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マレーシア移住・生活ガイド

マレーシア移住の手続き|海外転出届・SIM・運転免許の順番と期限【2026年】

学校もビザも決まった。でも「役所で何をして、現地で最初に何をするのか」は誰も教えてくれない——渡航3か月前から渡航後3か月までにやることを、順番と期限つきで並べました。

結論から言うと、マレーシア移住の実務は「日本で閉じる手続き」と「現地で立ち上げる手続き」の2本立てで、失敗の大半は"順番"で起きます。特に急ぐのは3つ。①海外転出届は原則として出国前(おおむね14日前〜当日)に済ませる必要がある②マイナンバーカードは転出届のときに申請しないと国外転出予定日に失効する③運転免許は2026年8月時点でマレーシア免許への切替が止まっている——この3つは日本を出たあとでは取り返しがつきにくい手続きです。以下、時系列で整理します。

全体像:渡航3か月前〜渡航後3か月のチェックリスト

手続きは点で覚えると必ず抜けます。「いつやるか」で束ねると、やり忘れがほぼなくなります。下の5フェーズが全体像です。

  1. 渡航 3か月前

    方針を決める(届出を出すか・免許をどうするか)

    この時点で決めておくと、あとの手続きが機械的に進みます。

    • 海外転出届を出すかどうかを決める(滞在予定期間で判断)
    • 現地で運転するかを決める(するなら国際運転免許証の準備へ)
    • 日本の銀行・証券口座を残すか整理するかを決める
  2. 渡航 1〜2か月前

    日本でしか取れない書類を先に取る

    窓口が平日のみ・即日で終わらないものを先に片づけます。

    • 国際運転免許証(国外運転免許証)の発給申請
    • 銀行・証券会社の海外転出向け手続きの申込(出国前しか受け付けない金融機関が多い)
    • 学校へ提出する書類の取得(お子さんの英文の成績証明・在籍証明、予防接種の記録の英訳など)
    • その他の各種証明書(在職証明・卒業証明など)の取得
  3. 出国 14日前 〜 出国当日

    役所をまとめて回る

    海外転出届の受付期間は出国日のおおむね14日前から当日までとする自治体が多く、出国後にさかのぼっての受付はできないと明示している自治体もあります。取り扱いには自治体差があります。

    • 海外転出届+マイナンバーカードの国外継続利用申請(同時に行う)
    • 国民健康保険の資格喪失・保険証(資格確認書)の返却
    • 国民年金の任意加入を選ぶ場合はその申出
    • 郵便局へ転居届(国内の実家などへ)
  4. 渡航後 1週間

    生活のインフラを立ち上げる

    ここが遅れると、住居契約も銀行口座も連鎖して止まります。

    • SIM(現地の電話番号)を取得する ← 最優先
    • 在留届をオンラインで提出する
    • スマホ決済(Touch 'n Go eWallet など)を現地番号で登録する
  5. 渡航後 1〜3か月

    住まいと口座を固める

    長期滞在パスが出そろってから動くほうが結果的に早く終わります。

    • 賃貸契約(テナンシー・アグリーメント)と印紙税の納付
    • 電気・水道の名義手続き
    • 現地銀行口座の開設

▲ マレーシア移住の実務を時系列で並べたチェックリストです。制度は変わるため、各手続きの最新の要件は必ず公式サイトや窓口でご確認ください。(2026年8月時点/ルシュエット作成)

現地からのリアル

ご相談を受けていて一番多いのが、「渡航直前の2週間に全部が集中してパンクする」というパターンです。役所も金融機関も平日の日中しか動かないので、引っ越し・荷造り・お子さんの学校の手続きと重なると本当に回りません。逆に、上のフェーズ1と2を先に済ませてしまえば、最後の2週間は役所1〜2日で終わります。

もうひとつ多いのが、現地に着いてから「SIMが後回しになって全部止まる」ケースです。マレーシアでは現地の電話番号がないと、配車アプリも決済アプリも物件見学のアポも動きません。到着日か翌日にSIM、と決めておくのがおすすめです。

