ルシュエット|マレーシア留学・教育移住
教育移住の期間

マレーシア教育移住は何年?期間の決め方と出口から逆算【2026年】

「マレーシアには、何年くらい行くものですか」——学校のことよりも先に、この質問をいただくことがよくあります。年数そのものではなく、年数を決めている中身のほうを分解してお伝えします。

先にお答えすると、この問いに共通の年数はありません。大きくは「帰国生入試が求める在外年数に届かせるまで」と「現地の資格を取り切るまで」の2つに分かれます。滞在年数を決めているのは、ご家庭の希望よりも「どこで教育を終えるか」=出口のほうだからです。出口が決まれば必要な年数の目安は絞られ、検討の中心は「いつ入るか」に移ります。逆に出口を決めないまま「とりあえず3年」と置くと、資格の区切りの途中で帰国することになり、いちばん学費のかかった学年だけが形に残らない、ということが起こります。この記事では、年数を動かせなくしている固定点と、逆算の手順を整理します。

なぜ「何年」に相場がないのか|決めるのは出口

理由はひとつで、年数は出口のほうがほとんど決めてしまうからです。同じ小学4年生でも、日本の高校受験に戻るご家庭と現地で大学まで進むご家庭では、必要な年数が3年と8年に分かれます。相場を探しても答えが出ないのは、問いの順番が逆だからです。

出口は大きく3つです。①日本の中学・高校・大学に戻る ②マレーシアの大学に進む ③英米豪など第三国の大学に出る。この3つは取る資格も、資格が形になるタイミングも違います。まずはご家庭がどれを想定しているかを置いてみてください。

出口を決めずに年数から置いたときのずれ方は、資格の区切りの途中で終わる・日本側の受験と重なる・在外年数が条件に少し届かないの3つに集まります。いずれも渡航前なら動かせたのに、現地では動かしにくいずれです。

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出口①日本に戻る②マレーシアの大学③英米豪など第三国
年数を決めているもの日本側の受験・編入の時期現地大学の出願条件出願に使う試験成績の学年
主に手元に残るもの英語力と在外の年数進学先の学位資格試験の成績
区切りの融通○ 比較的つけやすい△ 出願時期に縛られる△ 2学年をまたぐ必要
途中で切り上げたとき在外年数が条件に届くかが焦点出願に間に合わない試験成績が残らない
○ つけやすい△ 条件つき△ 制約が強い
▲ 3つの出口と、年数を決めている要素。出口が違えば必要年数は別物になります(ルシュエット作成)
現地からのリアル

ご相談で「何年くらいが普通ですか」と最初にお尋ねいただくことは、とても多いです。ただ、その場でお答えできることはほとんどありません。かわりに「戻る前提ですか、出る前提ですか」とお聞きすると、ご家庭の中でまだ揃っていなかった、と分かることがよくあります。

年数の相談に見えて、実際には進路の相談であることが多い。費用や学校選びより先に整理しておきたい部分です。

年数を動かせなくする3つの固定点

出口を決めたあとも、年数は自由には置けません。ご家庭の都合では動かせない固定点が3つあるからです。知らずに月数を数えると、あとで半年から2年ずれます。

固定点1|カリキュラムは2学年ひとまとまりで動く

英国式カリキュラムの場合、資格は学年ごとではなく、2学年をひとまとまりとして最後に試験を受けて形になります。ケンブリッジ国際教育は公式のヘルプページで、IGCSEの課程は通常2年かかり、試験はその期間の最後に受けると説明しています。保護者向けのガイドでも14〜16歳を対象とする課程とされています。その2学年の途中で帰国すると、在籍した記録は残っても資格は残りません。

この区切りはその先でも繰り返します。ケンブリッジ国際教育はA Levelも通常2年の課程と公式に説明し、対象を16歳から19歳としています。マレーシアでもThe Alice Smith SchoolやGarden International SchoolがA LevelをYear12とYear13の2学年で提供すると公表しています。IGCSEはその手前の2学年に置かれるのが一般的です。

国際バカロレアのディプロマも16歳から19歳を対象とする課程で、マレーシアの認定校は2学年の課程として案内しています。つまり区切りの入り口は14歳ごろと16歳ごろの2回で、日本の学年に重ねると中学3年生ごろと高校1〜2年生ごろに分かれます(対応は生まれ月や学校の判断で前後します)。2つは連続しておらず、あいだに1学年ぶんの距離があります。学年と資格の対応はインターの学年(Year)と日本の学年の対応で整理しています。

