世界で日本語が学ばれている理由は何でしょうか。国際交流基金の『海外日本語教育機関調査』は、各機関に学習の目的をたずねています(複数回答)。2024年度調査で最も多くの機関が挙げたのは「アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味」で61.3%でした。「日本への留学」(37.3%)や「日本での将来の就職」を上回っています。ただしこれは機関の割合であって、学習者の人数の割合ではありません。
この調査のまとめ2024年度調査(2026年3月公表)
- 最も多いのは「アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味」で61.3%です。11,862機関が挙げました。次いで「日本語そのものへの興味」(56.8%)、「歴史・文学・芸術等への興味」(44.4%)です。
- 進路に関わる目的は、文化への興味より下でした。「日本への留学」は37.3%、「日本での将来の就職」は36.4%です。
- 12地域のうち10地域で「アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味」が1位でした。最も高いのは北アフリカの94.1%です。
- 例外は南アジア・アフリカです。南アジアは「日本への留学」(84.6%)、アフリカは「日本語そのものへの興味」(80.6%)が1位でした。
目次
世界全体の学習目的
各機関が「当てはまる目的」を選ぶ方式です(複数回答)。割合は、回答した機関のうちその目的を挙げた機関の比率です。
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| 順位 | 学習の目的 | 挙げた機関の割合 | 機関数 |
|---|---|---|---|
| 1位 | アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味 | 61.3% | 11,862 |
| 2位 | 日本語そのものへの興味 | 56.8% | 10,980 |
| 3位 | 歴史・文学・芸術等への興味 | 44.4% | 8,592 |
| 4位 | 日本への留学 | 37.3% | 7,217 |
| 5位 | 日本での将来の就職 | 36.4% | 7,043 |
| 6位 | 日本への観光旅行 | 33.9% | 6,560 |
| 7位 | 自国内での進級・受験・進学 | 29.8% | 5,759 |
| 8位 | 自国内での現在の仕事・将来の就職 | 24.9% | 4,816 |
| 9位 | 科学・技術への興味 | 21.4% | 4,141 |
| 10位 | 国際理解・国際親善活動・異文化交流 | 20.1% | 3,879 |
| 11位 | 政治・経済・社会等への興味 | 13.4% | 2,597 |
| 12位 | 母語または継承語 | 11.0% | 2,126 |
| 13位 | その他 | 8.0% | 1,544 |
出典:国際交流基金『海外日本語教育機関調査』2024年度(2026年3月公表)の集計表 6-1。複数回答のため、合計は100%になりません。回答は任意です。
出典:国際交流基金『海外日本語教育機関調査』2024年度(2026年3月公表)の集計表 6-1/作図:ルシュエット
※この割合は「機関」の割合です。「日本語を学んでいる人の61.3%がアニメ目的」という意味ではありません。1つの機関に何人いるかは、この集計に反映されていません。
地域によって理由が変わります
地域ごとに、最も多くの機関が挙げた目的を並べました。右端は比較のため「日本への留学」の割合です。
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| 地域 | 最も多かった目的 | その割合 | 「日本への留学」の割合 |
|---|---|---|---|
| 北アフリカ | アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味 | 94.1% | 88.2% |
| 北米 | アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味 | 92.2% | 51.4% |
| 中東 | アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味 | 91.2% | 64.7% |
| 南米 | アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味 | 90.8% | 71.3% |
| 東欧 | アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味 | 88.1% | 61.4% |
| 西欧 | アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味 | 85.5% | 47.4% |
| 南アジア | 日本への留学 | 84.6% | 84.6% |
| アフリカ | 日本語そのものへの興味 | 80.6% | 79.2% |
| 中米 | アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味 | 74.9% | 57.6% |
| 東南アジア | アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味 | 67.9% | 43.9% |
| 大洋州 | アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味 | 52.9% | 14.6% |
| 東アジア | アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味 | 45.4% | 20.1% |
出典:国際交流基金『海外日本語教育機関調査』2024年度(2026年3月公表)の集計表 6-1。地域の区分は同調査のとおりです。
南アジア・アフリカだけは「アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味」が1位ではありませんでした。南アジアは「日本への留学」が84.6%で最も多くなっています、アフリカは「日本語そのものへの興味」が80.6%で最も多くなっています。
「日本への留学」を挙げた機関が多い国
