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インター校の学費を下げる

マレーシアのインター奨学金(スカラシップ)|日本人は応募できる?対象校と減額幅【2026年版】

「奨学金があれば、うちも手が届くのでは」——マレーシアのインター校を調べ始めたご家庭から、必ず出てくる質問です。答えは学校によってはっきり分かれます。各校の公式ページで確認できた範囲だけを、そのまま並べました。

結論から言うと、マレーシアのインター校の奨学金(スカラシップ)は「日本人のお子さんが応募できるもの」と「マレーシア国籍が条件のもの」に分かれます。そして募集が集中するのは、Year 10(中学卒業相当)とSixth Form(高校2〜3年相当)の入学時です。この記事では、2026年9月時点で各校の公式ページに記載があった制度だけを取り上げ、国籍要件・減額幅・締切・奨学金では消えない費用まで順に整理します。

まず4種類に分ける(奨学金と「割引」は別もの)

マレーシアのインター校で「学費が下がる仕組み」は、大きく4種類あります。この区別をしないまま学校に問い合わせると、話がかみ合いません。選考があるのが奨学金、条件を満たせば誰でも受けられるのが割引——まずここで線を引いてください。

Merit(メリット)は学業成績にもとづく給付、Talent(タレント)はスポーツ・音楽・演劇・美術など特定分野の実績にもとづく給付です。Bursary(バーサリー)は家庭の経済状況を考慮するもので、Epsom College in Malaysiaの一部制度は保護者の直近3か月の収入証明を求めています。一方、兄弟姉妹割引や早期一括払い割引は選考がなく、条件に当てはまれば事務的に適用されます。

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種類判断されるもの選考日本人の可否もらいやすさ
Merit(学業)成績・入学試験の点数あり(試験+面接)校による△ 狭い
Talent(特技)スポーツ・音楽・美術の実績あり(実技)校による△ 狭い
Bursary(家計)世帯の経済状況あり(収入証明)国籍限定が多い△ 狭い
割引(兄弟・一括払い)在籍人数・支払い方法なし◎ 可◎ 現実的
◎ 通りやすい校による△ 狭き門
▲ マレーシアのインター校で学費が下がる4つの仕組み。奨学金(上3つ)は選考があり枠も限られる一方、割引は条件を満たせば確実に効きます。※各校の公式ページの記載をもとにルシュエットが整理(2026年9月時点)

なお、マレーシア政府の代表的な奨学金である Malaysia International Scholarship(MIS)は、対象が修士課程と博士課程に限られます(高等教育省の2026年版ガイドライン)。小中高のインター校に通うお子さんは対象外です。日本側でも、JASSO(日本学生支援機構)の海外留学支援制度は大学・大学院に在籍する学生が対象で、初等中等教育のインター校向けの枠は設けられていません。つまり「外部の公的奨学金で学費をまかなう」という道は、インター校では基本的に使えないと考えてください。

現地からのリアル

ご相談でいちばん多い誤解が、「奨学金の枠があるかどうか」を先に聞いてしまうことです。ほとんどの学校で、奨学金の選考は入学許可とは別のプロセスです。まず入学審査に通ること、そのうえで奨学金に応募する——この順番を間違えると、締切だけが過ぎていきます。

そしてもう一つ。奨学金が出るかどうかは選考次第ですが、兄弟割引や一括払いの割引は最初から金額が決まっています。予算を組むときは条件の決まっている割引を前提に計算し、奨学金は選考結果によって変わるものとして別枠で見ておく——そう考えるご家庭が多いようです。

日本人(外国籍)は応募できるのか

ここがこの記事でいちばんお伝えしたい点です。マレーシアのインター校の奨学金には、国籍を条件にしている制度が実際にあります。日本語の情報ではほとんど触れられていませんが、公式ページを開くと明記されています。

たとえばISKL(The International School of Kuala Lumpur)のPathways Scholarshipは、応募資格に「マレーシア国民であること(Must be a Malaysian Citizen)」と書かれており、日本国籍のお子さんは応募できません。この制度は学業成績だけでなく家庭の経済状況も見るもので、公式ページには「ISKLの年間授業料が世帯年収の50%以上であること」という基準まで示されています。Epsom College in Malaysiaの全額給付(ASEAN Bright Sparks)も、マレーシア国民のみと明記されています。