日本側の手続き①:海外転出届とマイナンバーカード

最初に押さえるべきは、海外転出届は原則として出国前に済ませる手続きだという点です。多くの自治体が受付期間を「出国日のおおむね14日前から当日まで」としており、出国後にさかのぼっての受付はできないと明示している自治体もあります。一方で、やむを得ない事情がある場合に出国後の郵送提出を受け付ける自治体もあり、出国後の届出の可否・郵送や代理人による提出の可否・期限の扱いは、自治体によって判断が分かれます。渡航が決まった時点で、住民票のある市区町村へ直接確認してください。

海外転出届(国外転出届)とは:日本の住民票から抜けて「日本に住んでいない人」になるための届出です。住民税・国民健康保険・国民年金の扱いがまとめて変わります。

出す・出さないの判断

多くの自治体は「おおむね1年以上の海外滞在」を目安として案内しています。ただし、これは法令が日数で線を引いているわけではなく、実際の判断のもとになるのは生活の本拠が日本から移るかどうかです。1年ちょうど前後の滞在や、日本と行き来する二拠点の生活では判断が割れるため、お住まいの市区町村に個別に確認するのが安全です。

届出に必要なものは、窓口に来る人の本人確認書類と、異動する家族全員分のマイナンバーカードです。郵送や代理人での届出を受け付ける自治体もありますが、マイナポータルからのオンライン届出には対応していない自治体が多いのが実情です。

マイナンバーカードは「失効させない」手続きがある

ここが2026年時点で最も情報が古いまま出回っている論点です。2024年5月27日から、日本国籍の方は国外に転出したあともマイナンバーカードを継続して利用できるようになりました。以前の「海外転出=カード失効」は、すでに過去の制度です。

ただし継続利用は自動ではありません。国外転出届を出すときに、市区町村へマイナンバーカードと「個人番号カード国外継続利用申請書」を提出する必要があります。マイナンバーカード総合サイトは、この手続きを「国外転出予定日の前日までに」行う必要があるとし、行わないまま国外転出をすると、カードは国外転出予定日に失効すると明記しています。基本的には転出届を出すのと同じ窓口・同じ日に手続きできますので、窓口で「マイナンバーカードの国外継続利用も一緒に申請したい」と必ず伝えてください(出国日当日に転出届を出す場合の取り扱いなど、細かい運用は自治体によって異なることがあるため、事前に窓口へ確認しておくと確実です)。手続きが済むとカードの券面に国外転出日が追記され、国外転出者向けの電子証明書が発行されて、そのまま使えるようになります。

失効させてしまった場合は、あらためて国外転出者向けマイナンバーカードの新規交付申請が必要です。オンライン申請の受付がありますが、発行までにおおむね2か月かかるとされており、受け取りは指定した市区町村または在外公館になります。

継続利用すると、マイナポータルの利用、年金の現況届、e-Taxなどのオンライン手続きが海外からでも使えます。一方で、コンビニ交付やパスポート申請など、使えなくなるサービスもあります。何が使えて何が使えないかは、マイナンバーカード総合サイトの一覧で渡航前に確認しておくと安心です。

お子さんを連れて移住する場合の注意

手続きは家族一人ひとりに必要です。国外転出届のときには異動する家族全員分のマイナンバーカードを持参し、マイナンバーカードの国外継続利用の申請も、お子さんの分を一人ずつ行います(お子さんの手続きは保護者が代わって行います)。親の分だけ済ませて安心してしまうと、お子さんのカードだけが国外転出予定日に失効することになります。

もうひとつ、日本にいるうちにしか取れないのが学校へ提出する書類です。インターナショナルスクールでは、前の学校の英文の成績証明書・在籍証明書や、予防接種の記録(母子健康手帳の該当ページの英訳)の提出を求められることが多くあります。学校や学年によって求められる書類は異なるため、出願先が決まった時点で必要書類を確認し、日本の学校や医療機関が動いているうちに手配しておいてください。渡航後に取り寄せると、時差と郵送で1か月近くかかることがあります。

あわせて確認しておきたいのがパスポートの残存期間です。海外に転出したあとは、日本国内でのパスポート申請ができなくなり、手続きは在外公館で行うことになります。お子さんのパスポートは有効期間が短い場合があるため、渡航前に残りの期間を確かめ、必要なら日本にいるうちに更新しておくと、現地で慌てずに済みます。

