ルシュエット|マレーシア留学・教育移住
法人向け・海外研修の制度設計

社員の海外派遣・語学研修の設計|制度・費用負担・税務をマレーシアで整理【2026年版】

「英語ができる社員を育てたい」から始めると、たいてい研修は一度きりで終わります。続く制度にするために先に決めておくことを、受け入れ側の現地から整理しました。

この記事は、社員の海外派遣・語学研修を検討している人事・人材開発のご担当者に向けて書いています。結論として、海外派遣・語学研修でつまずくのは行き先選びではなく社内の制度設計です。目的・選抜基準・期間・費用負担・税務・効果測定の6点を先に文書で決めておけば、二人目以降は同じ枠組みで送り出せます。この記事では、その6点をマレーシアを例に、公的な一次情報を挙げながら順に整理します。現地での見積の内訳や手配の進め方は、姉妹記事の「企業の海外研修をマレーシアで」で詳しく扱っているため、本記事では社内側の制度設計に絞ります。

制度設計で先に決める6項目

海外研修の情報は「目的」「メリット」「成功のポイント」までは多く出回っていますが、実際に社内で文書化しなければならない項目を並べたものはほとんどありません。私たちが企業のご担当者とお話ししていて、決まっていないことが多いのは次の6つです。

決める項目決まっていないと起きること
① 目的(何ができるようになれば成功か)効果を説明できず、翌年の予算が通らない
② 選抜基準(誰を、どう選ぶか)「なぜあの人だけ」という不公平感が残る
③ 期間(何週間・何か月か)在留資格の区分を後から間違いに気づく
④ 費用負担(会社と本人の割合・帰任後の扱い)都度交渉になり、二人目から条件がぶれる
⑤ 税務上の扱い(給与課税になるかどうか)年末調整・税務調査の段階で処理を戻すことになる
⑥ 効果測定(何をいつ測るか)帰国後に「良い経験だった」で終わる

順番も重要で、①目的が決まらないうちに③期間や行き先を先に決めると、あとから全部やり直しになります。以下、①から順に見ていきます。

現地からのリアル

受け入れる側から見ると、成果が出る派遣とそうでない派遣は、渡航前の時点でだいたい分かります。違いは英語力ではなく、本人が「何のために来たか」を自分の言葉で言えるかどうかです。会社の目的が曖昧なまま送られてきた方は、現地でも「とりあえず授業に出る」以上の動き方ができません。

逆に、帰国後にこの業務を任せると決まっている方は、初日から学校のクラス分けや自主学習の使い方の相談が具体的です。目的の言語化は、実は現地での過ごし方に直結します。

目的と選抜基準をどう決めるか

目的は「英語力向上」で止めず、帰国後の具体的な業務に接続した一文まで落とすのが実務的です。たとえば「海外顧客とのオンライン定例会に、通訳なしで自社が担当者として出られる状態にする」といった書き方であれば、達成したかどうかを後から判定できます。判定できない目的は、効果測定(⑥)でそのまま行き詰まります。

選抜基準は、語学力だけで切らないほうが制度として続きます。現在の語学力で選ぶと、もともと英語ができる社員が繰り返し選ばれ、伸びしろの大きい層に機会が回りません。実務では「帰国後にその英語を使うポジションにいるか」「一定期間の勤務継続が見込めるか」といった業務側の条件と組み合わせるほうが、費用対効果の説明もしやすくなります。

また、選抜のプロセス自体を公募制にするか指名制にするかで、社内の受け止め方が変わります。公募制は応募という形で本人の意思が確認できるため、後述する費用負担の設計とも整合を取りやすい方式です。

期間設計:マレーシアは3か月が制度上の分岐点

マレーシアでの語学研修は、就学期間が3か月を超える場合にStudent Pass(学生ビザ)が必要とEMGSが案内しており、3か月以下は公式の基準がないため受入校への個別確認が要ります。期間を予算だけで決めると、渡航直前に計画を組み直すことになりかねません。