年数を1年単位で刻めると思っていると、この2年ブロックにぶつかります。資格が形になるのは各ブロックの最後の試験で、そこに届かなければ途中までの学習は成績として残りません。

固定点2|学年が始まる月が2系統ある

マレーシアのインターナショナルスクールには8月に学年が始まる学校と、1月に始まる学校の2系統があります。The Alice Smith Schoolは2026-27年度を8月20日開始と公表し、Australian International School Malaysiaは1月から12月までの4学期制です。

この違いはそのまま年数に効きます。日本の3月卒業から数えると、8月始まりなら空白は数か月ですが、1月始まりでは次の入り口まで10か月近く空きます。志望校がどちらの系統かで、同じ「3年」の中身が半年ずれるとお考えください。

空いた期間の扱いも年数の数え方に関わります。日本の学校に在籍したまま待つ、短期で先に現地を見る、学年の途中から入る——いずれも選べますが、途中入学は学期の区切りと空き枠で受け入れが変わるため志望校ごとの確認が要ります。学期の並びはマレーシアの学校の1年にまとめています。

固定点3|英語が「学習言語」になるまでの時間

3つ目はお子様の英語です。カナダの研究者ジム・カミンズが示した整理では、日常会話の流暢さと、教科の学習に使う言語は別物として扱われます。前者はおよそ2年、後者は平均して5〜7年かかるとされ、この整理は英語学習の分野で広く引用されています。ただし到達までの時間には個人差があり、学校の支援体制でも変わります。

大事なのは数字より順番のほうです。渡航して1年ほどで「英語で話せるようになった」と感じても、理科や社会の教科書を読んで考える段階には届いていないことがある。2年で切り上げるご家庭と5年いるご家庭で持ち帰るものが違うのは、この差が理由です。渡航後の伸び方は子どもの英語はいつ話せる?で月ごとに整理しています。

そしてこの時間は、日本語の側でも同じように進みます。年数が延びるほど英語は伸びますが、同時に日本に戻るときの負荷も上がります。この2つは同じ時間の裏表なので、片方だけを見て年数を決めると、帰国してから想定外の対策が必要になります。

志望校の学年開始月と、お子様の学年から数えた区切りの位置。この2つが分かると年数は具体的になります。現地スタッフと一緒に整理する

年齢別|いまの学年から数えると何年か

ここからは、お子様の現在の学年から数えると年数がどう出るかを並べます。同じ「区切りまで行く」でも、始める学年によって必要な年数はまったく違います。

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いまの学年区切りまでの年数の目安この時期の強み気をつけたいこと
小学1〜4年生資格の区切りまでは6年以上英語が学習言語になる時間を確保できる年数が長く、費用と日本語の維持に設計が要る
小学5〜6年生中学受験に戻るなら1〜2年/区切りまでは4〜5年英語と教科の両立に入りやすい日本の中学受験に戻る場合は時期が重なる
中学1〜2年生IGCSEの区切りまで2〜3年区切りと学年がかみ合いやすい英語の立ち上げと教科が同時に来る
中学3年生以降区切りをまたぐなら4年前後出口を具体的に決めやすい途中の学年から入ると資格が残りにくい
※学年の対応は生まれ月で前後します
▲ 開始学年別に見た、資格の区切りまでの年数の目安。実際の配置は学校のアセスメントで決まります(ルシュエット作成)

ただしこの表の年数には、お子様の英語力によって1年ぶん増えることがあるという但し書きが付きます。入学する学年は年齢でなく学校のアセスメントで決まり、EAL(英語を追加言語として学ぶ生徒への支援)の受講条件でも前後するためです。区切りの入り口にあたる学年は英語で教科を学ぶ前提なので、英語がこれからのお子様は実年齢より下の学年から勧められることがあります。「中学3年生だから2年で区切りまで行ける」とは限らないということです。

この表で読み取っていただきたいのは、小学校高学年と中学3年生に判断が集まることです。小学5〜6年生は日本の中学受験と、中学3年生はIGCSEの入り口と重なります。「行く/行かない」ではなく「いつ行くか」で結果が変わります。