一方で、外国籍でも応募できる制度は複数あります。AISM(Australian International School Malaysia)のPre-University Scholarshipは、公式ページが「all nationalities(全国籍)」と明記しています。Kolej Tuanku Ja'afar(KTJ)もマレーシア人・外国人のいずれも応募可能と書いています。Epsom College in Malaysiaでは、一部給付のAcademic Scholarship・Leadership Scholarshipが、ASEAN諸国の市民・永住者に加えてASEAN域内に暮らすexpatriate(外国人居住者)を対象に含めています。すでにマレーシアやシンガポールに駐在しているご家庭であれば、ここは現実的な候補になります。

Nexus International School、Taylor's International School、Sri KDU、Marlborough College Malaysiaの各制度は、公式ページに国籍の条件を書いていません。ただし「書いていない=応募できる」と決めつけないでください。「国籍不問」と明記されているわけではないため、実務上の扱いは学校に確認するのが確実です。

学校別・公式で確認できた奨学金一覧

2026年9月時点で、各校の公式サイトに奨学金の記載を確認できたものだけをまとめました。募集要項は毎年書き換わり、ページごと入れ替わることもあります。必ず最新の公式ページでご確認ください。

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学校制度と対象学年国籍要件減額幅と対象範囲選考方法
AISMPre-University(Year 11入学)全国籍(all nationalities)最大100%(出願料・デポジット・入学金・2年分の授業料)アセスメント+面接/経済状況も考慮
Kolej Tuanku Ja'afar(KTJ)Sixth Form Academicマレーシア人・外国人とも可原則10〜75%(寮費は自己負担)Scholarship Day(グループ活動+面接)
Kolej Tuanku Ja'afar(KTJ)Music/Sports/Performing Artsマレーシア人・外国人とも可上限75%(Music・Sports)実技審査
Epsom College in MalaysiaASEAN Academic/Leadership(Fast Trackを除くYear 12〜13)ASEAN在住の外国人も可学費+寮費の最大50%成績・志望理由・課外活動
Nexus International SchoolIGCSE(Year 10入学)記載なし授業料の25〜50%学力テスト+面接
Nexus International SchoolIBDP(IGCSE・SPM等の修了後)記載なし最大100%(フル給付は寮費も対象)テスト+複数回面接
Taylor's International SchoolIGCSE(Year 10・1月入学)記載なし授業料の最大100%アセスメント+面接
Sri KDU Kota Damansara Int'lA-Level Merit(16歳以上)記載なし授業料の最大80%学内委員会の承認
Marlborough College MalaysiaYear 9(Shell)入学時記載なし非公表在籍校の推薦+Assessment Day
ISKLPathways(Grade 9〜12)マレーシア国籍のみ100%(4年間・年2名)筆記試験+パネル面接/世帯年収の要件あり
Epsom College in MalaysiaASEAN Bright Sparks(Fast Track A-Level限定・16〜19歳)マレーシア国籍のみ学費+寮費の全額SPM全科目A+家計審査+面接
◎ 日本人も対象・全額あり一部給付△ 国籍限定・非公表
▲ 各校の公式サイト(Admissions/Scholarshipsページ)の記載をルシュエットが整理。上から、日本人が応募できる制度→国籍の記載がない制度→マレーシア国籍限定の制度の順に並べています。2026年9月25日時点の内容で、募集年度・締切・金額は年ごとに変わります。Garden International Schoolのように、学費ページに割引の記載はあっても奨学金の記載がない学校もあります。

表を眺めて気づくのは、「全額」が出る制度は国籍や人数の縛りが強いものが多いということです。ISKLは年2名かつマレーシア国籍、Epsomの全額給付もマレーシア国民のみ。そのなかでAISMのPre-University Scholarshipは、全国籍を対象に出願料・デポジット・入学金・2年分の授業料まで最大100%をカバーすると公式に明記している点で、日本人のご家庭にとって数少ない全額枠です。ただし現在AISMに在籍していない生徒が対象で、SPMやIGCSE、O-Levelなどを修了してYear 11から入学する形に限られます。