まず入国そのものについて、外務省の海外安全ホームページは、日本国籍者は査証免除の取決めにより3か月以内の滞在は査証(ビザ)が不要で、旅券の残存期間は6か月以上必要としています。あわせて、2023年12月1日からMDAC(マレーシア・デジタル入国カード)の事前登録が国際線の旅客に義務づけられており、出発の3日前から入力できます。

問題はその先で、「査証が不要=語学学校に通ってよい」ではありません。マレーシア教育省が管轄するEMGS(Education Malaysia Global Services)は、就学期間が3か月を超えるプログラムにはStudent Pass(学生ビザ)が必要と案内しています。さらにマレーシア入国管理局は、Student Passの申請時点で申請者がマレーシア国外にいることを要件としており、入国してから切り替える運用は想定されていません。

一方で、3か月以下の短期研修がどの区分にあたるかについては、「何週間から必要になるか」という基準が公式に明記されていません。入国管理局のShort Term Social Visit Pass(短期訪問パス)の許可目的一覧は、観光・親族訪問・商談・会議・工場視察・セミナー参加などを挙げていますが、語学コースの受講は含まれていません(大学での受験や親善目的の学生は挙げられています)。

なお、Professional Visitor Pass(専門訪問パス)を短期研修に使えると説明されることがありますが、入国管理局の公式ページを読むと、これは専門的な役務をマレーシア側に提供する側のための制度で、対象は専門家・交換留学や企業インターンのプログラム参加者などです。一般の語学学校へ短期入学する目的は列挙されていません

つまり、3か月以下の短期就学は公式が明示的に定めていない領域です。これは「マレーシアには送れない」という意味ではなく、学校やコースによって当局への確認・許可の状況が異なるため、個別に確認する必要があるということです。

企業として押さえるべき手順はシンプルで、①渡航期間と研修内容(週あたりの授業時間・コース名)を具体的に固める → ②受入校に「この期間・このコースで、どの資格で入国すべきか」「同じ条件の短期受け入れについて当局に確認した結果があるか」を確認する → ③その回答を書面で受け取り、社内の決裁資料に添付して残す、という流れです。ここまで揃えば、コンプライアンス上の説明はできます。逆に、本記事を含む第三者の一般的な説明だけを根拠に決裁を取ることは避けてください。

← 横にスクロールできます →

期間在留資格の考え方事前手続き制度設計上の使いどころ
〜1か月査証免除の範囲内。就学扱いの可否は要事前確認MDAC登録複数名を回す短期集中型
1〜3か月同上。期間が延びるほど学校・当局への確認が必須MDAC登録選抜者への中期派遣
3か月超Student Passが必要(EMGS公式)入国前に国外から申請準備期間を含めて長期計画が前提
運用しやすい確認事項が増える前倒しの準備が必須
▲ 期間と在留資格の関係。3か月超はEMGS公式にStudent Passが必要と明記され、申請時に国外にいる必要があるため、渡航日から逆算した準備が要ります。3か月以下の就学の扱いは公式に週数基準がないため、必ず受入先と当局へ事前確認してください(ルシュエット作成)

期間と在留資格の組み合わせから、一緒に整理します

「何週間なら何が必要か」は、研修内容と受入先によって確認先が変わります。
現地スタッフが、御社の想定に沿って確認すべき順番からご案内します。

法人研修について相談する 入力は1分・しつこい営業は行いません

費用負担と、規程に書いておくこと

費用負担は「全額会社負担か、一部本人負担か」だけの話ではありません。制度として運用するなら、負担する費目の範囲帰任後の扱いを規程に書き分けておく必要があります。

負担する費目の範囲を先に区切る

研修費・渡航費までは会社負担とし、滞在中の食費や私的な旅行費は本人負担、といった線引きです。ここが曖昧だと、二人目以降で「前の人はどうだったか」という前例照会が毎回発生します。後述する税務の判断でも、費目ごとの整理があるかどうかが効いてきます

「帰任後すぐ辞めたら」をどう扱うか

実務でよく検討されるのが、費用を負担するかわりに一定期間の勤務継続を求め、早期に退職した場合は費用の返還を求めるという規定です。ただしここは慎重な設計が必要で、労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額をあらかじめ予定する契約を禁じています