日本側の手続き②:健康保険・年金の切り替え

この章は要点だけにとどめます。金額や課税関係の詳細はマレーシア移住の税金・年金の記事にまとめています。

国民健康保険は資格を失う

海外転出届を出すと、国民健康保険の資格は失われます。転出届で自動的に喪失扱いになる自治体もあれば、別途保険の窓口へ届け出が必要な自治体もあります。いずれも保険証(資格確認書)の返却が必要で、届出の期限を14日以内としている自治体が一般的です。

あわせて知っておきたいのが、生活の実態が海外にある場合は海外療養費が使えないという点です。「1年以上海外に滞在している場合は加入要件を満たさず、資格をさかのぼって喪失することがある」と明記している自治体もあります。日本の保険を頼りにせず、現地の医療保険や海外旅行保険を必ず用意してください

なお、日本の会社に在籍したまま赴任する場合は事情が違います。健康保険・厚生年金は適用事業所に勤務するかぎり国内に住所があるかどうかを問わず加入が続くとされており、この場合は海外療養費も使えます(給付額は日本国内で同じ治療をした場合の額が基準です)。介護保険だけは国内に住所がある人が対象のため、適用除外の届出が必要になります。

国民年金は「任意加入」を選べる

海外に住むと国民年金の強制加入ではなくなりますが、日本国籍があれば任意で加入し続けられます。申出のあった月からの加入で、さかのぼって加入することはできません

ここで誤解が多いのが「加入しないと年金がもらえなくなる」という話です。実際には、海外に住んでいた期間は合算対象期間(いわゆるカラ期間)として受給資格期間に算入されます。つまり受給資格そのものは失いません。任意加入の実質的なメリットは、①受け取る年金額が増えること ②海外にいる間も障害基礎年金・遺族基礎年金の保障が続くことの2つです。海外滞在中に何かあったときの保障をどう考えるか、という判断になります。

また、日本とマレーシアのあいだには社会保障協定が結ばれていません(協定発効国にマレーシアは含まれていません)。現地で社会保険に加入することになった場合も、日本の年金と期間を通算したり二重負担を免除したりする仕組みが使えない点は押さえておいてください。

日本側の手続き③:運転免許は出国前に決着をつける

結論を先に書きます。2026年8月時点で、一般の外国人が日本の運転免許証をマレーシアの運転免許証に切り替えることはできません。マレーシア道路交通局(JPJ)は2025年5月に切替停止を発表し、2025年5月19日から、外国免許のマレーシア免許(LMM)への切替申請を停止しています。JPJが公開している切替申請の必要書類チェックリストにも、施行日として「Tarikh Kuat Kuasa: 19 Mei 2025」と明記されています。その後、再開したという発表は出ていません。

JPJとは:Jabatan Pengangkutan Jalan(マレーシア道路交通局)。日本でいう運転免許センターと陸運局を合わせたような役所で、免許の発給・切替を管轄しています。
ジュネーブ条約とは:1949年の道路交通に関する条約。締約国どうしは、相手国が発行した国際運転免許証での運転を認め合っています。マレーシアも日本も締約国です。

切替停止の対象外とされているのは、外交・領事・国際機関の関係者、MM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)参加者、そしてマレーシア国民(シンガポールの免許を持つ方を含む)に限られます。実際、JPJの切替申請チェックリストに掲載されている区分は「マレーシア国民」「マレーシア国民(シンガポール免許保持者)」「外交」「MM2H」の4つだけで、就労パスや学生パス、その帯同家族といった一般の外国人向けの区分は存在しません。2026年6月に外国免許の切替受付が緩和されたというニュースもありましたが、あれはマレーシア国籍者を対象としたもので、外国人には適用されません。

そのため、ネット上の日本語情報でよく見る「大使館で翻訳証明を取ってJPJで書き換える」という手順は、2026年8月時点では一般の日本人には使えません。在マレーシア日本国大使館が発行する「運転免許証の翻訳証明」は現在も申請できますが、大使館の案内でも、この証明書で切替ができるのは外交官パス・MM2Hパスとその配偶者パスをお持ちの方に限られるとされています。

