海外で日本の教育に触れられる学校は、どの地域に多いのでしょうか。文部科学省の日本人学校一覧(90校)と、外務省の補習授業校一覧(246校)をそれぞれ地域別に数えました。日本人学校はアジアに40校と集中している一方、北米は4校だけです。ところが補習授業校は北米が89校で最多でした。同じ「日本の教育」でも、地域によって受け皿の形が違います。
この調査のまとめ令和8年(2026年)4月1日時点ほか
- 日本人学校はアジアに集中しています。90校のうち40校(44.4%)がアジアにあります。
- 北米の日本人学校は4校だけです。一方で補習授業校は89校あり、北米の学校の95.7%が補習授業校でした。
- 地域によって受け皿の形が違います。補習授業校が占める割合は、アジアの40.3%から北米の95.7%まで開きます。
- 在籍者数でも補習授業校のほうが多くなっています。日本人学校が約1万6千人、補習授業校が約2万1千人です(令和6年(2024年)4月15日時点)。
目次
地域別の校数
2つの学校を合わせた数が多い順に並べました。「補習授業校の割合」は、その地域の学校のうち補習授業校が占める割合です。
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| 地域 | 日本人学校 | 補習授業校 | 合計 | 補習授業校の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 欧州 | 21 | 78 | 99 | 78.8% |
| 北米 | 4 | 89 | 93 | 95.7% |
| アジア | 40 | 27 | 67 | 40.3% |
| 大洋州 | 3 | 26 | 29 | 89.7% |
| 中南米 | 13 | 13 | 26 | 50.0% |
| 中東 | 6 | 6 | 12 | 50.0% |
| アフリカ | 3 | 7 | 10 | 70.0% |
| 合計 | 90 | 246 | 336 | 73.2% |
出典:日本人学校=文部科学省『認定した在外教育施設一覧』(令和8年(2026年)4月1日時点)、補習授業校=外務省『外務大臣が指定した在外教育施設(補習授業校)一覧』。いずれも当社が地域別に数えました。割合は当社の計算です。合計は日本人学校90校・補習授業校246校で、それぞれの一覧の総数と一致します。
出典:日本人学校=文部科学省『認定した在外教育施設一覧』(令和8年(2026年)4月1日時点)、補習授業校=外務省『外務大臣が指定した在外教育施設(補習授業校)一覧』。いずれも当社が地域別に数えました/作図:ルシュエット
出典:日本人学校=文部科学省『認定した在外教育施設一覧』(令和8年(2026年)4月1日時点)、補習授業校=外務省『外務大臣が指定した在外教育施設(補習授業校)一覧』。いずれも当社が地域別に数えました/作図:ルシュエット
北米は、ほとんどが補習授業校です
北米にある学校93校のうち、日本人学校は4校、補習授業校は89校です。95.7%が補習授業校にあたります。
補習授業校は、現地の学校やインターナショナルスクールに通いながら、土曜日や放課後に国語を中心とした授業を受ける場です。北米では「現地校に通いながら日本語を続ける」ための場が、校数の上では大半を占めているということです。ただし1校あたりの規模(在籍者数)は一覧に載っていないため、実際に何人がどちらに通っているかは分かりません。「中心になっている」と言い切れるだけの根拠は、この資料にはありません。
※在籍者数は全国計しか公表されておらず(日本人学校約1万6千人/補習授業校約2万1千人・令和6年(2024年)4月15日時点、文部科学省CLARINET)、地域別の内訳はありません。
アジアは日本人学校が中心です
アジアの67校のうち、日本人学校が40校、補習授業校が27校です。補習授業校の割合は40.3%で、7つの地域のなかで最も低くなっています。
日本人学校90校のうち44.4%がアジアに集まっています。ただし、この数字から理由を読み取ることはできません。企業の進出状況、在留邦人の構成、学校の設立経緯など、いずれもこの一覧には含まれていないためです。
マレーシアには日本人学校が4校(クアラルンプール・ジョホール・コタキナバル・ペナン)、補習授業校がペナンとペラにあります。
私たちにご相談いただく方の多くはインターナショナルスクールを選ばれますが、「日本に戻る予定がある」場合は補習授業校の併用を検討される方もいます。日本人学校とインター校のどちらかではなく、インター校+補習授業校という組み合わせも選択肢に入ります。
この集計から言えること・言えないこと
言えるのは、地域によって学校の構成が違うということです。北米は補習授業校が95.7%、アジアは40.3%と、はっきり差が出ています。