ただし、これは「返還規定は置けない」という意味ではありません。中央労働委員会が公開している労働紛争の調整事例の解説資料は、この論点について裁判例が何を見てきたかを次のように整理しています。

裁判例が総合的に勘案してきた5つの要素
① 研修・留学費用に関する、労働契約と区別された金銭消費貸借(貸付)の有無
② 研修・留学への参加の任意性・自発性
③ 研修・留学の業務性の程度
返還免除基準の合理性
返済額・返済方式の合理性

※厚生労働省・中央労働委員会「労働紛争の調整事例」解説資料より。裁判例はこれらを総合的に勘案して判断しているとされています。

この5点が、そのまま制度設計のチェックリストになります。実務で「費用を貸与し、帰任後に一定期間勤務した場合は返還を免除する」という組み立てが採られるのは、①の消費貸借の形を明確にするためです。また②③との関係で、業務命令ではなく公募制を採る企業が多いのもここに理由があります。

一方で、これらは総合判断であり、裁判例も事案によって結論が分かれています。「この形にすれば必ず有効」と言える定型はありません。条文化の前に、必ず社会保険労務士や弁護士へご相談ください。

研修時間の労務上の扱い

もう一点、見落とされやすいのが研修時間を労働時間として扱うかです。厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」は、参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講の時間は労働時間にあたるとしています。

逆に、業務上義務づけられていない自由参加のものであれば労働時間に該当しません。ただし厚生労働省のリーフレットは、不参加が減給処分の対象とされていたり、不参加によって業務を行うことができなかったりするなど、事実上参加を強制されている場合は、自由参加の形式であっても労働時間に該当すると明記しています。「応募制にしたから自由参加」と形式だけで整理するのではなく、不参加による不利益な取扱いなど実質的な強制力が働いていないかを、実態に即して判断する必要があります

海外研修は平日昼間に授業が入るため、休職・有給・出張のどの扱いにするかで給与や社会保険の処理が変わります。期間を決めた直後、渡航手配より前に人事・労務側で確定させておくのが安全です

安全配慮義務と、渡航中の労災の扱い

制度設計で最後に抜けやすいのが、渡航中に何かあったときの備えです。労働契約法第5条は「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と定めています。勤務地を限定した条文ではないため、海外渡航中の社員にも安全配慮義務が及ぶと解されています。外務省も、危機管理担当者に対して出張者・赴任者へ具体的な備えを提供するよう求めています。

特に確認しておきたいのが労災保険の扱いです。厚生労働省の「特別加入制度のしおり(海外派遣者用)」は、「海外出張」であれば何ら特別の手続きを要することなく国内の事業場の労災保険から給付を受けられる一方、「海外派遣」の場合は特別加入の手続きをしていなければ労災保険の給付を受けられないと説明しています。どちらにあたるかは勤務の実態によって総合的に判断されるとされ、同資料では海外出張の例として「技術習得などのために海外に赴く場合」が挙げられています。

語学研修がどちらに整理されるかは実態次第で断定できません。所属や指揮命令がどこにあるかを整理したうえで、労働基準監督署に事前確認しておくことをおすすめします。あわせて、規程には次の3点を書いておくと運用が安定します。

規程に入れておく項目実務上のポイント
海外旅行保険への加入治療・救援費用の補償範囲と、会社負担か本人負担かを明記する
緊急連絡体制本人・現地受入先・日本本社・家族をつなぐ連絡経路を渡航前に確定させる
渡航登録3か月未満の渡航は外務省「たびレジ」への登録(任意)。3か月以上の滞在は旅券法第16条により在留届の提出が義務

※在留届が義務となる「3か月以上」という区切りは、前章で見た在留資格の3か月の分岐と数字が一致します。期間を3か月超で設計する場合は、在留資格・在留届・労災の3点がまとめて変わると考えてください。

税務:給与課税にならないための線引き

会社が負担する海外研修費用は、業務遂行上の必要にもとづき職務に直接必要な知識を習得させるためのもので、金額が適正であれば、所得税基本通達36-29の2により課税しなくて差し支えないとされています。一方で、観光渡航とみなされる場合の扱いは異なります。この線引きは、稟議より先に押さえておくべき論点です。