逆に小学校低学年から中学年は年数に余裕があります。設計すべきなのは英語ではなく日本語と費用のほうです。滞在が長いほど日本語の読み書きは意識して続ける必要が出ますし、学費は年単位で積み上がります。

出口別に見る、必要な年数の考え方

出口ごとに年数をどう置くかを見ていきます。出口によって、年数を縛るのが「日本側の制度」なのか「現地の学年」なのかが変わります。

出口①|日本の中学・高校・大学に戻る

この出口で年数を決めているのは、現地の学年ではなく、志望校の帰国生入試が求める在外年数です。日本に戻る場合、年数を縛るのは現地ではなく日本側の受け入れ条件です。帰国生を対象とした入試には在外年数の条件が置かれていることが多く、ひとつの例として、東京都立高校の海外帰国生徒対象の募集では、保護者に伴って外国に継続して2年以上在住したこと(継続する2学年の修了見込みを含む)が応募資格として示されています。

ただしこれは全国一律の基準ではありません。私立の中学・高校や大学の帰国生入試は、在外年数の下限も帰国後何年以内かという条件も学校ごとに違います。年数を「2年あれば足りる」と一般化せず、志望校が決まった時点でその学校の募集要項をご確認ください。中学・高校・大学で求められる在外年数は同じではありません。

年数は日付で検算してください。学年の開始月がずれると、2年のつもりが数か月足りない、ということが起こります。また同じ都立の募集では、保護者が帰国できない場合に父母のいずれかが入学後1年以内に帰国して同居することが確実であること、といった条件も示されています。在外年数だけでなく「保護者が同行していたか」が条件に入る点は、保護者が先に帰国する形を考えているご家庭では確認が要ります。受け入れ先と手続きは帰国後の学校にまとめています。

出口②|マレーシアの大学に進む

この出口で年数を決めているのは、出願に使う資格が出る学年です。英国式であればA Level、国際バカロレアであればディプロマの成績が出る学年まで在籍する必要があり、そこから逆算すると、中学生のうちに入る場合で4〜6年という幅になります。

ただし現地の大学には、A Levelや国際バカロレアを経ずに大学側の進学準備課程(ファウンデーション)から学部に進む道もあります。Taylor's CollegeやSunway Collegeは、この課程の出願要件をO-Level相当の修了成績(5科目の合格)と公式に案内しています。このルートを取る場合、必要な年数は2学年ぶん短くなります。志望する大学がどのルートを受け入れているかを先に確かめると、逆算のもとになる学年が定まります。

出口③|英米豪など第三国の大学に出る

この出口で年数を決めているのは資格試験の成績が確定する学年で、3つの中でもっとも区切りの融通がききません(進学準備課程を経るルートを取る場合は、この限りではありません)。出願に使うのは資格試験の成績そのもので、その成績は2学年の最後にしか出ないためです。文部科学省は、日本の大学の入学資格について、国際バカロレア資格やGCE Aレベル等の保有者を対象に含めています。これらの資格は、第三国だけでなく日本に戻る道も同時に開きます。詳しくはインター卒業後の進路をご覧ください。

現地からのリアル

「日本に戻るか、こちらに残るか、まだ決められない」というご相談は珍しくありません。そのときにお伝えしているのは、決めきらなくてよいのでいちばん選択肢が残る学年まで行くという置き方です。

資格の区切りまで進んでおけば、日本の大学も現地の大学も第三国も、そこから選べます。手前で切り上げると選べる先が1つに減る。迷っているご家庭ほど、区切りまでは行っておくほうが自由が残ります。

1年・2〜3年・5年以上で何が変わるか

年数の帯ごとに、何が手に入り何が手に入らないかを並べます。長いほうが良いという単純な話ではなく、帯によって得られるものの種類自体が変わります。

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比較項目〜1年(短期)2〜3年(中期)5年以上(長期)
英語の到達耳と度胸がつく段階会話は回る・教科はこれから教科の学習に使える段階へ
資格として残るもの△ 在籍記録のみ△ 区切り次第○ 試験の成績が残る
帰国生入試の条件△ 届かないことが多い○ 届きうる(学校による)○ 年数は満たす
日本の学習の遅れ○ 取り戻しやすい△ 国語・社会に対策が要る△ 戻る設計が別に必要
費用の総額○ 抑えやすい△ 年単位で積み上がる△ 進学費用まで視野に
向いているご家庭まず試したい戻る前提で英語を取りたい出口を現地・海外に置く
○ 得やすい△ 条件つき△ 難しい・要対策
▲ 年数の帯ごとに得られるものの質が変わります。到達度は開始年齢・英語力・学校の支援で差があります(ルシュエット作成)