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国籍要件・締切・必要書類は学校ごとにばらばらです。
気になる学校名をお知らせいただければ、現地スタッフが最新の募集状況を確認します。

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減額幅の相場と、全額免除が出やすい学年

公式に金額が出ている制度を並べると、相場は授業料の25〜50%、上限は学校によって75〜100%でした。KTJのように「典型的には10〜75%」と幅で示し、実際の額は学校側の裁量とする書き方も多く、公表されている上限がそのまま出るとは限りません。そして募集が集中しているのは、Year 10(IGCSEが始まる学年)とSixth Form(IBDPやA-Levelの2年間)の入学時です。

ここには学校側の事情があります。IGCSEとA-Level/IBDPは、成績がそのまま学校の進学実績として外部に公表される試験です。優秀な生徒を集めることが学校の評判に直結するため、この2つの入口に投資が集まります。逆に言うと、小学生や中学1〜2年での編入では、奨学金の募集そのものが見つからないことがほとんどです。お子さんがまだ小学生なら、奨学金は当てにせず、後述する割引と学校選びで予算を組むほうが確実です。

もう一つ注意したいのが、減額の対象範囲です。Sri KDUのA-Level Meritは「年間授業料のみ」と明記し、出願料・登録料・返金可能なデポジット・実験費・第三者試験料は対象外としています。KTJのSixth Form向け奨学金も寮費は自己負担です。反対に、ISKLのPathwaysは授業料に加えて出願料・登録料・外部試験料・制服・端末まで含む手厚い内容(昼食代のみ対象外)、AISMのPre-University Scholarshipも出願料・デポジット・入学金・2年分の授業料を対象としています。「何%か」だけでなく「何に対する何%か」を必ず確認してください。

維持条件がある点も見落とされがちです。Sri KDUは、学業と素行の水準を保つこと、課外活動に参加すること、学校の広報活動に協力すること(保護者の同意を含む)を条件として明記しています。奨学金は一度通れば卒業まで自動で続くものではない、という前提で考えてください。

奨学金より現実的な「割引」という手

お子さんが2人以上いるご家庭や、年払いができるご家庭にとっては、奨学金より割引のほうがはるかに確実に効きます。選考がないぶん、最初から予算に織り込めるからです。

兄弟姉妹割引は学校によって設計がまったく違います。Nexus International Schoolは登録料(入学時の一時金)を2人目30%・3人目50%・4人目以降75%引きとし、これとは別に授業料5%引きの制度も設けています。Garden International Schoolは登録料を2人目以降50%引き、3人目以降は授業料5%引き。Sri KDUは授業料を2人目5%・3人目10%・4人目以降15%引きとしています。「兄弟割引」と一口に言っても、授業料にかかるのか登録料だけなのかで、実際に浮く金額は大きく変わります。

ここで注意したいのが、割引を足し算しないことです。Nexusの料金表には「1人につき割引は1種類まで」という脚注があり、登録料の割引と授業料5%を両取りできるとは読めません。Sri KDUの兄弟割引も「他の割引とは併用不可」「適用には承認が必要」と明記され、同一年度に2人以上が在籍していることが条件です。Garden International Schoolの登録料割引も、第1子が全額納付の在校生であることが前提になっています。

もう一つが早期一括払いです。NexusとGarden International Schoolは、1年分の授業料を期日までに全額納めた場合に第2・第3学期分の授業料について3%のリベートを設けています。年間授業料の3%ではなく、2学期分に対する3%である点は読み違えやすいところです。Garden International Schoolには、同校またはTaylor's系列の卒業生の子どもは登録料が免除され、デポジットにも上限が設けられるという制度もあります。

そして奨学金と割引は併用できないことがあります。Sri KDUのA-Level奨学生は兄弟割引の対象外と明記されており、Garden International Schoolの兄弟割引も「他の割引や奨学金を受けていないこと」が条件です。奨学金に通ったら兄弟割引が消える、という設計は珍しくありません。両方を足した金額で予算を組まないようご注意ください。

現地からのリアル

学費を下げる方法を相談されたとき、私たちが最初にお聞きするのは「お子さんは何人ですか」「学年はいくつですか」です。兄弟が2人いて小学生——この条件なら、奨学金を探すより兄弟割引の手厚い学校を選ぶほうが、金額のインパクトが大きいことがよくあります。