所得税基本通達36-29の2は、使用者が自己の業務遂行上の必要にもとづき、役員または使用人に職務に直接必要な技術もしくは知識を習得させ、または免許・資格を取得させるための研修会・講習会等の出席費用等を負担する場合、その金額が適正なものに限り課税しなくて差し支えないとしています。タックスアンサーNo.2601も同じ趣旨です。

海外研修で特に注意したいのが、タックスアンサーNo.2603です。ここでは職務に直接必要と認められない例として「観光渡航の許可をもらい海外で行う研修旅行」が明示されています。つまり、渡航目的と実際の活動内容によって判断されるということで、この点は前章の在留資格の整理とも地続きです。研修プログラムの内容・時間割・出席記録を残しておく実務的な意味はここにあります。

なお、社員の学資に充てるために支給する金銭(学資金)の非課税を扱うタックスアンサーNo.2588では、通常の給与に加算して支給されるものであることが要件とされています。給与から差し引く形の設計は前提が変わるため注意してください。

※税務の取扱いは、研修の具体的な内容・費目・支給方法によって結論が変わります。本記事は一次情報の所在を示すもので、個別の判断は必ず顧問税理士または所轄の税務署にご確認ください。

助成金は使えるのか

先に結論を言うと、一般的な語学研修は助成の対象になりません。ここは期待して調べる方が多い部分なので、はっきり書いておきます。助成金を前提に置いた稟議は組まないでください。

厚生労働省の人材開発支援助成金は現在7コースで構成されています。海外が関係するのは「人への投資促進コース」の成長分野等人材訓練で、こちらは海外を含む大学院での訓練を対象とし、経費助成の限度額を受講者1人・1年あたり海外500万円(国内150万円)としています。ただし条件は厳格です。

項目公式資料に定められている内容
対象となる訓練海外を含む大学院での訓練(語学学校は対象外)
対象者の要件学士以上+語学要件(英語ならTOEFL iBT 100/IELTS 7.0以上)+累積GPA 3.00以上
分野の限定海外大学院は情報科学・情報工学、理工学、経営分野などに関連が必要
賃金助成海外の大学院での訓練は対象外(国内大学院のみ)
実施期間令和4〜8年度の期間限定(令和8年度=2026年度が最終年度)

さらに重要なのは、同コースの公式資料が助成の対象外となる訓練の例として「日常会話程度の語学の習得のみを目的とする講習」を明記している点です。つまり、語学研修を助成対象と示唆する説明を見かけても、それを根拠に社内で計画を立てるべきではありません。

制度は年度ごとに改定され、上記コースは2026年度が最終年度とされています。活用を検討する場合は必ず管轄の労働局に事前確認してください。実務としては、助成金を織り込まなくても成立する予算を先に組み、通れば上乗せという順番が安全です。

効果測定と、稟議の組み立て方

効果測定は、渡航前に測っておかないと成立しません。帰国後だけスコアを測っても、伸びを示せないからです。実務では、語学スコアのような測れる指標と、業務での行動変化のような測れない指標を、はじめから分けて設計します。

測るものいつ測るか使いみち
語学スコア(社内で採用している検定など)渡航前・帰国直後伸び幅を数値で示す
本人の目標(帰国後に担う業務の記述)渡航前・帰国3か月後目的が達成されたかの判定
上長の観察(英語を使う場面での行動)帰国3か月後・6か月後定着したかの確認
本人の報告(社内共有会など)帰国1か月以内次の候補者への波及

稟議は、「一人あたりの費用」ではなく「その人が帰国後に担う業務」を主語にすると通りやすくなります。費用を単体で見せると高く見えますが、たとえば外部委託していた業務を内製化できる、あるいは海外案件の対応が一人で回せるようになる、といった業務側の変化と並べれば比較の土台ができます。

また、初年度は少人数で型を作り、二年目以降に人数を増やす設計にしておくと、①〜⑥の運用上の穴が小さいうちに見つかります。いきなり大人数を送ると、選抜基準や費用負担の曖昧さが一斉に表面化します。