言えないのは、どちらが充実しているかです。在籍者数の地域別内訳が公表されておらず、学校の規模も一覧には含まれていません。校数が多いことが、通いやすさや選びやすさを意味するとは限りません。
調査方法と、このデータの限界
使ったデータ
- 日本人学校:文部科学省『認定した在外教育施設一覧』(令和8年(2026年)4月1日時点)のPDFを当社が地域別に数えました。合計が公表値の90校と一致することを確認しています(確認日:2026年9月21日)。
- 補習授業校:外務省『外務大臣が指定した在外教育施設(補習授業校)一覧』のPDFを当社が地域別に数えました(246校)。
- 「補習授業校の割合」は当社の計算です。
このデータで分かること・分からないこと
- 国別には出していません。補習授業校の一覧は「地域・施設名・管轄在外公館」の形式で、国名の列がありません。公館名から国を推測することはできますが、資料に書かれていない情報なので本記事では行っていません。両方の資料に書いてある「地域」でそろえました。
- 出どころも時点も違う2つの資料を並べています。日本人学校は文部科学省の認定一覧(令和8年(2026年)4月1日時点)、補習授業校は外務省の指定一覧です。基準日をそろえた比較ではありません。
- 補習授業校の校数は、文部科学省が公表している数(242校・令和6年(2024年)7月1日時点)とは一致しません。認定・指定の制度と時点が違うためです。本記事では外務省の一覧を数えた246校を使っています。
- 在籍者数の地域別内訳は公表されていません。校数が多い地域に多くの子どもが通っているとは限りません。
- 学校の規模は含まれていません。1校あたりの児童生徒数は一覧に載っていません。
- 私立在外教育施設(6校)は含んでいません。
出典一覧
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| 調査・資料名(リンク先で原典を確認できます) | 実施機関(原データの提供元) | 年次(基準日) | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 認定した在外教育施設一覧(日本人学校) | 文部科学省 | 令和8年(2026年)4月1日時点 | 2026年9月21日 |
| 外務大臣が指定した在外教育施設(補習授業校)一覧 | 外務省 | 確認日に掲載されていた一覧を集計(一覧には基準日の記載がなく、各校の指定日のみ載っています) | 2026年9月21日 |
| 在外教育施設の概要(CLARINET)=在籍者数の出典 | 文部科学省 | 日本人学校=令和6年(2024年)4月15日、補習授業校=令和6年(2024年)4月15日時点 | 2026年9月21日 |
本記事の集計表・グラフは、出典表示のうえ引用・転載いただけます
当社が集計した地域別の校数・計算した割合と、作成した図表のレイアウト・解説文は、ご連絡なしで引用・転載いただけます。引用の際は、下記のように出典とリンクを添えてください。
出典:ルシュエット「日本の教育に触れられる場所は世界のどこにあるか|地域別データ【2026年版】」
https://luchouette.com/column/data-kaigai-kyoiku-chiiki/
※政府統計そのものの数値は、各機関の利用規約に従ってください。本記事が再配布を許諾するのは、当社が計算・作図した部分に限ります。出典元の資料にも同じ数値が載っている場合は、原資料をあわせてご確認ください。
※このデータは毎年更新します。引用の際は、記事の更新日をあわせてご確認ください。
よくある質問
日本人学校が最も多い地域はどこですか。
アジアで40校です。日本人学校90校のうち44.4%がアジアにあります(令和8年(2026年)4月1日時点)。
補習授業校が最も多い地域はどこですか。
北米で89校です。補習授業校246校のうち36.2%が北米にあります。
北米には日本人学校が少ないのですか。
校数で見ると4校です。一方で補習授業校は89校あり、北米の学校の95.7%を補習授業校が占めます。ただし1校あたりの規模(在籍者数)は公表されていないため、実際に何人がどちらに通っているかは分かりません。校数の構成から言えるのはここまでです。
日本人学校と補習授業校は何が違いますか。
日本人学校は全日制で、平日にそこへ通います。補習授業校は、現地の学校やインターナショナルスクールに通っている子どもが、土曜日や放課後に国語を中心とした授業を受ける場です。在籍者数は補習授業校のほうが多く、日本人学校が約1万6千人、補習授業校が約2万1千人です(令和6年(2024年)4月15日時点)。
国別の校数は分かりますか。
日本人学校は国別に分かります(別記事で扱っています)。補習授業校は一覧に国名の列がないため、本記事では地域別のみを扱っています。
マレーシアにはどちらがありますか。
日本人学校が4校(クアラルンプール・ジョホール・コタキナバル・ペナン)、補習授業校がペナンとペラにあります。