学費表は多くの学校が公式サイトでPDF公開しており、割引の条件もそこに書かれています。学校に問い合わせる前に、まず料金表の最後のページまで目を通してみてください。意外と、そこに答えが書いてあります。

応募から結果までの流れと、逆算すべき時期

奨学金の応募は、入学の6〜12か月前に動き始めるのが目安です。マレーシアには8月始まりの学校と1月始まりの学校があるため、締切も学校ごとにばらばらです。マレーシアの学校の1年(学期と行事)とあわせて逆算してください。

実際の日程の例を挙げます。KTJのSixth Form向けは11月1日から3月1日までが応募期間で、結果は3月末(現在は8月入学のみの受付)。ISKLのPathwaysは10月下旬に関心表明フォーム、11月に本出願、12月に筆記試験、翌年1月に面接という4段階でした。2027年1月入学を対象とするTaylor's International SchoolのYear 10向け(KL・Puchongの2キャンパス)は、9月1日受付開始で9月30日締切。AISMのPre-University Scholarshipも同じ9月30日締切で、2027年1月の入学に向けた募集でした。つまり、入学したい年の1年前の秋にはもう動き出している必要があります。Nexusのように募集そのものが年1回で、次回は「2027年2月に再開」と告知している学校もあります。

選考の中身は、学校が違ってもおおむね共通しています。

  1. 入学審査に出願する

    多くの学校で、奨学金は入学審査とは別の手続きです。Marlborough College Malaysiaのように、合格オファーを受け取った人だけが奨学金に応募できると明記している学校もあります。

  2. 奨学金に応募する

    成績表、志望理由(Epsomは300語程度のエッセイ)、課外活動の記録、在籍校からの推薦状などを提出します。

  3. 書類選考でshortlistされる

    ここで絞られます。学校によっては、この段階で保護者の収入証明を求められます。

  4. 学力テスト・実技審査

    英語と数学の筆記が一般的。Talent枠では実技やポートフォリオの提出があります。

  5. 面接(1〜複数回)

    KTJは「Scholarship Day」としてグループ活動と幹部面接を組み合わせています。面接は英語で行われます。

  6. 結果通知・条件の確認

    減額の対象範囲と、翌年以降の維持条件を書面で確認してから受諾します。

英語での面接と筆記がある以上、奨学金を狙うなら、入学時点でそれなりの英語力が要ります。英語力がまだこれからというお子さんの場合は、まずインター校のESL(英語サポート)の費用と期間を押さえたうえで、入学後に成績を積んでから学内選考に挑む、という進め方をとるご家庭もあります。インターの入学試験の中身も、奨学金の筆記と重なる部分があります。

奨学金をもらっても消えない費用

奨学金が授業料の50%を減らしても、初年度に払う総額はそこまで下がりません。授業料以外の項目が、そのまま残るからです。主なものを挙げます。

費目公式に記載のある金額の例(2026年9月時点)
出願料(返金不可)RM1,300〜1,590程度(Nexus・Garden International Schoolほか)
登録料(入学時の一時金・返金不可)Year 1〜13でRM20,000(Nexus・Garden International School)
デポジット(保証金)1学期分の授業料相当。返金には1学期前の書面通知が必要
英語サポート(EAL/ESL)Nexusは授業料の10%(通常)〜20%(集中)を学期ごとに加算
テクノロジー費Nexusは学期あたりRM300〜500
寮費(ボーディング校)Nexusのフルボーディングは学期あたりRM16,900。KTJは奨学生でも自己負担
学生ビザ・医療保険EMGS(教育マレーシア・グローバルサービス)経由で別途発生

※各校の公式料金表(Fee Schedule)に記載された金額です。学年・年度・キャンパスで変わるため、必ず最新の料金表でご確認ください。各校の料金表は「SST別(税抜)」で表示されているのが一般的で、次章の6%が上乗せされる場合があります。

特に見落とされやすいのがデポジットと登録料です。この2つは奨学金の対象外としている学校が多く、しかも入学前にまとめて請求されます。授業料が半額になっても、渡航前に用意する現金はほとんど変わらない——ということが起こります。学費全体の組み立て方は教育移住のお金の計画で詳しく整理しています。寮のある学校を検討中なら、マレーシアのボーディングスクール(寮費とビザ)もあわせてご覧ください。