では、どうやって運転するか

選択肢は実質2つです。比較すると次のようになります。

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比較項目国際運転免許証を使うマレーシアで新規取得日本免許から切替
2026年8月時点の可否◎ 使える◎ できる× 停止中
準備する場所日本(出国前)マレーシア現地
使える期間△ 発給から1年◎ 期限の制約なし
更新× 更新制度なし○ 現地で更新
手間◎ 原則即日△ 教習所+試験
対象になる人日本の免許を持つ人誰でも外交団・MM2H参加者など
◎ 有利・可能○△ 条件つき× 不可
▲ マレーシアで運転する方法の比較(2026年8月時点)。切替の停止は運用の変更によるもので、今後再開される可能性があります。渡航前にJPJまたは在マレーシア日本国大使館の最新情報をご確認ください。(ルシュエット作成)

1年目は国際運転免許証で乗り切り、その先も運転するなら現地で取り直す——これが現実的な組み立てです。国際運転免許証(正式には国外運転免許証)は、住所地の都道府県公安委員会(運転免許センターや警察署)で申請します。必要なのは日本の運転免許証、パスポート原本、6か月以内の写真(縦4.5cm×横3.5cm)で、東京都の場合の手数料は2,250円、原則として即日交付されます。

注意点は有効期間が発給日から1年で、更新制度がないこと、そして在外公館では発給も更新もできないことです。JPJの案内も「12か月未満の一時滞在者」を前提に書かれているため、1年を超える滞在の扱いは公式に明示されていません。運転するときは日本の運転免許証の原本も必ず一緒に携行してください(国際運転免許証は単独では効力がありません)。

住民票を抜いたあとでも、国際運転免許証は取れる

「海外転出届を出したら住所がないから申請できないのでは」と心配される方が多いのですが、一時帰国のタイミングで申請できます。警察庁は、海外に生活の本拠がある方が帰国した際は、滞在中の実家などを住所地として申請できるとしています。ただし、免許証の住所と実家などが異なる場合は住所変更の手続きが必要で、滞在を証明する書類(「滞在場所証明書」など)が求められます。書類の名称や様式は都道府県ごとに違うため、実家のある都道府県警に事前に確認してください。

日本の運転免許証そのものの更新も、在外公館ではできず日本国内でしか手続きできません。更新期間に海外にいることが分かっている場合は、更新期間より前に更新できる特例(本人のみ・代理不可)があります。うっかり失効させてしまった場合も、海外滞在というやむを得ない理由があれば、事情がやんでからおおむね1か月以内かつ失効から3年以内であれば技能・学科試験が免除される救済があります。ただし3年を過ぎると一部免除は認められませんし、以前に一時帰国した際に手続きをしていないと「最初の帰国が事情のやんだとき」と扱われて認められない場合があります。

現地からのリアル

クアラルンプールで暮らすかぎり、正直なところ車がなくても生活は回ります。配車アプリのGrabが安く、通学はスクールバスがある学校も多いためです。実際、渡航1年目は運転しない選択をされるご家庭が少なくありません。

ただ、郊外のインター校に通う場合や、週末に家族で動きたい場合は、車があるかどうかで生活の質がかなり変わります。「1年目は国際運転免許証で様子を見て、必要だと分かったら現地で取り直す」という進め方であれば、判断を先送りしても手詰まりになりません。逆に、国際運転免許証を日本で取らずに来てしまうと、1年目の選択肢が消えてしまいます。

日本側の手続き④:郵便・銀行・証券の住所まわり

郵便は海外へ転送できない

日本郵便は国内郵便物の国外への転送を行っていないと明示しています。海外の住所へ直接転送してもらうことはできないため、国内の実家などへ転送しておき、必要なものだけ現地に送ってもらう形が現実的です。

転送サービスの期間は届出日から1年で、転送開始希望日からではありません。しかも自動延長ではなく、期間が切れる前にあらためて転居届を出す必要があります。日本での受け取り自体が不要な場合は、新住所欄を書かない転居届を出すという方法も公式に案内されていますが、この場合は本人による提出に限られ、オンラインのe転居は使えません。

