 認定センターで受験可 | 進学・英語力の証明 |
| IELTS | 16歳以上を推奨 | ◎ 18都市で実施 | 大学進学・ビザ |
| TOEFL iBT | 高校生〜 | ○ 実施国(自宅受験も可) | 大学進学 |
| TOEFL Primary/Junior | 8歳〜/11歳〜 | △ 学校・機関経由のみ | 学校内での測定 |
検定より先に来るのは「入学時の英語テスト」
ここまで検定の話をしてきましたが、マレーシアのインター校へ入る段階で実際に効いてくるのは、外部の検定スコアではなく学校が独自に行う英語テストです。主要校の公式サイトを確認した範囲では、IELTSなど外部検定のスコアを入学要件として掲げている学校は見つかりませんでした。代わりに各校が自校のアセスメントを実施し、その結果に応じて有料の英語サポートを求めます。
| 学校(公式サイトの記載) | 英語に関する扱い |
|---|---|
| Mont'Kiara International School | Grade 1以上は入学アセスメント(読み・書き・算数)を受け、英語を習得中の子にはEAL(追加言語としての英語)のアセスメントも実施。英語力アセスメント料はRM1,272(サービス税6%込み・約4.9万円/返金不可)。EALは1学期あたりIntensiveが RM5,000(約19.4万円)、G1〜5のSupportが RM2,000、G6〜10のEnglish Bが RM3,000。1年が2学期制のため通年で受ければ2学期分かかります。EALの提供はG1〜5とG6〜10で、G11・G12には提供なしと明記 |
| IGB International School | ESOL(英語サポート)は有料プログラムで、必要と判断された生徒は入学のために受講が求められる。提供はG1〜G8(G9以降は必要な英語力を前提とするため終了)。ESOLは1学期あたりRM5,000(英語力のレベルに応じて変動)で、学年ごとに受け入れ枠の上限がある |
| Nexus International School | 選考ではアセスメント結果・成績表・履修科目とあわせて英語力のレベルを見る。EAL Intensive/Foundation English Programは1タームあたり授業料の20%(1年3ターム制で授業料もターム請求=通年でも授業料の約20%)。定員あり |
| Garden International School | 英語が授業言語であることを明記し、妥当な期間でカリキュラムに追いつけるかを基準に判断。小学部は6歳6か月以上がオンライン診断テストを受け、授業内観察に招かれる場合がある。中等部はオンライン診断に加えて在籍校の成績表と推薦文が審査される |
※各校が公表している最新の料金表・入学案内にもとづく記載です(RM1≒38.7円で換算。Mont'Kiaraのアセスメント料以外はサービス税6%が別途)。費用の請求単位は学校ごとに違い(Mont'Kiara・IGBISは2学期制、Nexusは3ターム制)、料金は年度ごとに見直されます。出願前に必ず学校の公式資料でご確認ください。
この表で意思決定に直結するのは学年の上限です。英語サポートには提供学年の区切りがあり、上の学年で編入する場合は「サポートを受けながら追いつく」という前提が使えなくなります。渡航学年が遅くなるほど、英語力そのものが出願の可否を左右する構造だと理解しておくと、準備の順番を間違えません。だからこそ在住中に取り組む価値があるのは、日本向けの英検よりも、学校が見る「読む・書く・聞く・話す」の土台づくりということになります。
- 入学時のテスト:英語のテストは何を測りますか。読み・書き・聞き・話すのどれが含まれますか。
- 外部スコアの扱い:英検やケンブリッジ英検の証明書を提出すると、選考や英語サポートの判定で考慮されますか。
- サポートの費用と単位:英語サポートの費用はタームか年額か、サービス税は含みますか。
- 対象学年:入学予定の学年に、英語サポートは提供されていますか。何年生まで受けられますか。
- 校内の検定:学校としてケンブリッジ英検やTOEFL Junior/Primaryを実施していますか。実施日はいつごろですか。
- 英検の実施(日本人学校・補習授業校の場合):英検を実施していますか。対象学年・級・年間の回数と、二次試験はどのように受けますか。
最後の項目はとくに重要です。準会場で一次試験に合格しても二次試験は本会場で受ける前提のため、「受けられます」という回答だけで判断せず、二次試験までの道筋を確認しておいてください。