2025年に始まった6%のサービス税との関係

2026年に学費を計算するうえで欠かせないのが、2025年7月1日に始まったサービス税(SST)です。マレーシアの私立教育サービスに6%の税が課されるようになりました。対象になるのは、1人あたり年間RM60,000を超える学費を課す私立教育機関で、インターナショナルスクールも含まれます(サービス税規則の改正・Group M「教育」)。

誤解されやすい点が3つあります。第一に、課税されるのは超過分ではなく総額です。関税局の公式ガイドの例では、年間の諸費用合計がRM83,000の生徒について、超過分のRM23,000ではなくRM83,000全体に6%(RM4,980)が課されると示されています。第二に、判定は生徒1人あたり・1学年度(academic year)ごとです。同じ学校でも、年RM57,000の学年は非課税、年RM63,000の学年は課税になります。第三に、学期の途中で入学して実際の支払いが少なくても、その学年の年間費用で判定されます。

実際の金額感をNexus International Schoolの公式料金表(2025-26年度)で見ると、Year 1〜2は年RM59,460でRM60,000をわずかに下回り、Year 3〜4は年RM68,280で上回ります。学年が一つ上がった瞬間に6%が乗る——これが今のマレーシアのインター校で起きていることです。RM60,000は日本円にしておよそ232万円(RM1=38.7円で換算した目安。為替により変動します)。

課税対象は授業料だけではなく、登録料・入学金・課外活動費・教材費なども含まれます。一方で、寮費・教科書・制服・食事・交通費・授業料の一部ではない返金可能なデポジット・PTA費、そして学生パスやビザ関連の費用は免税とされています。ただしこの免税リストは2025年10月の改訂で定められたもので、上で紹介した関税局ガイドの計算例(RM83,000)はそれ以前の2025年6月版です。デポジットを含んだ計算例がそのまま今も当てはまるとは限らない点にご注意ください。

もう一つ、インター校以外の学びを併用する場合の落とし穴があります。RM60,000という金額の線引きは、就学前から後期中等教育までの学校段階にだけ適用されるものです。大学・カレッジなどの高等教育機関や語学センターが外国籍の人に提供する教育サービスは、金額の大小にかかわらず課税対象と定められています。親御さんがご自身の語学学校に通う場合などは、この点が効いてきます。

そして奨学金との関係です。財務省のサービス税ポリシー(Service Tax Policy No.4/2025の改訂版、2025年10月17日付)は、教育機関・企業・財団などが「全額(fully sponsored)」負担する学費については、サービス税を免除すると定めています。つまり全額給付の奨学金を得た場合、原則として6%の税も免除される扱いです。ただし一部給付(50%など)の場合にどう扱われるかは、この文書に明記がありません。請求額は学校の運用によるため、出願の段階で学校の経理担当に必ずご確認ください。

※税制は変更が続いている分野です。本記事の内容は2026年9月25日時点で確認した公式文書にもとづく概要であり、最新の取り扱いは必ずマレーシア関税局(JKDM)の公式情報、または学校・税務の専門家にご確認ください。

学生ビザ(Student Pass)と奨学金

先に結論をお伝えすると、奨学金に通ってもビザの費用と手続きは別に必要です。奨学金の給付範囲に「学生パス関連費用」まで含めている学校は、私たちが確認した範囲では見当たりませんでした。

マレーシアの学生パス(Student Pass)は、入国管理局の説明によれば3歳以上の外国籍の子どもが対象で、就学前教育から高等教育までをカバーします。ここで知っておきたいのが手続きの経路です。大学や私立高等教育機関の学生はEMGS(Education Malaysia Global Services)のポータル経由で申請しますが、学校段階(インター校を含む)では、学校の代表者または保護者・法定後見人が入国管理局へ直接申請する建て付けになっています。ネット上でよく見かけるEMGSの料金表は、そのままではインター校に当てはまりません。