銀行・証券は「出国前しか受け付けない」金融機関がある

非居住者とは:日本に生活の本拠を置いていない人のことです。ややこしいのは、税金のルール(所得税法)と、銀行のルール(外国為替及び外国貿易法)で基準が違う点。税は「1年以上」、銀行側は「2年以上」を目安にしており、1〜2年の滞在では「税は非居住者だが銀行は居住者」というズレが起こり得ます。

銀行口座を残せるかどうかは金融機関ごとの契約次第で、法律で一律に決まっているわけではありません。海外赴任者向けのサービスを用意している銀行もありますが、出国前の申込を必須としているところが多く、出国後には申し込めません。また「帰国予定があること」を条件にしていて、現地採用や永住目的の移住は対象外と明記している銀行もあります。逆に「できるだけ解約してほしい」という案内をしている金融機関もあり、姿勢はまちまちです。渡航が決まった時点で、口座を持っている各社に個別に確認してください。

証券口座で特に注意したいのがNISAです。出国日の前日までに届出書を提出することが必要で、提出する届出書の種類と出国の理由によって、「一定期間は非課税のまま保有を続けられる」(勤務先の転任命令など、やむを得ない事由での一時的な出国の場合)か、「非課税での保有が終わり、課税口座へ払い出される」(留学・自己都合での移住などの場合)かが分かれます。保有している商品がその場で消えてしまうわけではありませんが、非課税のメリットは失われます

非課税を継続できるのは、転任命令などやむを得ない事由で一時的に出国する方(およびそれに同行する配偶者)に限られ、留学や自己都合での移住は継続の対象外とされています。証券会社の公式案内にも「留学や旅行等の理由で出国する場合はNISA口座の継続利用は制度上できない」と明記されています。「5年間は継続できる」という解説は、いずれも転勤者を前提にしたものです。届出書の名称や手続きの締切、払い出し後の取り扱いの説明は証券会社によって表記が異なるため、ご自身が口座を持っている会社の案内で確認してください。

特定口座についても、出国にあたって廃止され一般口座へ払い出される取り扱いが一般的ですが、所定の手続きをすれば保有を続けられる(ただし売買はできない)場合もあり、扱いは証券会社によって分かれます。保有を続けられる商品の範囲(国内株・外国株・投資信託など)や、常任代理人を立てる必要があるかどうかも会社ごとに違います。いずれの場合も出国中は原則として新規の買付ができず、売却と出金のみになります。さらに、対象資産1億円以上かつ出国前10年以内に国内に住所または居所を有した期間の合計が5年を超える方は、国外転出時課税制度(いわゆる出国税)の対象になります。該当しそうな場合は、必ず税理士に相談してください。

手続きの順番、ご家族の状況に合わせて整理しませんか?

お子さんの年齢・滞在予定期間・在留資格によって、やるべき手続きも順番も変わります。
現地スタッフが個別に整理し、教育移住の資料とセミナー案内も無料でお送りします。

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マレーシア側:SIM・在留届・決済を最初の1週間で

現地に着いてから最初にやるべきは、間違いなくSIM(現地の電話番号)の取得です。物件見学のアポも、銀行口座開設も、決済アプリの登録も、現地番号がないところで止まります。

SIM:パスポートの原本を持って店頭へ

プリペイドSIMの実名登録とは:マレーシアでは、プリペイドSIMを使うために本人の身元を登録することが法律で義務づけられています(通信マルチメディア法1998に基づくルール)。日本のように「買ってすぐ挿すだけ」ではありません。

外国人が登録する際はパスポートの原本が必要で、コピーでの登録は認められていません。また、アプリやオンラインでの自己登録は外国人には認められておらず、店頭での対面登録が基本です。登録時には現住所の申告も求められます。

枚数にも上限があり、外国人は1事業者あたり2回線までとされています。マレーシアではSIM登録のルールが2026年に改定されており、移行期間中で各社の運用が揃っていない時期にあたります。新ルールの完全な施行日と、施行後に各社が求める書類は公式に明示されていないため、契約前に各キャリアの店頭でご確認ください。