稟議の「起案理由」に入れる4要素

決裁者に説明するとき、次の4つが揃っていると議論が費用の是非から先へ進みます。空欄は自社の数字で埋めてください。

要素書く内容
① 現状の課題どの業務で、英語が理由の停滞が起きているか(件数・頻度)
② 現在かかっているコスト外部通訳・翻訳費、対応までのリードタイムなど、今すでに払っているもの
③ 到達状態帰国後にその社員が担う業務を、判定できる形で記述する(①の目的と同じ一文)
④ リスクへの手当て在留資格の確認記録、費用返還の扱い、安全配慮義務まわりの整備状況

特に④は、決裁者から必ず出る「それ、大丈夫なの?」に先回りする部分です。本記事の前半で整理した確認事項が、そのまま④の材料になります。

派遣先にマレーシアが挙がる理由

制度が固まったうえで行き先を比べるなら、マレーシアには法人研修に向いた条件がいくつかあります。ただし前提として、マレーシアは英語圏ではありません。マレーシア政府の公式ポータルは公用語をマレー語とし、そのうえで英語が国内の商取引・産業の言語として依然として支配的であると記載しています。「英語が公用語」という説明は正確ではないので、社内資料に書く際はご注意ください。

そのうえで、業務との両立という観点では次の点が効きます。

英語環境という観点では、相手の多くが英語の非ネイティブであることが、かえって研修向きに働く面もあります。詳しくはマレーシアの英語事情で整理しています。

現地からのリアル

法人のご担当者から実際によくいただくのは、「授業の時間割と、日本の会議の時間をどう重ねるか」という相談です。時差1時間は数字で見ると小さいのですが、午前を授業、日本の午後にあたる時間帯を業務にあてるといった組み方ができるため、完全に業務を離れられない方の派遣可否がここで変わります。

期間と学校を決める前に、この時間の組み方を先に決めておくと、学校選びの条件(午前クラスがあるか、通学時間はどれくらいか)まで自動的に絞り込めます。

導入までの進め方(5ステップ)

実際に企業のご担当者と進めるときの順番です。③より前に行き先や学校を決めないことが、やり直しを防ぐ最大のポイントです。

  1. 目的を一文にする

    「帰国後にこの業務を担える状態にする」まで具体化します。ここが決まると、以降の判断がほぼ機械的に決まります。

  2. 選抜基準と費用負担を決める

    公募か指名か、費目の線引き、帰任後の扱い。労務・法務の確認が必要な論点はこの段階で洗い出します。

  3. 期間を決め、在留資格を確認する

    3か月を超えるかどうかで手続きが変わります。研修内容を整理したうえで、受入先と当局に事前確認します。

  4. 学校・プログラムを選び、見積を取る

    授業の時間帯や通学時間まで含めて選定します。見積の内訳の見方は法人研修の記事で詳しく扱っています。

  5. 渡航前測定 → 派遣 → 帰国後の測定

    渡航前のスコアと目標の記述を残し、帰国後3か月・6か月で確認します。ここまでが一巡です。

制度の設計段階からご相談いただけます

期間・在留資格・学校選定は、御社の目的が決まっていれば逆算で絞り込めます。
現地スタッフが、確認すべき順番と必要な手続きを整理してお伝えします。

法人研修について相談する 入力は1分・しつこい営業は行いません

よくある質問

海外派遣・語学研修の費用を会社が負担すると、社員の給与として課税されますか?

国税庁は、使用者が自己の業務遂行上の必要にもとづき、職務に直接必要な技術や知識を習得させるための研修会・講習会等の出席費用を負担する場合、その金額が適正なものに限り課税しなくて差し支えないとしています(所得税基本通達36-29の2、タックスアンサーNo.2601)。逆に、タックスアンサーNo.2603では、観光渡航の許可を得て海外で行う研修旅行は原則として職務に直接必要と認められないとされています。判断は渡航目的と実際の活動内容によるため、制度化の前に顧問税理士へご確認ください。

マレーシアでの語学研修に、学生ビザ(Student Pass)は必要ですか?