表で見ていただきたいのは、2〜3年の帯だけ評価が割れているところです。区切りの位置とかみ合えば資格まで届き、ずれると在籍記録だけで終わります。いちばん設計が要るのが、いちばん選ばれやすい帯だという点が、期間の難しさです。

費用は年数に比例しない

費用の形も年数の判断に効きます。教育移住の費用は「毎年かかるもの」と「1回だけかかるもの」に分かれ、年数に比例するのは前者だけです。

毎年かかるのは学費と家賃、生活費です。一方で、渡航費・住まいの初期費用・入学にともなう費用・帰国のときの費用は、滞在が1年でも5年でも基本的に1回です。つまり短い滞在ほど、1年あたりで見たときの単価は高くなります。

総額だけで比べると短いほうが有利に見えますが、持ち帰るものの量で割ると、区切りまで行ったほうが単価は下がります。年数を縮める前に、一度この割り算をしてみてください。学費の水準は学校のグレードで大きく変わるため、試算は毎月かかる教育費を目安に、志望校が絞れてからのほうが正確です。

期間の上限を決める制約|ビザと日本の学籍

出口から出した年数が、そのまま実行できるとは限りません。滞在の資格と日本側に残す籍の2つが、期間に上限をかけます。

滞在の資格|保護者は働けない前提で考える

お子様の滞在資格から見ます。マレーシア入国管理局の案内では、学生パスの対象は3歳以上とされ、就学前から高等教育までが含まれると説明されています。ただし実務では年齢だけでなく保護者のビザの種類でルートが分かれ、保護者が就労パスなどの長期ビザをお持ちの場合は、お子様は学生パスではなく扶養家族のパスに就学の許可を付ける形になることがあります。扱いは学校で異なるため、志望校のビザ担当にご確認ください。

お子様がインターナショナルスクールに通う場合、付き添う保護者はマレーシア入国管理局の案内でGuardianとしてのSocial Visit Passの区分に置かれ、就労や事業は認められていません。対象は実の親・法定後見人・養親などとされています。長期になるほど、この「保護者が現地で働けない」という条件が家計に効いてきます。

ここは期間の設計に直結します。収入を日本に置いたまま、支出だけがマレーシアで増える構造になるため、年数が延びるほど日本側の働き方に無理が出ます。ご夫婦のどちらかが日本に残る形が多いのは、費用というよりこの構造が理由です。滞在の形はマレーシア長期滞在で段階別に整理しています。

なお、このパスの有効期間について、入国管理局の公表ページに年数の明記はありません。更新の周期は学校や個別の条件で運用が異なるため、志望校のビザ担当や留学エージェントを通して確認するのが確実です。学校の公式案内でも内容は一致していません。Sri KDU International School(スバンジャヤ校)は保護者のパスを12か月または就学期間の短いほうとし、対象を保護者1名のみとしています。一方でImperial International Schoolは子ども1人につき保護者2名までとし、期間は就学に合わせるとしています。The Alice Smith Schoolは、Guardianビザは母親について処理されると説明しています。同じ制度でも学校で案内が違う以上、年数の前提も学校ごとに置き直す必要があります。

長期を前提にするなら|MM2Hの年数と条件

5年を超える滞在では、選択肢に入るのがMM2Hです。公表されている内容では、Platinumが20年、Goldが15年、Silverが5年、経済特区向けのSEZが10年とされ、いずれも最長年数に達したあとは5年ごとの更新とされています。定期預金はUSD建てで求められ、金額はカテゴリーによって大きく変わります。

見落とされやすいのが滞在日数の義務です。年間90日(累計)の滞在義務は50歳未満の参加者に課される条件で、50歳以上には最低滞在日数の要件が置かれていません。日本と行き来する滞在を考えているご家庭は、ここが計画に効きます。条件は改定が続く分野なので、詳細はMM2Hの条件と費用をご確認のうえ、検討時点の最新の内容でご判断ください。