短期の下見や到着直後のつなぎであれば、クアラルンプール国際空港などで旅行者向けのプリペイドSIMを購入できます(大手キャリアのツーリストSIMで、期間別に3日・7日・14日・30日といったプランが用意されています)。eSIMもプリペイド・月額契約の両方で提供されています。

月額契約(ポストペイド)にする場合は、18歳以上であること、与信審査を通ること、そしてデポジットが必要になります。金額はキャリアによって差があり、公式に金額を公開しているところではRM300〜RM500程度(1リンギ=約38.7円換算で約1.2万〜1.9万円)が目安です。加えて事務手数料とSIM代がかかります。長期滞在を示すパス(就労パス・学生パスなど)の提示を求められることが一般的なので、パスが出るまではプリペイドでつなぎ、パスが出てから乗り換えるのが無難です。

※在留資格の種類によって登録上の扱いが変わる可能性が指摘されています。就労パス・学生パス以外の在留資格(帯同パス等)での登録区分と回線の維持条件は公式に明示されていないため、契約前に各キャリアの窓口でご確認ください。

在留届:3か月以上の滞在なら義務

外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する場合、在留届の提出は旅券法で義務づけられています。任意のサービスではありません。災害や事件が起きたときの安否確認の土台になるものなので、必ず出してください。

提出はオンラインの「ORRネット」が原則で、現地到着の90日前から提出できます。書面で提出すると証明書やパスポートのオンライン申請ができなくなるため、特別な事情がなければオンラインを選んでください。帰国するときや管轄区域外へ引っ越すときの届出も義務です。3か月未満の滞在の場合は「たびレジ」に登録します。

管轄は住む州で分かれます。クアラルンプール、スランゴール、ヌグリ・スンビラン、マラッカ、パハン、ジョホールは在マレーシア日本国大使館、ペナン・ペラ・ケダなどは在ペナン日本国総領事館、サバ・サラワク・ラブアンは在コタキナバル領事事務所です。ORRネットは住所を入力すると管轄の公館を自動で選んでくれます。

スマホ決済は「現地番号を取ってから」登録すると得

マレーシアの生活で欠かせないのがTouch 'n Go(高速道路や公共交通で使う電子マネー)と、そのスマホアプリ版であるTNG eWalletです。日本のパスポートで登録でき、パスポートの残存期間が6か月以上あれば、マレーシアの電話番号がなくても登録自体は可能です。

ただし登録に使った電話番号によってウォレットの上限額が変わります。マレーシアまたはシンガポールの番号で登録した場合の上限がRM20,000であるのに対し、それ以外の国際番号で登録した場合はRM5,000です。長期滞在するなら、現地SIMを取ってからアプリを登録するほうが有利ということになります。順番を間違えると、あとから番号を変更する手間が増えます。

マレーシア側:住居契約に必要な書類と初期費用

住まいは長期滞在パスが出てから本契約に進むほうが結果的にスムーズです。パス取得前はサービスアパートや短期契約でつなぐご家庭が多くいらっしゃいます。

パスが出るまでの数か月をどう乗り切るか

母子留学・教育移住で必ず出てくるのが、お子さんの学生パスと保護者の帯同パスが正式に出るまでの「待ち」の期間をどう過ごすかという問題です。この期間は書類上まだ長期滞在者ではないため、次の3つがそろって動かしにくくなります。

逆に、プリペイドSIM・在留届・Touch 'n Go eWallet は到着直後から手続きできます。「先に動かせるもの」と「パス待ちのもの」を分けておくと、待ち時間が不安になりにくくなります。なお、パスが出る前の短期滞在の資格で賃貸契約ができるかどうかは、公式に禁止すると明示された規定は見当たらない一方、認められると明記した案内もありません。物件ごとに貸主・エージェントの判断が分かれるため、内見の前に条件を確認しておいてください。

必要な書類

賃貸契約(テナンシー・アグリーメント)で求められる書類は法律で決まっているわけではなく、貸主・エージェント・管理組合の実務で決まります。一般的には次のようなものです。

知っておきたいのは、マレーシアには日本の借地借家法にあたる法律がないということです。保証金の額や返還の期限を定めた法令が存在しないため、契約書の文言がほぼすべてになります。「退去後◯日以内に返還する」「控除するときは領収書を提示する」といった条項を書面に入れてもらうことが、唯一の防御です。