マレーシア教育省管轄のEMGSは、就学期間が3か月を超えるプログラムについてStudent Pass(学生ビザ)が必要と案内しています。3か月以下の扱いは公式に週数の基準が明記されていないため、一律に「観光目的の入国で語学学校に通える」と考えるのは危険です。またマレーシア入国管理局は、Student Passの申請時点で申請者がマレーシア国外にいることを求めており、入国後の切り替えは想定されていません。期間と在留資格は、受入先の学校とEMGSに必ず事前確認してください。

研修費用を負担するかわりに「早期退職したら返還する」という規定は置けますか?

労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり損害賠償額を予定する契約を禁じています。ただし返還規定が一律に置けないわけではなく、厚生労働省・中央労働委員会の解説資料は、裁判例が①労働契約と区別された金銭消費貸借の有無、②参加の任意性・自発性、③研修の業務性の程度、④返還免除基準の合理性、⑤返済額・返済方式の合理性を総合的に勘案して判断してきたと整理しています。実務では①を明確にするため、費用を貸与し一定期間の勤務で返還を免除する形が採られます。ただし総合判断であり裁判例も事案によって結論が分かれるため、条文化の前に社会保険労務士や弁護士へご相談ください。

海外語学研修に助成金は使えますか?

一般的な語学研修は対象になりません。厚生労働省の人材開発支援助成金のうち人への投資促進コースの「成長分野等人材訓練」は、海外を含む大学院での訓練を対象とし、経費助成の限度額を受講者1人・1年あたり海外500万円としています。ただし対象者は学士以上・語学要件・累積GPA3.00以上、分野も情報科学や理工学、経営などに限定され、海外の大学院での訓練は賃金助成の対象外です。同コースの公式資料は、助成対象外となる訓練の例として「日常会話程度の語学の習得のみを目的とする講習」を明記しています。制度は令和4〜8年度の期間限定とされているため、検討の際は必ず管轄の労働局にご確認ください。

主な参照元

  • 外務省 海外安全ホームページ(マレーシア 入国・出国/査証・MDAC)
  • 外務省 海外安全ホームページ(マレーシア 危険情報)
  • マレーシア入国管理局(imi.gov.my)Student Pass/Short Term Social Visit Pass/Professional Visitor Pass
  • EMGS(Education Malaysia Global Services)Student Visa 申請案内
  • マレーシア入国管理局 MDAC 登録ポータル
  • 国税庁 所得税基本通達 36-29の2(課税しない経済的利益)
  • 国税庁 タックスアンサー No.2601(従業員に対して研修費用を支給したとき)
  • 国税庁 タックスアンサー No.2603(従業員の海外渡航費を負担したとき)
  • 国税庁 タックスアンサー No.2588(学資に充てるための費用を支給したとき)
  • e-Gov 法令検索 労働基準法 第16条(賠償予定の禁止)
  • 厚生労働省 中央労働委員会 労働紛争の調整事例(研修・留学費用の返還に関する解説)
  • 厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
  • 厚生労働省 労働時間の考え方に関するリーフレット(研修・教育訓練の取扱い)
  • e-Gov 法令検索 労働契約法 第5条(労働者の安全への配慮)
  • 外務省 海外安全ホームページ(企業の危機管理担当者向け情報)
  • 外務省 海外旅行登録「たびレジ」/在留届(旅券法第16条)
  • 厚生労働省 労災保険 特別加入制度のしおり(海外派遣者用)
  • 厚生労働省 人材開発支援助成金(コース一覧)
  • 厚生労働省 人材開発支援助成金 人への投資促進コースのご案内(令和8年度版)
  • マレーシア政府ポータル(malaysia.gov.my)公用語に関する案内
  • マレーシア政府観光局 基本情報(時差)/アクセス(所要時間・就航路線)
  • 日本貿易振興機構(ジェトロ)マレーシア 基礎的経済指標・日系企業数
本記事に記載した費用・制度・学校情報は、2026年8月時点に公開されている情報にもとづく目安です。為替はRM1≒38.7円で換算しています。制度や料金は改定されることがあるため、お申し込みの前に各公式サイト、または当社までご確認ください。