日本側の籍|「1年」がひとつの分かれ目になる

もうひとつの制約が日本の学校の籍です。日本の小中学校に「休学」という制度はありません。どれくらい行くかで、籍をどう扱うかの選択が変わります。海外転出の届出も含め、1年を超えるかどうかがひとつの分かれ目です。手続きの順番は留学中の日本の学籍で整理しています。

現地からのリアル

期間が延びたご家庭に共通しているのは、渡航前に「延びる可能性」を勘定に入れていたことです。逆に短くなったご家庭は、費用の見込みが合わなくなったか、日本側の受験が近づいて前倒しした、このどちらかがほとんどです。

どちらも悪いことではありません。ただ、延ばすのは学年の区切りでしかできないのに、縮めるのはいつでもできてしまう。この非対称に気づいていないと、縮める判断だけが早く出ます。

逆算の手順と、撤退ラインの決め方

ここまでを、渡航前に手を動かせる順番に並べ直します。年数を出すのは最後の工程です。

  1. 出口を3つから選ぶ(仮でよい)

    日本に戻る/マレーシアの大学/第三国の3つから、いまの気持ちで1つ置きます。決めきる必要はなく、迷っている場合は「選択肢を残す」を選んでください。

  2. お子様の学年を現地の学年に置き換える

    日本の学年と現地のYearは生まれ月の扱いで1年ずれることがあります。まず現在地を現地の物差しに直します。

  3. 出口までにある「区切り」を数える

    置き換えた学年から、資格の2学年ブロックがいくつ入るかを数えます。ここで出る年数が、出口から見た必要年数です。

  4. 志望校の学年開始月で前後を調整する

    8月始まりか1月始まりかで入り口が半年動きます。日本の卒業・修了の時期とつないで、空白が何か月になるかを確かめます。

  5. ビザ・費用・日本の籍で検算する

    出た年数が保護者の滞在資格と家計、日本側の籍の扱いで成立するかを確かめます。成立しなければ年数ではなく出口を見直します。

ステップ5で年数が長すぎると感じたとき、多くのご家庭は年数を削ろうとされます。ただ削るべきは年数ではなく出口のほうです。出口を「第三国の大学」から「日本に戻る」に置き換えれば必要な年数は短くなり、持ち帰るものも別のものに変わります。年数だけ削ると、出口はそのままなのに届かない状態になります。

撤退ラインは、行く前に決めておく

期間の話でいちばん抜けやすい点をお伝えします。撤退ラインは、渡航前のほうが正しく決められます。現地で迷いが出たときは、判断の材料が感情に寄りやすくなるためです。

「何があったら帰るか」を2つか3つ、具体的な事実の形で書いておきます。「学校に馴染めないと感じたら」ではなく、「2年目のアセスメントで英語の補習が外れなかったら」「日本の教材で算数が2学年ぶん遅れたら」のように、英語だけでなく日本語と教科の進度も基準に入れるのがコツです。判断の時期は、資格の区切りの手前ではなく直後に置きます。「学年の途中では決めない」と決めておくだけでも、失うものは減ります。ご家庭の中で意見が分かれている場合は、家族で合意する決め方もあわせてご覧ください。

延ばす側の準備も同時にしておくと動きやすくなります。延長を決めるのは区切りの前になることが多く、そのとき要るのは次の学年の在籍手続き・滞在資格の更新・費用の見通しの3つです。これを「延びたら考える」にしておくと、区切りの直前に全部をまとめて決めることになります。つまずいた例は教育移住で後悔・失敗する人の共通点にまとめています。

この記事の要点を3行で

ひとつ。年数は出口が決めているので、先に置くのは出口です。

ふたつ。2学年ブロック・学年の開始月・英語が学習言語になるまでの時間の3つが年数を刻みます。

みっつ。延ばすのは区切りでしかできず、縮めるのはいつでもできます。だから撤退ラインは渡航前に、区切りの直後へ置きます。

「うちの家族なら何年か」を、出口から一緒に逆算しませんか?

