海外に住む日本人のうち、期限を定めずに住んでいる人(永住者)の割合は、国によってどれくらい違うのでしょうか。外務省の統計から、在留邦人が3,000人以上の30か国について計算しました。最も高いのはアルゼンチンの96.6%、最も低いのはベトナムの3.3%で、その差は約29倍あります。
この調査のまとめ2025年10月1日現在
- 永住者比率は国によって約29倍の開きがあります。アルゼンチンの96.6%からベトナムの3.3%までです(2025年10月1日現在)。
- 地域でまとまった差が出ます。南米が91.7%と最も高く、中東は4.4%でした。
- 2018年からの7年で大きく動いた国があります。フランスは20.4%から43.5%へ+23.1ポイント、台湾は+20.3ポイントでした。
- 「永住者」は永住権を持つ人という意味ではありません。外務省の定義では「現に在留する国(地域)に期限を定めずに居住している邦人」です。
目次
永住者比率の国別ランキング
在留邦人が3,000人以上の30か国について、永住者の割合が高い順に並べました。右端は2018年からの変化です。
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| 国・地域 | 永住者比率(2025年) | 永住者比率(2018年) | 変化 | 永住者(2025年) | 在留邦人の総数(2025年) | 順位 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| アルゼンチン | 96.6% | 95.3% | +1.3pt | 9,818 | 10,168 | 1位 |
| パラグアイ | 91.7% | 91.0% | +0.7pt | 3,517 | 3,837 | 2位 |
| ブラジル | 90.7% | 92.6% | -1.9pt | 44,461 | 49,037 | 3位 |
| スウェーデン | 74.5% | 75.7% | -1.2pt | 3,659 | 4,911 | 4位 |
| カナダ | 68.5% | 62.3% | +6.2pt | 51,569 | 75,316 | 5位 |
| スイス | 65.5% | 52.0% | +13.5pt | 8,049 | 12,297 | 6位 |
| オーストラリア | 61.7% | 59.6% | +2.1pt | 65,085 | 105,566 | 7位 |
| オーストリア | 58.9% | 42.8% | +16.1pt | 2,012 | 3,415 | 8位 |
| ニュージーランド | 58.4% | 51.9% | +6.5pt | 12,529 | 21,471 | 9位 |
| 米国 | 56.1% | 47.0% | +9.1pt | 233,475 | 416,380 | 10位 |
| イタリア | 54.2% | 34.5% | +19.7pt | 6,535 | 12,067 | 11位 |
| スペイン | 49.2% | 34.9% | +14.3pt | 4,792 | 9,733 | 12位 |
| 英国 | 48.1% | 40.0% | +8.1pt | 29,955 | 62,270 | 13位 |
| フランス | 43.5% | 20.4% | +23.1pt | 15,662 | 36,023 | 14位 |
| ドイツ | 42.6% | 28.1% | +14.5pt | 19,026 | 44,648 | 15位 |
| ベルギー | 39.8% | 27.2% | +12.6pt | 2,226 | 5,592 | 16位 |
| 韓国 | 38.7% | 31.6% | +7.1pt | 17,229 | 44,471 | 17位 |
| フィリピン | 34.4% | 33.5% | +0.9pt | 4,592 | 13,342 | 18位 |
| 台湾 | 33.6% | 13.3% | +20.3pt | 7,318 | 21,755 | 19位 |
| アイルランド | 32.7% | 28.7% | +4.0pt | 1,049 | 3,210 | 20位 |
| メキシコ | 30.4% | 22.5% | +7.9pt | 2,845 | 9,344 | 21位 |
| オランダ | 26.8% | 21.5% | +5.3pt | 3,006 | 11,225 | 22位 |
| シンガポール | 14.5% | 7.5% | +7.0pt | 4,848 | 33,397 | 23位 |
| インドネシア | 11.7% | 6.0% | +5.7pt | 1,787 | 15,266 | 24位 |