目的として「日本への留学」を挙げた機関の割合が高い順です。回答した機関が20以上の国・地域に限っています(機関数が少ないと割合が極端に振れるため、当社が設けた区切りです)。
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| 国・地域 | 地域 | 「日本への留学」を挙げた機関の割合 | 機関数 |
|---|---|---|---|
| マダガスカル | アフリカ | 100.0% | 20 |
| ネパール | 南アジア | 92.8% | 295 |
| バングラデシュ | 南アジア | 89.1% | 147 |
| スリランカ | 南アジア | 85.9% | 256 |
| ペルー | 南米 | 80.8% | 21 |
| モンゴル | 東アジア | 78.0% | 128 |
| ミャンマー | 東南アジア | 76.5% | 524 |
| インド | 南アジア | 74.3% | 283 |
| アルゼンチン | 南米 | 71.0% | 44 |
| ブラジル | 南米 | 69.9% | 216 |
| ハンガリー | 東欧 | 65.7% | 23 |
| マレーシア | 東南アジア | 64.1% | 139 |
| 香港 | 東アジア | 62.9% | 39 |
| ベトナム | 東南アジア | 62.7% | 307 |
| ロシア | 東欧 | 59.9% | 115 |
出典:国際交流基金『海外日本語教育機関調査』2024年度(2026年3月公表)の集計表 6-1。世界全体では37.3%です。
この調査で分かること・分からないこと
分かるのは、日本語を教えている機関が「学習者はこういう目的で来ている」と捉えているかです。複数回答なので、1つの機関が複数の目的を挙げています。
分からないのは、学習者一人ひとりの目的です。この調査は機関に対して行われており、学習者本人に聞いたものではありません。また機関の規模も反映されていないため、「学習者の何%が」という読み方はできません。
マレーシアで日本語を学んでいる方に理由をうかがうと、アニメや日本食がきっかけという声をよく聞きます。この調査の数字とも方向は合っていますが、私たちが会う範囲の話で、統計で裏づけられるものではありません。
逆に言えば、日本語ができる人は世界中にいて、その多くは留学や就職を目的にしているわけではないということでもあります。海外で「日本語が通じるかもしれない」と期待しすぎないほうが無難です。
調査方法と、このデータの限界
使ったデータ
- 国際交流基金『海外日本語教育機関調査』2024年度(2026年3月公表)の集計表「6-1 日本語学習の目的(全体)」から取得しました(確認日:2026年9月21日)。
- 数値はすべて公表値そのままです。順位づけは当社が行いました。
このデータで分かること・分からないこと
- これは「機関」の割合で、学習者の人数の割合ではありません。「日本語学習者の61.3%がアニメ目的」という意味ではありません。
- 複数回答です。1つの機関が複数の目的を挙げるため、合計は100%になりません。
- 回答は任意です。この設問に答えなかった機関は集計に含まれていません。
- 機関が捉えている目的です。学習者本人に聞いた調査ではありません。
- 機関の規模は反映されていません。学習者が1万人いる機関も10人の機関も、同じ1機関として数えられます。
- 3年おきの調査です。毎年の数字ではありません。
- 日本国内の日本語教育は含まれません。この調査は海外の機関を対象にしています。
出典一覧
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| 調査・資料名(リンク先で原典を確認できます) | 実施機関(原データの提供元) | 年次(基準日) | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 海外日本語教育機関調査 2024年度(集計表 6-1 日本語学習の目的) | 独立行政法人 国際交流基金 | 2024年度調査(2026年3月公表)。複数回答・回答は任意 | 2026年9月21日 |
本記事の集計表・グラフは、出典表示のうえ引用・転載いただけます
当社が作成した順位表・図のレイアウトと解説文(割合は公表値そのままです)は、ご連絡なしで引用・転載いただけます。引用の際は、下記のように出典とリンクを添えてください。
出典:ルシュエット「世界の人はなぜ日本語を学ぶのか|学習目的のデータ【2026年版】」
https://luchouette.com/column/data-nihongo-gakushu-mokuteki/
※政府統計そのものの数値は、各機関の利用規約に従ってください。本記事が再配布を許諾するのは、当社が計算・作図した部分に限ります。出典元の資料にも同じ数値が載っている場合は、原資料をあわせてご確認ください。
※このデータは調査が3年おきのため、次回調査の公表に合わせて更新します。引用の際は、記事の更新日をあわせてご確認ください。
よくある質問
世界で日本語を学ぶ理由で最も多いのは何ですか。
日本語教育機関が最も多く挙げたのは「アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味」で、回答した機関の61.3%(11,862機関)でした(2024年度調査)。ただしこれは機関の割合で、学習者の人数の割合ではありません。
「日本への留学」を目的に挙げた機関はどれくらいですか。
37.3%(7,217機関)です。「アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味」(61.3%)や「日本語そのものへの興味」(56.8%)より下でした。
地域によって理由は違いますか。
違います。12地域のうち10地域で「アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味」が1位でしたが、南アジアは「日本への留学」(84.6%)、アフリカは「日本語そのものへの興味」(80.6%)が1位でした。
この数字は学習者の何%という意味ですか。
違います。これは日本語教育機関のうち、その目的を挙げた機関の割合です。機関の規模は反映されていないため、学習者の人数から見た割合とは異なります。
合計が100%を超えるのはなぜですか。
複数回答だからです。1つの機関が当てはまる目的をいくつでも選べるため、割合を足すと100%を超えます。
この調査はいつ行われたものですか。
2024年度の調査で、2026年3月に公表されました。3年おきに行われています。