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お子さんの年齢・英語歴・帰国の予定から、在住中に受けられる検定と学校の英語テスト対策の順番を、現地スタッフが個別に整理します。
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進学・ビザで英語の証明が必要になる場面
子どもが小さいうちは検定の必要性を感じにくいものですが、進路の節目では英語力の証明が求められます。マレーシアで想定される場面を整理します。
マレーシアの大学・カレッジへ進む場合
留学生としてマレーシアの高等教育機関へ進む場合、学生パスの手続きを扱うEMGS(Education Malaysia Global Services)が、申請時に英語能力の証明書の提出を求めています。EMGSが受理する試験は、MUET/IELTS(オンライン含む)/TOEFL iBT/TOEFL Essentials/PTE Academic(オンライン含む)/ケンブリッジ英検(B1 Preliminary・B2 First・C1 Advanced・C2 Proficiency)/Linguaskill Online/OET/ELS認定集中英語プログラム(CIEP Level)の9系統です。全機関に共通する最低スコアはなく、必要なスコアは進学先の機関・プログラムごとに設定され、EMGSサイトのコース詳細ページで確認できます。なお、マレーシア高等教育省は2020年に、ケンブリッジ英検・Linguaskill・OETを私立高等教育機関の留学生の最低入学要件として認定しています。
※EMGSは高等教育(大学・カレッジ)の留学生向けの窓口です。インターナショナルスクールなど初等・中等の学校に通う場合の学生パスは、学校を通じた別のルートになります。混同しないようご注意ください。
すでに英語で学んできた場合は免除されることがある
マレーシアの大学の中には、英語検定の提出を「英語以外の言語で教育を受けてきた出願者」に限って求めると案内しているところがあります。インター校で英語による教育を受けてきた場合、この条件で免除されることがあるという意味です。EMGSの申請でも「直近の学歴が英語で教えられ、英語で試験されたか」を尋ねる設問があり、ここが分岐点になります。ただし免除の判断は機関側の入学要件として決まるため、志望校の出願要件で個別に確認してください。
この構造は、インター校を選ぶ段階での判断にも関わります。英語で学んできた実績そのものが、進学時の英語証明の代わりになり得るということです。そのため単発の検定対策にとどまらず、英語を授業言語として学ぶ期間をどれだけ確保できるかが、結果として英語力の定着につながりやすくなります。
長期滞在ビザに英語試験の要件は示されていない
保護者の滞在に関わるMM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)やDE Rantau(リモートワーカー向けのパス)について、公表されている要件のなかに英語試験のスコアは示されていません。ただしビザの条件は変更が続いている分野のため、申請を検討する時点で必ず公式情報を確認してください。
日本の学校に戻る・受験する場合
帰国生入試では、学校によって英語力の目安として英検の級が示されることがあります。日本の進路を視野に入れているなら、英検は「現地で受ける検定」ではなく帰国のタイミングに合わせて計画する資格と位置づけるのが現実的です。帰国後の学校選びについては、あわせて下の関連記事もご覧ください。
よくある質問
マレーシアに英検の会場はありますか?
英検協会が公表している海外の本会場はロンドン・ニューヨーク・ロサンゼルス・ホノルルの4都市、英検S-CBTの海外会場はロサンゼルス・ニューヨーク・ロンドン・デュッセルドルフ・デトロイト・サンノゼ・ヒューストンの7都市で、いずれにもマレーシアは含まれていません(2026年8月時点)。現地で受けられるのは、在籍している学校などの団体が自校を会場として実施する「準会場」の場合に限られます。
インターナショナルスクールに通いながら英検を受けられますか?
準会場は原則として、受験者が所属する団体からの団体申込による方式です。英検協会は一般受験者を受け入れる準会場の一覧も公開していますが、掲載は日本国内の団体のみで海外の団体はありません。またクアラルンプール日本人学校は英検を実施している一方で、在籍する児童生徒以外は受験できないと公式に明記しています。そのためインター校に通う場合は、一時帰国して日本国内の会場で受けるか、帰国後に英検S-CBTを利用するか、マレーシアで受けられる別の検定に切り替えるかの選択になります。
英検の一次試験に海外で合格した場合、二次試験はどこで受けますか?