| マレーシア | 9.0% | 7.7% | +1.3pt | 1,767 | 19,690 | 25位 |
| 中国 | 7.1% | 2.7% | +4.4pt | 6,577 | 92,928 | 26位 |
| インド | 4.6% | 2.9% | +1.7pt | 406 | 8,865 | 27位 |
| アラブ首長国連邦 | 4.4% | 2.5% | +1.9pt | 232 | 5,300 | 28位 |
| タイ | 3.8% | 2.2% | +1.6pt | 2,733 | 72,113 | 29位 |
| ベトナム | 3.3% | 1.4% | +1.9pt | 550 | 16,636 | 30位 |
出典:外務省『海外在留邦人数調査統計』各年版(2018〜2025年・各年10月1日現在)。割合は当社の計算。比率が振れやすい小規模の国を除くため、在留邦人が3,000人以上の国に限っています(統計上の基準ではなく、当社が読みやすさのために設けた区切りです)。
出典:外務省『海外在留邦人数調査統計』各年版(2018〜2025年・各年10月1日現在)。割合は当社の計算/作図:ルシュエット
地域でまとまった差が出ます
外務省の地域区分でまとめると、次のようになります。対象はこの記事で扱う30か国のみです。
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| 地域 | 永住者比率 | 永住者 | 在留邦人の総数 | 対象国数 |
|---|---|---|---|---|
| 南米 | 91.7% | 57,796 | 63,042 | 3か国 |
| 大洋州 | 61.1% | 77,614 | 127,037 | 2か国 |
| 北米 | 58.0% | 285,044 | 491,696 | 2か国 |
| 西欧 | 46.7% | 95,971 | 205,391 | 11か国 |
| 中米 | 30.4% | 2,845 | 9,344 | 1か国 |
| アジア | 14.1% | 47,807 | 338,463 | 10か国 |
| 中東 | 4.4% | 232 | 5,300 | 1か国 |
出典:外務省『海外在留邦人数調査統計』各年版(2018〜2025年・各年10月1日現在)。割合は当社の計算。地域の区分は同統計のとおりです。
※この表は対象30か国だけを地域ごとに足したもので、その地域全体の数字ではありません。在留邦人が3,000人未満の国は含まれていません。
※対象が1か国しかない地域があります(大洋州=2か国・北米=2か国・中米=1か国・中東=1か国)。その地域を代表する数字としては読めません。
7年で動いた国
2018年と2025年で永住者比率がどれだけ動いたか、変化の大きい順に並べました。
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| 国・地域 | 2018年 | 2025年 | 変化 |
|---|---|---|---|
| フランス | 20.4% | 43.5% | +23.1pt |
| 台湾 | 13.3% | 33.6% | +20.3pt |
| イタリア | 34.5% | 54.2% | +19.7pt |
| オーストリア | 42.8% | 58.9% | +16.1pt |
| ドイツ | 28.1% | 42.6% | +14.5pt |
| スペイン | 34.9% | 49.2% | +14.3pt |
| スイス | 52.0% | 65.5% | +13.5pt |
| ベルギー | 27.2% | 39.8% | +12.6pt |
| 米国 | 47.0% | 56.1% | +9.1pt |
| 英国 | 40.0% | 48.1% | +8.1pt |
| メキシコ | 22.5% | 30.4% | +7.9pt |
| 韓国 | 31.6% | 38.7% | +7.1pt |
出典:外務省『海外在留邦人数調査統計』各年版(2018〜2025年・各年10月1日現在)。割合は当社の計算
※比率が上がった=永住者が増えた、とは限りません。永住者の人数が変わらなくても、長期滞在者(分母の一部)が減れば比率は上がります。フランスは2018年→2025年で総数44,261→36,023人・台湾は2018年→2025年で総数24,280→21,755人でした。比率だけでなく、人数の動きとあわせてご覧ください。
なぜ動いたのかは、この統計からは分かりません。永住者が増えたのか、長期滞在者が減ったのか、その両方なのかは人数を見れば分かりますが、その背景にある事情(就労・結婚・制度変更など)は統計に含まれていません。
マレーシアの位置づけ