初期費用の目安

初期費用の構成は慣行で決まっており、法律上の上限もありません。一般的には次のような内訳です。

項目目安
アーネストデポジット(申込金)家賃1か月分(通常は前払家賃に充当)
セキュリティデポジット(保証金)家賃2か月分
ユーティリティデポジット(光熱費の保証金)家賃0.5か月分
前払家賃家賃1か月分
アクセスカード・鍵のデポジットRM100〜500程度
合計の目安家賃の約3.5か月分+印紙税

※上記はクアラルンプール周辺の一般的な慣行で、物件や貸主によって変わります。アーネストデポジットが前払家賃に充当されるのか、それとも別建てで没収リスクがあるのかは物件ごとに異なるため、必ず書面で確認してください。

もうひとつ、賃貸契約書には印紙税(スタンプデューティ)がかかります。納税義務者は借主で、署名から30日以内の納付が必要とされ、期限を過ぎると加算があります。印紙が貼られていない契約書は裁判で証拠として扱われないとされているため、保証金の返還で揉めたときに丸腰になってしまいます。必ず期限内に済ませてください。

税率は2024年財政法(Finance Act 2024)による改正で2025年1月1日から変わっており、以前あった年間賃料RM2,400までの非課税枠は廃止されたとされています。改正後は年間賃料と契約期間に応じた区分で課税されます。適用される税額は契約内容によって変わるため、契約前にLHDNまたは不動産業者・弁護士へご確認ください。LHDN(内国歳入庁)は料率表をウェブサイト上で公開していないため、契約前にエージェントまたは弁護士に現行の料率を確認してください。古い解説にはRM2,400の非課税枠が残ったままのものが多く、金額が合わない原因になります。※2026年8月時点の情報です。制度・税率は改定されることがあるため、最新は公式情報でご確認ください。

実務上は、着任直後で納税者番号がまだない段階だと自分で納付するのが難しいため、エージェントか弁護士に代行してもらうのが現実的です。また、契約期間は1年または2年が標準で、途中解約できる条項(ディプロマティック・クローズ)は自分から要求しないと入りません。駐在や学校の都合で予定が変わりうるご家庭は、契約前に必ず交渉してください。

電気(TNB)や水道は、パスポートで名義変更の手続きができます。ただしコンドミニアムでは水道が管理組合を通す仕組みになっている物件があり、個別に申し込めないことがあります。入居前に管理事務所へ確認しておくと二度手間を防げます。銀行口座の開設についてはマレーシアの銀行口座開設の記事で詳しく整理しています。

つまずきやすい5つのポイント

ご相談を受けていて「先に知りたかった」と言われることの多い順に並べました。

1. 海外転出届は原則として出国前に済ませる手続き

受付期間を「出国日のおおむね14日前から当日まで」としている自治体が多く、出国後の届出については扱いが分かれます。渡航直前の2週間は荷造りと重なって動けなくなるため、役所に行く日をカレンダーに先に入れてしまうのが確実です。

2. マイナンバーカードの継続利用は「転出届のとき」でないと間に合わない

国外転出予定日の前日までに手続きをしないと、カードは国外転出予定日に失効します。再取得は可能ですが発行までにおおむね2か月かかるとされており、その間はマイナポータルもe-Taxも使えません。お子さんの分の申請も忘れやすいポイントです。

3. 運転免許は「古い情報」がいちばん危険

切替停止は2025年5月からの運用です。それ以前に書かれた日本語のブログや体験談は、今は使えない手順を案内しています。手続き系の情報は、いつ書かれたものかを必ず確認してください

4. NISAは「転勤かどうか」で扱いが変わる

教育移住や自己都合での移住は、非課税を継続する特例の対象外とされています。出国日の前日までという期限もあるため、渡航が決まった段階で証券会社に確認してください。

5. 現地はSIMがすべての起点になる

電話番号がないと、決済アプリのウォレット上限額が下がってしまいます。到着日か翌日にSIM、と決めておくだけで、そのあとの1週間の進み方がまったく変わります。

※この記事は2026年8月時点で公表されている情報をもとにまとめています。ビザ・税制・免許・通信の各制度はいずれも変更が多い分野です。実際に手続きされる際は、市区町村・警察・年金事務所・金融機関、およびマレーシア側の各機関や在マレーシア日本国大使館の最新情報を必ずご確認ください。

よくある質問

海外転出届は必ず出さないといけませんか?