英検協会は「二次試験の準会場実施はございません」と明記しており、二次試験は本会場で受ける建てになっています。二次試験の日程案内では海外や離島などが「一部特別会場」の受験者として区分されていますが、マレーシアの具体的な会場は公開されていません。受験を決める前に、実施団体と英検協会の双方へ必ず確認してください。
小学生の子どもがマレーシアで受けられる英語検定はありますか?
ケンブリッジ英検の子ども向け(Pre A1 Starters・A1 Movers・A2 Flyers)は6〜12歳を対象に設計され、合否ではなく全員が証明書を受け取る形式のため、はじめての受験に向いています。マレーシアにはクアラルンプールやペナンなど各地にケンブリッジ英検の認定試験センターがあり、子ども向けの試験は通年で実施され、日程と受験料は各センターに確認する形です。IELTSは16歳未満には推奨されておらず、TOEFL Primary・TOEFL Juniorは学校や機関がまとめて実施するのが基本で、個人向けの登録窓口はありません。
マレーシアのインター校に入るのに英検やIELTSのスコアは必要ですか?
公式サイトを確認した範囲では、外部の英語検定スコアを入学要件として掲げている学校は見つかりませんでした。多くの学校は独自の英語アセスメントを実施し、その結果に応じて有料の英語サポート(EAL・ESOLなど)の受講を求めます。つまり検定より、入学時の校内テストと英語サポートの費用・対象学年のほうが先に効いてきます。
主な参照元(2026年8月時点)
- 英検の海外受験:公益財団法人 日本英語検定協会「英検・海外受験会場案内」(applyab.eiken.or.jp)/「英検S-CBT 海外会場」(eiken.or.jp/s-cbt_abroad/)
- 準会場・団体申込の条件、二次試験の扱い、2026年度検定料:日本英語検定協会「団体申込について」「会場」「団体受験 検定料」「2026年度 団体申込 試験日程」各ページ/「一般受験者受け入れ準会場」案内および受け入れ団体一覧(eiken-ukeire.jp)
- クアラルンプール日本人学校の英検実施と受験対象:同校公式サイト「年間行事」「お問い合わせ」(jskl.edu.my)
- 外務大臣が指定した補習授業校:外務省「外務大臣が指定した教育施設一覧」(令和4年外務省告示第303号)
- ケンブリッジ英検:Cambridge English 公式(Pre A1 Starters/A1 Movers/A2 Flyers 各ページ、Young Learners の結果の見方、A2 Key/B1 Preliminary/B2 First 各ページ、試験日程ページ、受験の申し込みページ、認定試験センター検索、Linguaskill ページ)/同「Young Learners」関連の公式PDF(対象年齢6〜12歳の記載)/同ヘルプセンター「Withdrawal of paper-based A2 Key in 2026」および Examination dates 2026/同公式ニュース「マレーシア高等教育省によるCambridge English等の認定」
- IELTS:IDP IELTS Malaysia「Test fee」「Test dates(18都市・20会場)」各ページ/ielts.org「One Skill Retake」(60日以内に受験)/IDP「IELTS Online Terms and Conditions」(16歳未満は非推奨・18歳未満はオンライン不可)
- TOEFL・TOEIC:ETS「TOEFL iBT Where to Test(国別リスト)」「Testing Options(Home Edition)」/「TOEFL Primary」「TOEFL Junior」各ページおよび各Handbook(申込ルート)/ETS「EPN Directory」(マレーシアの公認窓口=Sinergia Asia Sdn Bhd/対応はTOEIC)/同社公式サイト(L&Rの公開試験の案内)
- 各校の入学時アセスメント・英語サポート費用:Mont'Kiara International School(School FAQs/Fee Schedule 2025-2026)/IGB International School(English Support/Fees)/Nexus International School(How to Apply/School Fees)/Garden International School(Application Process)
- 進学・ビザ:EMGS「Guidelines/Required Documents」(英語能力証明と受理される9系統の試験)/EMGSのコース詳細ページ(機関別の最低スコアの例)/EMGS「Student Visa Application User Guide」(英語で教えられ試験されたかを問う設問)/マレーシア入国管理局 Student Pass ページ(高等教育と学校段階の書き分け=学校段階は移民局へ提出)/Sunway University「How to Apply(International)」/マレーシア政府 DE Rantau Nomad Pass 案内
- 為替:マレーシア中央銀行(Bank Negara Malaysia)公表レートをもとにRM1≒38.7円で換算