マレーシアの永住者比率は9.0%で、30か国のなかで25位です。在留邦人19,690人のうち永住者は1,767人、残る17,923人が長期滞在者でした。
9割以上が長期滞在者という構成です。長期滞在者が動けば、全体の数字がそのまま動く構造だといえます。
マレーシアは長期滞在ビザの制度があり、期限を定めた滞在として届け出る方が多くなります。ただしこれは届出上の区分の話で、ご本人が「ずっと住むつもりか」とは別です。統計の「永住者」「長期滞在者」は、気持ちではなく届出の区分だとお考えください。
調査方法と、このデータの限界
使ったデータ
- 外務省『海外在留邦人数調査統計』各年版(2018〜2025年)の一覧表から、国・地域別の在留邦人数と永住者数を取得しました(確認日:2026年9月21日)。
- 永住者比率(永住者 ÷ 在留邦人の総数)と、2018年からの変化は当社の計算です。人数はすべて公表値そのままです。
- 内訳(長期滞在者+永住者)が総数と一致しない行は、在外公館単位の集計とみなして除いています。
このデータで分かること・分からないこと
- 「永住者」は永住権を持つ人ではありません。外務省の定義は「現に在留する国(地域)に期限を定めずに居住している邦人」で、長期滞在者は「期限を定めて居住している邦人」です。
- 在留届を基礎資料とした推計です。届出の件数そのものではなく、在外公館が管轄区域内の在留邦人数を推計した値です。
- 在留期間が3か月未満の短期滞在者は対象外です。
- この統計に含まれない国があります。ウクライナ・アフガニスタン・シリアは、在留邦人の安全上の理由から邦人数等の公表が差し控えられており、この統計には含まれていません(外務省『海外在留邦人の動向』より)。
- 比率が動いた理由は分かりません。滞在の目的・制度の変更などは統計に含まれていません。
- 対象は在留邦人3,000人以上の30か国です。これより小さい国では比率が極端に振れるため、当社の判断で区切りました。
- 香港は外務省の統計では中国に含まれます。
出典一覧
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| 調査・資料名(リンク先で原典を確認できます) | 実施機関(原データの提供元) | 年次(基準日) | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 海外在留邦人数調査統計 各年版(2018〜2025年・各年10月1日現在)の一覧表 | 外務省 | 2025年10月1日現在が最新。3か月未満の短期滞在者は対象外 | 2026年9月21日 |
本記事の集計表・グラフは、出典表示のうえ引用・転載いただけます
当社が計算した永住者比率・{Y1 - Y0}年間の変化と、作成した図表のレイアウト・解説文は、ご連絡なしで引用・転載いただけます。引用の際は、下記のように出典とリンクを添えてください。
出典:ルシュエット「日本人はどの国に「住み続けて」いるか|永住者比率の国別データ【2026年版】」
https://luchouette.com/column/data-eijusha-hiritsu/
※政府統計そのものの数値は、各機関の利用規約に従ってください。本記事が再配布を許諾するのは、当社が計算・作図した部分に限ります。出典元の資料にも同じ数値が載っている場合は、原資料をあわせてご確認ください。
※このデータは毎年更新します。引用の際は、記事の更新日をあわせてご確認ください。
よくある質問
永住者比率が最も高い国はどこですか。
在留邦人が3,000人以上の30か国ではアルゼンチンで96.6%です(2025年10月1日現在)。次いでパラグアイ(91.7%)、ブラジル(90.7%)でした。
永住者比率が最も低い国はどこですか。
ベトナムで3.3%です。次いでタイ(3.8%)、アラブ首長国連邦(4.4%)でした。上位と比べると約29倍の差があります。
「永住者」とは永住権を持っている人のことですか。
違います。外務省の定義では、永住者は「現に在留する国(地域)に期限を定めずに居住している邦人」で、その国の永住権を持っているかどうかとは別です。長期滞在者は「期限を定めて居住している邦人」です。
マレーシアの永住者比率はどれくらいですか。
9.0%で、30か国のなかで25位です。在留邦人19,690人のうち永住者は1,767人で、9割以上が長期滞在者という構成です。
7年間で最も比率が動いた国はどこですか。
フランスで、2018年の20.4%から2025年の43.5%へ+23.1ポイント動きました。ただし理由はこの統計からは分かりません。
なぜ南米の永住者比率が高いのですか。
この統計からは分かりません。滞在の目的や経緯は公表されていないため、本記事では理由に踏み込んでいません。