お子様の学年、想定している出口、志望校の学年開始月。
この3つから必要な年数を、現地スタッフが個別に整理します。

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よくある質問

マレーシアへの教育移住は、最低何年行けば意味がありますか?

「何年から意味がある」という共通の基準はなく、何を持ち帰りたいかで変わります。英語について言えば、ジム・カミンズが示したBICS/CALPという整理が広く引用されており、会話面はおよそ2年、教科の学習に使う言語は平均して5〜7年かかるとされています。一方で、多国籍な環境に身を置く経験や、日本の学校以外の選択肢を知ることが目的であれば、1年未満でも成立します。期間の長短ではなく「何を持ち帰るか」を先に決めるほうが、判断は早くなります。

途中で切り上げて帰国することはできますか?

滞在そのものは学年の途中でも終えられますが、資格の面では区切りがあります。ケンブリッジ国際教育は、IGCSEの課程は通常2年かかり、試験はその期間の最後に受けると公式に説明しています。そのため区切りの手前で帰国すると、在籍の記録は残っても資格そのものは残りません。切り上げの可能性があるご家庭は、渡航前に「どの区切りまでなら行くか」を決めておくと迷いが小さくなります。

帰国生入試を使うには、何年の在外期間が必要ですか?

学校ごとに異なり、全国一律の基準はありません。ひとつの目安として、東京都立高校の海外帰国生徒対象の募集では、保護者に伴って外国に継続して2年以上在住したこと(継続する2学年の修了見込みを含む)が応募資格として示されています。私立の中学・高校や大学の帰国生入試は、在外年数の下限も帰国後の経過年数の条件も学校によって違います。志望校の候補が決まっている場合は、その学校の最新の募集要項で条件をご確認ください。

保護者の滞在ビザは、何年ごとに更新が必要ですか?

インターナショナルスクールに通うお子様に付き添う保護者は、マレーシア入国管理局の案内でGuardianとしてのSocial Visit Passの区分に置かれ、就労や事業は認められていません。ただし有効期間について入国管理局の公表ページに年数の記載はなく、学校の公式案内も12か月ごととする学校と就学期間に合わせる学校で一致していません。志望校のビザ担当や留学エージェントを通して、お子様の学校の場合どうなるかをご確認ください。

長く住むならMM2Hに切り替えたほうがよいですか?

滞在できる年数だけを見ればMM2Hは長く、公表されている内容ではPlatinumが20年、Goldが15年、Silverが5年、経済特区向けのSEZが10年とされています。ただし定期預金はUSD建てで求められ、金額はカテゴリーによって大きく変わります。また50歳未満の参加者には年間90日の滞在義務が課されます。教育目的で数年の滞在を考えているご家庭の場合、必ずしもMM2Hが前提になるわけではありません。条件は改定が続く分野なので、検討する時点の最新の内容をご確認ください。

小学生のうちに行くのと、中学生になってから行くのとでは、どちらがよいですか?

どちらが優れているというより、手に入るものの種類が変わります。小学生のうちに入ると、英語が教科の学習に使えるようになるまでの時間を確保しやすくなります。研究で引用されている整理でも、教科の学習に使う言語は平均5〜7年とされており、時間そのものが効く部分です。一方で中学生から入る場合は、資格の区切りと学年がかみ合いやすく、出口を具体的に決めたうえで動けます。ご家庭の出口が固まっているなら中学生から、まだ決めきれていないなら早めに、という置き方が考えやすいかと思います。

1年だけの滞在でも、費用に見合うものはありますか?

目的によります。資格という形で残るものを求める場合、1年では区切りに届かないため、在籍の記録は残っても資格そのものは手元に残りません。一方で、多国籍な環境に身を置く経験や、英語を聞き取ることへの抵抗が減ること、日本の学校以外の選択肢を知ることが目的であれば、1年でも十分に成立します。ただし費用の形にはご注意ください。渡航費・住まいの初期費用・入学にともなう費用は滞在の長さにかかわらず基本的に1回かかるため、滞在が短いほど1年あたりの単価は高くなります。総額の軽さと、1年あたりの重さは別物だとお考えください。

主な参照元(2026年9月時点)

本記事に記載した費用・制度・学校情報は、2026年8月時点に公開されている情報にもとづく目安です。制度や料金は改定されることがあるため、お申し込みの前に各公式サイト、または当社までご確認ください。