保護者が付き添う場合は、いわゆるガーディアン用の滞在許可(Social Visit Pass)を取ります。名称の紛らわしさで混乱しやすいところですが、重要なのはこの資格では就労も事業活動もできないという点です。入国管理局は就労・営業のほか、政治活動や講演も禁止と明記しています。なお、扶養家族を帯同できる学生パスは修士・博士課程に限られます。

必要書類は、有効期間が18か月以上残っているパスポート、規定サイズの写真、12か月以上をカバーする医療保険、そして私立の教育機関の場合は教育省私立教育局の推薦状などです。到着後の健康診断にも期限があります。金額・書式ともに年度や学校で変わるため、費用と手順は必ず在籍予定校に直接ご確認ください。学校が請求する学生ビザ関連の費用については、前章のサービス税はかからない扱いです。

※ビザの要件と費用は変更が多い分野です。渡航を具体的に検討する時点で、必ずマレーシア入国管理局・EMGSの公式情報でご確認ください。

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よくある質問

マレーシアのインター校の奨学金は、日本人でも応募できますか?

制度によって分かれます。公式ページで「マレーシア国籍であること」を条件に挙げている制度(ISKLのPathways Scholarship、Epsom College in MalaysiaのASEAN Bright Sparksなど)は、日本国籍のお子さんは対象外です。一方、AISM(Australian International School Malaysia)のPre-University Scholarshipは「all nationalities(全国籍)」と明記しており、Kolej Tuanku Ja'afar(KTJ)もマレーシア人・外国人の双方に開かれていると書いています。Epsom College in MalaysiaのASEAN向け一部給付も、ASEAN域内に暮らす外国人家庭を対象に含みます。応募前に、各校の公式ページで国籍要件を必ず確認してください。

マレーシアのインター奨学金で、学費はどのくらい下がりますか?

学校により幅があります。2026年9月時点で各校の公式ページに記載があったものでは、授業料の25〜50%(Nexus International SchoolのIGCSE向け)、最大80%(Sri KDU Kota Damansara InternationalのA-Level向け)、原則10〜75%(KTJのSixth Form向け)、授業料の最大100%(NexusのIBDP向け、Taylor's International SchoolのYear 10向け)などの記載がありました。減額幅を公表していない学校もあります。多くの制度は対象が授業料に限られ、入学金やデポジットは含まれません。一方でAISMのPre-University Scholarshipのように、出願料・デポジット・入学金まで対象に含むと明記している例もあります。

インター校の奨学金はいつ応募すればいいですか?

入学の6〜12か月前が目安です。マレーシアのインター校は8月始まりの学校と1月始まりの学校があり、募集も学校ごとに時期が決まっています。たとえばKTJのSixth Form向けは11月1日から3月1日まで、Taylor's International SchoolのYear 10向けは2027年1月入学分の受付が2026年9月30日締切でした(各校公式ページ・2026年9月時点)。年度ごとに変わるため、志望校が決まった時点で募集ページを確認し、締切から逆算して準備を始めてください。

奨学金をもらえば、学費以外の費用はかからないのですか?

学校によります。Sri KDUのように奨学金の対象を「年間授業料のみ」と明記し、出願料・登録料(入学金)・返金可能なデポジット・実験費・第三者試験料は自己負担と定めている学校があります。寮のある学校でも、KTJのように寮費は奨学生の自己負担と明記している例があります。英語サポート(EALやESL)が別料金の学校では、その費用も追加になります。さらに学生ビザ(Student Pass)の申請費用や医療保険は、奨学金とは別に必要です。

奨学金をもらうと、2025年に始まったサービス税(SST)はどうなりますか?

マレーシアでは2025年7月1日から、私立教育機関が1人あたり年間RM60,000を超える学費を課す場合に6%のサービス税がかかるようになりました。これについて財務省のサービス税ポリシー(Service Tax Policy No.4/2025の改訂版)は、教育機関・企業・財団などが「全額」負担する学費はサービス税を免除すると定めています。つまり全額給付の奨学金であれば税もかからない扱いですが、一部給付の場合の取り扱いは明記されていないため、必ず学校に確認してください。

本記事に記載した費用・制度・学校情報は、2026年8月時点に公開されている情報にもとづく目安です。為替はRM1≒38.7円で換算しています。制度や料金は改定されることがあるため、お申し込みの前に各公式サイト、または当社までご確認ください。