多くの自治体が「おおむね1年以上の海外滞在」を届出の目安として案内しています。ただし法令が「1年」という日数で線を引いているわけではなく、判断のもとになるのは生活の本拠が日本から移るかどうかです。届出を出すと住民税・国民健康保険・国民年金の扱いが変わるため、出す・出さないは滞在予定期間と収入の状況を合わせて決めるのが安全です。届出の受付期間は「出国日のおおむね14日前から当日まで」としている自治体が多く、出国後の届出の扱いは自治体によって分かれます。実際の取り扱いはお住まいの市区町村で確認してください。

海外転出届を出すとマイナンバーカードは使えなくなりますか?

2024年5月27日から、日本国籍の方は国外に転出したあともマイナンバーカードを継続して利用できるようになりました。ただし自動ではなく、国外転出届のときにカードと「個人番号カード国外継続利用申請書」を市区町村へ提出する必要があります。マイナンバーカード総合サイトは、この手続きを国外転出予定日の前日までに行わないまま国外転出をすると、カードは国外転出予定日に失効すると明記しています。失効した場合はあらためて国外転出者向けの新規交付申請が必要で、発行までにおおむね2か月かかるとされています。お子さんの分も一人ずつ申請が必要です。なお継続利用しても、コンビニ交付やパスポート申請など使えなくなるサービスがあります。

日本の運転免許証をマレーシアの運転免許証に切り替えられますか?

2026年8月時点では、一般の外国人については切り替えができない状態が続いています。マレーシア道路交通局(JPJ)は2025年5月19日から外国免許のマレーシア免許(LMM)への切替申請を停止しており、JPJが公開している切替申請の必要書類チェックリストに掲載されている区分も、マレーシア国民(2区分)・外交関係者・MM2H参加者の4つだけです。就労パスや学生パス、その帯同家族向けの区分は存在しません。マレーシアの免許が必要な場合は、現地の教習所に通って最初から取得することになります。運用が変わる可能性があるため、渡航前にJPJまたは在マレーシア日本国大使館の最新情報を確認してください。

国際運転免許証はマレーシアでどのくらい使えますか?

マレーシアはジュネーブ条約(1949年)の締約国で、日本で発給された国際運転免許証(国外運転免許証)は有効とされています。ただし有効期間は発給日から1年で更新制度がなく、JPJの案内も「12か月未満の一時滞在者」を前提に書かれています。運転するときは日本の運転免許証の原本も一緒に携行してください。1年を超える滞在での扱いは公式に明示されていないため、長期滞在の運転計画は渡航前に確認しておくことをおすすめします。

マレーシアのSIMカードは日本人でも買えますか?必要なものは何ですか?

購入できます。マレーシアではプリペイドSIMの実名登録が法律上義務づけられており、外国人はパスポートの原本を持って店頭で登録するのが基本です。コピーでの登録は認められていません。空港でも旅行者向けのプリペイドSIMを購入できます。月額契約のポストペイドは、18歳以上・与信審査・デポジットが条件になり、長期滞在を示すパスの提示を求められることが一般的です。登録ルールは2026年に改定が進んでいるため、最新の必要書類は各社の店頭で確認してください。

日本に届く郵便物を海外の住所に転送してもらえますか?

できません。日本郵便は国内郵便物の国外への転送を行っていないと明示しています。国内の実家などへ転送しておき、必要なものだけ現地へ送ってもらう形が現実的です。転送サービスの期間は届出日から1年で、自動延長ではなく期間が切れる前にあらためて転居届を出す必要があります。日本での受け取り自体が不要な場合は、新住所欄を書かない転居届という方法も案内されています。

本記事に記載した費用・制度・学校情報は、2026年8月時点に公開されている情報にもとづく目安です。為替はRM1≒38.7円で換算しています。制度や料金は改定されることがあるため、お申し込みの前に各公式サイト、または当社までご確認ください。